赤ちゃんの泣き声を不快に感じる理由や対処法、聞き分けアプリもチェック!【助産師監修】

赤ちゃんの泣き声に、嫌悪感を感じてしまうことってありますよね。当記事では、赤ちゃんの泣き声が不快に感じる理由や、そんなときの対処法をご紹介します。また、赤ちゃんの泣き声が他人を不快にしてしまったときの対処法や、赤ちゃんの泣き声の種類を聞きわけると言われているアプリもチェックしてみました。

赤ちゃんの大きな泣き声を不快に感じることもある?

赤ちゃんの泣き声
赤ちゃんの泣き声は、不快に感じさせるときだってあるもの。

 

ニコニコご機嫌なときはかわいらしい赤ちゃんですが、ひとたび火がついたように泣き出すと「手に負えない!」と滅入ってしまうことだってあるでしょう。自分の愛する大事な赤ちゃんであっても、泣き声を聞くとイライラしたり落ち着かなくなったりするママ・パパだっています。しかしそれは、実はとても自然なことで、多くのママ・パパが育児の中で同じように感じているようです。そのため、泣き声を不快に感じたとしても、それで自分を責めたりする必要はありません。

赤ちゃんの泣き声が不快に感じる理由

赤ちゃんは、まだ言葉もしゃべれませんし、ごはんを食べたり排せつしたりすることも、1人ではできません。それゆえ、「お腹が減った」「おむつが濡れてるから気持ち悪い」「暑い」などの感情を、泣くという行為で周囲に伝えます。赤ちゃんの泣き声は、周囲へのアラートの役割を担っているわけです。

しかも赤ちゃんが大声で泣くとき、その声には2,000Hz以上の高い周波数が含まれているそう(※)。2,000Hz以上の周波数の音に対して、人は雑音のように感じたり不快に感じたりしやすいのだとか。つまり、赤ちゃんの泣き声は、あえて人が反応しやすい不快な音になっているということ。赤ちゃんが周囲に助けを求めたとき、その声が人にしっかり届くようになっているのかもしれません。

(※)参考:乳幼児泣き声の定量的解析と啼泣原因推定(荒川薫)

電車や飛行機などで赤ちゃんが泣いて、それが原因で「うるさい」などのクレームが上がることが時々あります。人が赤ちゃんの泣き声を「うるさい」と不快に感じるのは、赤ちゃんの泣く声の周波数に理由があるようです。そしてママ・パパも同じように、自分の赤ちゃんの泣き声に対してイライラしたりすることがあるのも、同じ理由でしょう。

赤ちゃんの泣き声を不快に感じたときの対処法

なかなか泣き止まない赤ちゃんを前に、不快に感じることもあるでしょう。そんなとき、どうやって対処したらいいでしょうか?

うるさいと感じたとき

あやしてもオムツを替えても泣き止まず、ギャン泣きする赤ちゃんに対して、「うるさい」と思ってしまうことだってあるでしょう。何に対して泣いているのかわからず、途方に暮れてしまうときもあります。イライラしてしまうようであれば、赤ちゃんにすぐに声をかけようとせず、一呼吸おくことも大切です。赤ちゃんの体調が悪くなくて元気なときなら、赤ちゃんを安全な場所に寝かせて、家事をすませたり心を落ち着けたりしてみてはどうでしょうか。

ストレスに感じたとき

原因がわからず赤ちゃんが泣き続けていると、ママやパパにもストレスが溜まってしまいます。赤ちゃんが泣くのは「抱っこしてほしい」「お腹が空いた」などの理由があることは多いのですが、理由がなくて泣くこともあります。何をしても泣き止まない場合は、泣くことは赤ちゃんの仕事と思って、考え方をチェンジしてみましょう。危険がないかどうかだけは、しっかりと見守ってあげてください。

怖いと感じたとき

赤ちゃんの泣き声を耳にすると、怖いと感じるママ・パパも少なくありません。恐怖に感じてしまうのは、赤ちゃんが泣いても対処法が見つからずに途方に暮れた経験や、「また夜眠れなくなる」という経験が重なっているのかもしれません。また、出産後の慣れない育児にいっぱいいっぱいになり、“産後うつ”に陥る可能性も否定できません。

そんなときは、家族など育児を一緒に手助けしてもらえる人に手伝ってもらいましょう。また育児経験者やママ友と交流することで、赤ちゃんが泣いたときの対処法を見出したり、考え方を変えるきっかけになったりするかもしれません。

泣き声で周りを不快にさせているかも?と感じたら

自宅でも外出中でも、赤ちゃんが泣きだしたら、周囲に「うるさい」と言われないか心配になりませんか? ママ・パパでさえ不快に感じることもある赤ちゃんの泣き声は、近所の人や外出先の大人たちをイライラさせてしまっているかもしれません。

HugKumが行ったアンケートで、自分の子どもや他人の子どもに対して「うるさいと思うことはありますか?」と聞いたところ、「ある」が50.0%、「ときどきある」が41.7%と、大部分の方が「うるさいと思ったことがある」と回答していました。

電車の中や病院などの外出先では、赤ちゃんが泣き出すと「うるさく思われているんじゃないか…」と思うかもしれません。でも、赤ちゃんが泣くことは自然なこと。ママやパパがそのことに負い目を感じることはありません。

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赤ちゃんの泣き声が他人を不快にしてしまったときの対処法

赤ちゃんの泣き声が他人を不快にしてしまったときの対処法
赤ちゃんの泣き声が他人を不快にしてしまったときの対処法

 

そうは言っても、周囲から「うるさい」と言われたり、近所から苦情が出たりしたら、ママ・パパは肩身が狭く感じます。そんなときはどうやって対処したらいいでしょうか?

うるさいと言われたとき

赤ちゃんの泣き声に対して「うるさい」と言われたら、まずは迷惑をかけたことに対して素直に謝りましょう。理不尽な態度で当たられたり、不愉快な対応をされたりと、ママ・パパが嫌な思いをすることだってあるかもしれません。しかし、赤ちゃんと一緒にいる中で、大きなトラブルに発展してしまったら大変です。そして、外に出られるような環境ならその場を離れて心を落ち着かせましょう。

アパートで苦情が出たとき

日中の泣き声に加えて、夜中に赤ちゃんが泣き出すと、近所から苦情がくるかもしれません。そんなときも、最初に謝罪することが大切。赤ちゃんが泣いているときは窓を閉めて音が漏れにくいようにしたり、窓に防音シートを貼ったり防音カーテンをつけたりするのもいいかもしれません。できる範囲で、防音グッズを取り入れるなど工夫してみましょう。

赤ちゃんの泣き声に種類がある?

赤ちゃんの泣き声は「いつも同じで、聞くと耳が痛い」と思っていませんか? でも赤ちゃんの泣き声には、種類があると言われているのです。

赤ちゃんの泣き声が大きい理由は?

赤ちゃんは、小さい体なのに大人顔負けの大きな声で泣きます。それは、「眠い」「お腹が空いた」などの自然な欲求を表現しているから。また、赤ちゃんは突然奇声を発することがありますが、これも「楽しい」という意志表示をしたり、声を出すこと自体を楽しんだりしていると言われています。ですので、赤ちゃんが大きな声で泣くのは、自然な欲求に従っているものと考えられます。

「にゃー」など、泣き方で原因がわかる?

オーストラリアの研究者Priscilla Dunstan(プリシラ・ダンスタン)氏(※)によると、「にゃー」「オォ」など、赤ちゃんの泣き声は5つに分けられるのだとか。そして、それぞれに「眠い」「お腹が空いた」「ゲップしたい」などの意味があると提唱されているようです。

(※)参照:DUNSTAN BABY LANGUAGE

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赤ちゃんの泣き声を聞き分けるアプリ

赤ちゃんがなぜ泣いているのか、その理由を把握するときに便利なのが、泣き声を聞き分けできるアプリ。赤ちゃんの成長記録をつけるなど、多彩な機能がついているものもあり、子育てママ・パパにとって心強い存在になるかもしれません。赤ちゃんが泣いている原因を探る参考に、利用してみてはいかがでしょうか?

パパっと育児@赤ちゃん手帳

カバーアート

赤ちゃんの泣き声から、泣いている理由を探る泣き声診断機能つき。授乳や睡眠、オムツ替えなどの育児記録や、赤ちゃんの身長・体重などの記録も残せます。
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Cry Analyzer

カバーアート

子どもの成長について研究を行う国立成育医療研究センター研究所と共に、2万人の赤ちゃんの泣き声を分析。泣き声から「眠い」「遊んで」「お腹が減った」などの、赤ちゃんの感情を推測します。
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ChatterBaby

Cover art

AIを利用して、赤ちゃんの泣いている理由を教えてくれます。その正解確率は9割にもなるのだそうです。
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記事監修

Kawai
助産師・看護師
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

エミリオット助産院

文・構成/HugKum編集部

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