「おんぶにだっこ」という言葉から、どのようなイメージが浮かぶでしょうか。子どもがお母さんに甘えている様子でしょうか。この記事では、「おんぶにだっこ」の意味や由来、ビジネスやプライベートでの正しい使い方を例文とともにご紹介します。
「おんぶにだっこ」とは?
まずは、「おんぶにだっこ」という言葉の意味や由来を解説します。また、あわせて類語もご紹介します。
意味
「おんぶにだっこ」には、次のような意味があります。
何から何まで人の世話になること。他人の好意に甘えて頼り切ること。
出典:デジタル大辞泉(小学館)-goo辞書
何かを自分で行うのではなく、なにもかも、他人に頼るという意味があります。
由来
「おんぶにだっこ」という言葉の由来は、子どもが親に「おんぶ」「だっこ」と次々に、際限なく甘える様子からきているといわれています。
こうした子どもの様子から発展して、あれもこれも他人に甘えること、何から何まで他人に頼ることという意味に使われています。
類語
「おんぶにだっこ」の類語には、「ほかの人にすべてやってもらうこと」という意味であれば、次のような類語があります。
・他力本願
・任せっぱなし/任せっきり
・頼りっぱなし/頼りっきり
・人頼みの
・丸投げ
おんぶにだっこの使い方・例文│基本編
「おんぶにだっこ」という言葉はどのように使うのか、シチュエーション別に紹介します。
ビジネス・仕事
ビジネスや仕事で「おんぶにだっこ」という言葉を使うシチュエーションには、自分や自社に非があったり、負い目があったりする場合に使われます。
ビジネスや仕事では、あまり使いたくない言葉といえます。
例文
・いつも「おんぶにだっこ」ですいません。
・うちの会社はあの取引先に「おんぶにだっこ」状態だから、改善しないといけない。
・上司や先輩にいつも「おんぶにだっこ」だから、自分でなんとかできるようにしたい。
プライベート
プライベートで「おんぶにだっこ」という言葉を使う場合は、大人としての責任感に欠けていることを揶揄する意味があったり、何もせずに他人任せという意味があるため、非難の言葉として使われるケースが少なくありません。
例文
・優秀な人なのに、いつも友だちに「おんぶにだっこ」状態だ。
・夫は私に「おんぶにだっこ」で、家事や育児は何もしない。
おんぶにだっこの使い方・例文│応用編
「おんぶにだっこ」には、さらに強調した表現があります。それが「おんぶにだっこに肩車」です。
どのような意味なのか、どのように使うのか、見ていきましょう。また、「おんぶにだっこ」の間違った使い方も取り上げます。
「おんぶにだっこに肩車」とは
「おんぶにだっこに肩車」は、「おんぶにだっこ」に加えて「肩車」もプラスされていることから、他人に甘える、他人にすべて任せることを、さらに強調する言葉となります。
例文
・パーティーの会場として家を提供してくれるうえに、準備や料理までお任せするするなんて、「おんぶにだっこに肩車」ですね。
・先生には「おんぶにだっこに肩車」でしたが、おかげでよい成績が残せました。
間違った使い方・誤用
「おんぶにだっこ」は、おんぶ・だっこしてもらっている側にマイナスイメージを含んだ言葉です。なので、おんぶ・だっこしてもらっている側にプラスイメージを与えるように使うことは間違った使い方です。
また、「おんぶにだっこ」は、相手がすべてやってくれて、自分ですることがない状態を表す「至れり尽くせり」と似ています。ですが、「至れり尽くせり」は相手の行動を褒める・感謝するイメージがあります。違いに注意しましょう。
間違った使い方
・おもしろい映画を見て、おいしい食事を食べて、まさに「おんぶにだっこ」だ。
・彼は、私が体調をくずしたときに、「おんぶにだっこ」で世話をしてくれた。
「おんぶにだっこ」で元気になる・楽になる本のおすすめ
タイトルに「おんぶにだっこ」とついた本を集めてみました。本来はマイナスイメージの言葉ですが、敢えてそうした言葉を使うことで「力を抜く」「リラックスする」「ダメもとでやってみる」という意味が込められているようです。
どれも、心あたたまるストーリーばかり。育児の息抜きに読んでみてはいかがでしょうか。
「おんぶにだっこ」(さくらももこ)
「ちびまる子ちゃん」を生みの親、さくらももこさんの原点を記した自伝エッセイです。人一倍ナイーブで、なぜかいつも悩んでいた幼年期のピュアな気持ちがつづられています。
「おんぶにだっこ」(わかやまけん)
にわとり、いぬ、コアラ、かめなど、さまざまな動物の親子のおんぶやだっこの姿、親に甘えている様子が描かれています。ふれあい、愛情、幸せを感じさせる、あたたかいストーリーとイラストです。
「おんぶにだっこでフライパン!」(中林美和)
ママさんモデルの先駆けといわれる中林美和さんが初めて明かした、年子の男の子2人+年子の女の子2人との日々。泣いて笑った子育てストーリー。子育て中のママは、共感とエールがこみ上げること間違いなし!
「オンブにだっこ」(本間千恵子)
壮絶な出産話から、ダメもとで受けた長男の幼稚園お受験の顛末など、漫画家・本間千恵子さんの一家の赤裸々な子育てコミック。長男の頭に焼き鳥の串が刺さる! 娘のベビー服に湯水のようにお金を使う! クスクス笑えるストーリーが満載です。
「おんぶにだっこ」を上手に使おう
「おんぶにだっこ」は、あれもこれも他人に頼ることを意味する言葉です。基本的にはマイナスイメージを感じさせる言葉なので、間違った使い方をしないようにしてください。
文・構成/HugKum編集部