両生類とは? カエル・イモリなどの特徴や種類、爬虫類との違いをチェック!【親子で学ぶ生物】

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カエル・イモリ・オタマジャクシなどの「両生類」。両生類という言葉は知っていても、きちんと意味を理解している方は少ないかもしれません。そこで当記事では、両生類とはどのような動物なのか、両生類の特徴と種類、爬虫類との違いについてご紹介しましょう。また、両生類について学べるおすすめの本もチェックしてみました。

両生類とは

動物や虫などに興味を持つ子どもは多いものです。そんな子どもたちから、カエル・イモリ・オタマジャクシについて聞かれたとき、きちんと説明できますか? ここでは、カエル・イモリ・オタマジャクシに代表される両生類について、どんな動物なのかをご紹介します。

簡単にいうと?

動物は、背骨を持つ「脊椎動物」と、背骨を持たない「無脊椎動物」の2つに大きく分類することができ、両生類は脊椎動物に該当します。そして脊椎動物の中には、両生類のほかに、哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類があります。

この脊椎動物をさらに細かく分類すると、陸上で生活する哺乳類、鳥類、爬虫類と、水中で生きる魚類に分けることができ、両生類は水陸のどちらでも生活できる種類と分類できるのです。つまり、「両生類は背骨がある動物で、水の中でも陸上でもどちらでも生きられる動物」と言えるでしょう。

両生類の代表格には、カエル、イモリ、サンショウウオ、オタマジャクシが挙げられます。

両生類の特徴

両生類は背骨がある脊椎動物とご紹介しましたが、それ以外にも、両生類ならではの特徴がいくつかあります。

子どもの頃はエラ呼吸、大人になると肺呼吸

オタマジャクシが水の中で生活し、成長してカエルになると陸上で生きるようになります。このように、水の中でも陸上でも生活できるのは、呼吸器に秘密があります。オタマジャクシのときは魚と同じようにエラ呼吸で、水中にある酸素を取り込みます。しかしカエルになると、哺乳類と同じように、空気中の酸素を肺から取り入れる肺呼吸と、皮膚による呼吸に変わるのです。

皮膚呼吸とは、体の表面で行う呼吸で、肺呼吸の補助的に行われます。両生類の肺の構造では、彼らの全呼吸量はまかなえない場合もあるため、皮膚呼吸のサポートが必要とされています。たとえば、活動時のカエルの皮膚呼吸が占める割合は、全呼吸量の1/2から1/3ともいわれているようです。

このように、両生類の多くが、子どものときはエラ呼吸をして、大人になると肺呼吸するようになります。

変温動物

体温変化の違いでも、動物を分類することができます。季節や外気温にかかわらず、体温が一定に保たれるのが「恒温動物」で、哺乳類や鳥類がこれに当たります。一方、気温によって体温に変化が見られるのが「変温動物」で、両生類や爬虫類、魚類があります。

また両生類の体は粘液で覆われてるため、ぬめりけがあります。そのため、皮膚呼吸がしやすくなると言われていますが、乾燥に弱いという特徴があります。

性別決定は環境による

動物にはオスとメスがいて、それはおおむね遺伝的に決まります。しかし、遺伝以外の要因で性別が決定する動物もいます。例えば爬虫類は、孵卵期間の温度によってオスとメスが決まる種類があります。

これと同じように、両生類にも遺伝的に性別が決まる種類と、温度や性ホルモンによって影響を受ける種類があるのです。つまり両生類は、受精卵の段階で遺伝的な影響を受けて性別が決まることもあるけれど、環境の影響を受けて性別が決まることも多いようです。

ちなみに、両生類は卵で生まれる「卵生」。哺乳類は、母親の胎内で育てられて出産する「胎生」ですが、脊椎動物の中で「胎生」で子どもを産むのは哺乳類だけです。

両生類の種類

両生類の種類
両生類の種類

 

両生類の中には、どのくらいの種類がいるのでしょうか?

数はどれくらい?

世界には約6,500種類もの両生類が生息していると言われます。しかし問題になっているのは、両生類の減少。2010年の国際自然保連合(ICUN)の報告によると、両生類の1/3近くが絶滅の危機に瀕していると考えられているそう。

両生類は水と陸地の両方を生活環境とすることや、皮膚が薄く有害物質の影響を受けやすいこと、さらに温暖化による気候変化や環境の変化によって、両生類の数の減少につながっていると見られています。

代表的な両生類の例

両生類を代表するのが、カエルとイモリ、サンショウウオです。

カエル

カエルの中では、ウシガエル、トノサマガエル、ニホンアマガエル、ヒキガエルなどが有名でしょう。

イモリ

またイモリには、ニホンイモリ、シリケンイモリなどがいます。

サンショウウオ

サンショウウオには、オオサンショウウオ、クロサンショウウオがいて、ウーパールーパーはメキシコサンショウウオの1種です。

また間違えられやすいものの中に、ヤモリとトカゲがいます。イモリと似ているため両生類と思われがちですが、ヤモリもトカゲも爬虫類に属します。

両生類の一覧

両生類はさらに次のように細かく分類されています。

  • アマガエル科
  • アカガエル科
  • アオガエル科
  • ヤドクガエル科
  • ヒメアマガエル科
  • ヒキガエル科
  • サンショウウオ科
  • イモリ科

両生類と爬虫類の違い

よく両生類と混乱しやすいのが、ヘビなどの爬虫類です。両生類は水と陸地の両方で生活するのに対して、爬虫類は陸地で生活することが大きな違いでしょう。それ以外にもいくつかの違いがあります。ここで両生類と爬虫類の違いについて、整理してみましょう。

爬虫類はずっと肺呼吸

両生類は、子どものときは水の中でエラ呼吸をして、大人になると陸上に上がり肺や皮膚で呼吸するとご紹介しました。しかし爬虫類は、子どものときも大人になっても、ずっと肺呼吸をしています。そのため、爬虫類は基本的に陸地を生活圏としているのです。

爬虫類にはウミガメが含まれますが、ウミガメも肺呼吸しているため、ずっと海中を泳いでいるわけではなく、ときどき呼吸するために海面に顔を出します。

爬虫類はウロコや甲羅を持っている

爬虫類といえば、ヘビ、トカゲ、カメなどが含まれます。これらに共通しているのは、硬いウロコや甲羅で体が覆われていること。このウロコや甲羅は、外敵や寄生虫などから自身を守る役割があります。さらに陸上で素早く動くために、4本の脚と尾を持っているのが特徴。ヘビは脚が退化した爬虫類です。

しかし両生類はウロコや甲羅、体毛も持たず、体全体が粘膜に覆われた皮膚を持っています。そのため、両生類のほうが外敵には弱いと言えるかもしれません。

爬虫類は殻のある卵を産む

爬虫類も両生類も、卵を産む動物です。しかし、両生類の卵には殻がなく、ゼリー状になっています。しかし爬虫類の卵は硬い殻に包まれていて、外敵や乾燥から守ります。つまり爬虫類のほうが、陸上の生活に適した卵であるということでしょう。

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両生類について学ぶことができるおすすめの本

子どもと一緒に両生類について学べる本を、ここでいくつかご紹介しましょう。

「カエルの知られざる生態 変態・行動・脱皮のしくみ」

オタマジャクシからカエルへ変態する過程、カエルのおもしろ行動など、カエルとはどんな生き物なのかに迫る一冊です。

「小学館の図鑑NEO  両生類・はちゅう類」

両生類・爬虫類にフォーカスした図鑑。日本産全種を含む約580種を掲載しており、パノラマページなど子どもが楽しく学べるよう工夫されています。

「学研の図鑑LIVE爬虫類・両生類」

約800種類の両生類と爬虫類を網羅。50分のDVD付きで、動画で見ることもできます。

両生類の身近な動物たちに興味を持とう

カエルやオタマジャクシは、幼い子どもたちが興味を持つ動物のひとつ。身近にいることもあり、どんな動物なのか、詳しく知りたいと思う子もいるでしょう。そんな子どもたちの知的好奇心を伸ばすためにも、両生類に興味を持ったら、親子で調べて学んでみましょう。

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文・構成/HugKum編集部

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