「新生児は1日中寝ている」と思っているママ・パパがいるかもしれませんが、昼間にあまり寝ない赤ちゃんもいます。新生児なのに昼間寝ないのはおかしいことでしょうか?
この記事では、新生児から生後1ヶ月の赤ちゃんの生活、昼間寝ない新生児の特徴、月齢別の原因を紹介します。また新生児が昼間寝ないときの対処法、新生児が寝ないときの注意点、ママやパパのストレス解消法も紹介します。
目次
新生児なのに昼間寝ないのはおかしいの?
生まれて間もない新生児の1日は、母乳やミルクを飲んでいるか、寝ているかのどちらかだと思っているママやパパは多いのではないでしょうか。
もちろんよく寝る赤ちゃんもいますが、そうではない赤ちゃんもいます。赤ちゃんのケアに1日中、忙しくしているママ・パパにとって、昼間は赤ちゃんが寝ていてくれたほうが気がやすまるもの。まずは、新生児〜生後1ヶ月の赤ちゃんの生活や昼間寝ない原因を見ていきましょう。
新生児~生後1ヶ月の赤ちゃんの生活
一般的に、新生児から生後1ヶ月の赤ちゃんは「授乳して寝る」というサイクルを繰り返します。
下記の記事では、朝6時に起床してから、夜21時に就寝するまで、授乳とおむつ替え、ママの食事やお風呂タイムのスケジュールの一例を紹介しています。もちろん、あくまでも例なので、このとおりにはならない赤ちゃんがほとんどだと思いますが、新生児がどんな1日を送るのか、参考にしてみてください。
▼参考記事
昼間寝ない新生児の特徴
昼間寝ない新生児にはどんな特徴があるのでしょう。
泣く
夜寝てほしいのに、泣いてばかりでなかなか寝てくれない。ママにとってもパパにとっても、いちばん悩ましいことかもしれません。
ですが、ぐずってばかりで寝ないのは、まだ生まれたばかりで1日のペースがつかめず、「寝たいのに眠れない…」とママやパパに一生懸命訴えているのかもしれません。
昼と夜の区別がつかない
生まれたばかりの新生児は、昼間は寝てくれるのに、夜になると起きてしまい、昼夜が逆転してしまうことがあります。あるいは昼はずっと起きていて、夜にはぐっすり寝る赤ちゃんもいます。
生まれて間もない新生児は、まだ昼と夜の区別がつかないため、昼も夜も関係なく、自分のペースで過ごしているのです。
抱っこしても寝ない
ママやパパに抱っこされると、赤ちゃんは安心して眠りにつくことができます。ですが、抱っこしても、なかなか寝てくれない赤ちゃんもいます。
特に、寝たと思ってベッドや布団に下ろした途端、また目を覚ましてしまう赤ちゃんもいます。
新生児が昼間寝ない月齢別の原因
新生児が昼間寝ない原因を月齢別に見てみましょう。
生後3週間
ママのおなかの中にいた赤ちゃんにとって、おなかの外に出てきた生活は新しいことがいっぱいです。経験したことのない刺激がたくさんある今の環境にまだ慣れていないと言えます。
大人にとっては何でもないような音、光、ニオイなどでさえ、赤ちゃんにとっては強い刺激になっている可能性があります。もちろん、オムツが濡れて不快感を感じていたり、授乳後にげっぷが出ていないため、お腹が張っている、なども原因として考えられます。
生後1ヶ月~1ヶ月半
オムツが濡れていたり、お腹が張っていたり、何か不快なことがある以外に、特に原因がなくても泣いて寝ないことがあります。
これは、ママやパパと少し離れて、一人だけで寝ることに不安や寂しさを感じていたり、ただ甘えたいだけだったりします。
生後1ヶ月半以降
生後1ヶ月半ほど経った赤ちゃんの場合は、昼間、何か刺激的なことを経験して、興奮している可能性が考えられます。大人でも刺激的な体験をした後や楽しみな出来事があれば、その興奮が高揚感が消えず、なかなか寝つけないことがあります。
それと同じように、赤ちゃんも昼間、刺激的なことを経験し、まだワクワクやドキドキが続いているのかもしれません。
新生児が昼間寝ないときの対処法
新生児が昼間なかなか寝てくれないときには、どう対処すればよいでしょうか? ぐずったり、泣いたりする新生児への対処法を紹介します。
不快な原因を取り除く
新生児がぐずって泣いているのは、何か不快感を感じて、それを訴えている可能性があります。
オムツが濡れていないか、室内の温度が高すぎたり低すぎたりしないか、汗をかいていないか、うるさい音がしないかなどを確認してください。原因を思われるものが見つかったら、取り除くようにしてください。
違う抱き方
新生児はママに抱っこされると安心します。ただし、縦抱きや横抱きなど、新生児によって好みがあります。いつもとは違う抱き方に変えてみると、スムーズに眠りに入っていくことがあります。
また、おくるみにくるんで、ママのおなかの中にいたときと同じような環境を作ってあげると、安心して眠ってくれることもあります。
トントンしながら添い寝
新生児の横にママやパパが添い寝しながら、新生児の体をやさしくトントンと叩いたり、体をさすったりしてみましょう。一定のリズムで続けていくと、ママのおなかの中にいたときに感じていた鼓動のリズムのように聞こえて、安心して眠りに入るかもしれません。
これって病気? 新生児が寝ないときの注意点
新生児が寝ないでぐずっていたり泣き続けているときは、体調がすぐれないケースも考えられます。
ただ寝ていないだけなのか、病気など具合が悪いことが原因で寝ていないのか、見極めるためには普段から新生児の様子をよくチェックしておくことが大切です。例えば、新生児は大人よりも体温が高めなので、普段から平熱を測って把握しておくとよいでしょう。
体がいつもより熱い、鼻水・目やにが出ている、せき・くしゃみをする、呼吸があらいなど、いつもと違う様子がないかを確認してください。たとえ元気な様子でも、新生児は状況が急変することもあります。「元気だから大丈夫」と判断せず、医師を受診してください。
新生児が寝ない! イライラやストレスの解消法
新生児がなかなか寝てくれないと、特に産後のママは、疲れと睡眠不足でイライラがたまってしまうかもしれません。イライラやストレスの解消法を紹介します。
8割のママがイライラ
HugKumで行ったアンケートによると、約8割のママが「赤ちゃんが寝なくてストレスを感じた」と回答しています。赤ちゃんが寝てくれないことにイライラしたママが多いうえに、赤ちゃんが寝てくれないのに夫が何も手伝ってくれないことにイライラしたママも多くなっています。
以下の記事では、新生児の寝かしつけのコツや寝てくれないときの対処法を紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
▼参考記事
家族やヘルパーの力を借りる
ママがイライラしてしまうと、そんなママの気持ちが新生児に伝わって、ますますぐずって寝なくなってしまうこともあります。ママは新生児のケアに加えて、料理、洗濯、掃除など、1日中、大忙しです。でもそうした家事はママだけではなくて、他の人でもできることです。
夫や親などに頼ったり、ヘルパーさんに依頼したり、無理しないように周囲に助けてもらいましょう。
赤ちゃんから離れて一息
リラックスできる時間を持つことも大切です。イライラがおさまらないときは、赤ちゃんが目に入る距離で、少し離れて一息つく時間を作りましょう。
ハーブティーを入れて飲んだり、足湯してみたり、少しリラックスできる時間を意識的に作ってみてください。
出産時の写真を見返す
なかなか寝てくれない新生児にイライラするときは、妊娠中や赤ちゃんが生まれたときの写真などを見返してみるといいかもしれません。
赤ちゃんが誕生した喜びや感謝の気持ちを思い出して、イライラもおさまっていくでしょう。
ママ・パパの心のゆとりが大切
一日中ぐっすりとよく寝る新生児もいれば、そうではない新生児もいます。新生児が昼間あまり寝てくれないとしても、成長すれば徐々に昼間は起きているようになっていきます。昼間寝てくれないことは、生活リズムが早く整いつつあると前向きに捉えることができます。
なかなか寝てくれない新生児には、今回おすすめした対処法などを試してみて、イライラやストレスをうまく解消しながら、赤ちゃんとの新しい生活を過ごしてみてください。
記事監修
河井恵美
看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。
文・構成/HugKum編集部