【助産師監修】生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間│注意点と対策・対処法、一日の過ごし方のまとめ

生後3カ月の赤ちゃんは、1日に何時間くらい眠るのでしょうか? この記事では、生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間と睡眠の特徴、睡眠時の注意点と対策・対処法について紹介します。さらに、良質な睡眠時間を確保するための1日の過ごし方、睡眠時間を損なうNG行為も取り上げます。

生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間と睡眠の特徴

新生児の時期は毎日つきっきりでケアする必要があり、ママは24時間大忙しで過ごしたことでしょう。でも「生後3カ月になると、楽になる」などと言われるように、赤ちゃんは少しずつ成長していき、睡眠時間なども変わっていきます。厚生労働省の資料をもとに、生後3カ月の赤ちゃんの睡眠の特徴を見てみましょう。

参考:未就学児の睡眠指針(厚生労働省)

睡眠時間は1日に14時間程度

新生児の睡眠時間は1日16~20時間ですが、生後3カ月になると1日14~15時間になります。

特徴1:3~4時間の連続した睡眠

新生児では1~2時間程度の短時間の睡眠を繰り返しますが、生後3カ月では3~4時間くらい連続して眠れるようになっていきます。

特徴2:昼夜の区別がつくようになる

新生児期は、昼夜関係なく短時間の睡眠と覚醒を繰り返しますが、‌生後3カ月頃になると昼と夜の区別が自然とつくようになってきます。日中は覚醒している時間が長めになり、夜間は覚醒する時間はあっても、睡眠時間が長めになっていきます。

特徴3:ノンレム睡眠から眠りが始まる

‌新生児の睡眠は、体は休んでいても脳は起きている「レム睡眠」に相当する「動睡眠」から眠り始める特徴があります。しかし生後3カ月になると、動睡眠が減少し、体も脳も眠っている「ノンレム睡眠」から眠りがスタートするようになります。

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生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間の注意点と対策・対処法

生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間は1日14~15時間と紹介しましたが、赤ちゃんによっては、それより長い場合や短い場合もあります。

「うちの子は寝てばかり」「夜起きる回数が多い」など、ママ・パパはさまざまな不安を抱えているかもしれません。生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間について、注意点や対策などを紹介します。

睡眠時間が長い、寝てばかり

‌赤ちゃんが長い時間寝てくれれば、ママ・パパはひと息つくことができます。ですが反面、「こんなに寝ていて本当にいいの?」と心配になることもあるでしょう。

授乳の時間になって起こしても、しっかり起きてミルクを飲まないことも考えられます。ですが、あまり無理して赤ちゃんを起こさず、赤ちゃんが目を覚ましたときに授乳とおむつ替えをして、様子を見るといいでしょう。
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睡眠時間が短い、すぐ起きる

‌逆に赤ちゃんがなかなか眠らず、睡眠時間が平均より短いと、「ちゃんと成長できないのでは……」と不安になることもあるでしょう。でも赤ちゃんは本能から、眠いときには眠り、起きていたいときは目を覚ましています。赤ちゃんの睡眠時間が短いからといって、あまり神経質に気にしすぎることはありません。

もう少し大きくなって、動きまわるようになれば、疲れてぐっすり眠るようになるはずです。赤ちゃんがなかなか寝つかず、ぐずるようなときは、赤ちゃんに寄り添って安心させてあげましょう。

寝る時間が遅い

‌赤ちゃんの就寝時間は午後7時頃が理想的などと言われています。でもママ・パパの生活スタイルから、午後7時に寝かせることは難しいかもしれません。もし午後10時など、赤ちゃんの就寝時間が遅いと感じるなら、朝起こす時間を少しずつ早くしていくと、睡眠のサイクルを早めることにつながります。

夜起きる回数が増えた

‌生後3カ月頃になると、夜起きて授乳する回数も少しずつ減ってくるものです。でも夜間の授乳が多いケースもあります。これは赤ちゃんの個性であって、問題にすることはありません。赤ちゃんが頻繁に夜に起きるようなら、ママ・パパが近くであやして安心させてあげるといいでしょう。

生後3カ月の赤ちゃんが良質な睡眠時間を確保するための1日の過ごし方

赤ちゃんは質の良い睡眠をとって、大きく育ってほしいですね。生後3カ月の赤ちゃんがぐっすり眠るためには、どんな1日を過ごせばよいか見てみましょう。

午前中にお散歩

生後3カ月頃になったら、お散歩に出る習慣をつけていくのがおすすめです。外に出ることで赤ちゃんはさまざまな刺激を受けます。この刺激が、夜にぐっすり眠ることにつながっていきます。1日30分程度、できれば午前中に散歩するとよいでしょう。ママにとってもリフレッシュの時間になります。

日中はおうち遊び

日中は家の中で遊んで過ごしましょう。日中は活動的に過ごして、夜はゆっくり過ごすというメリハリをつけることで、昼夜の区別がついて、夜には眠るという習慣を少しずつ身につけていくことができます。

夜はお風呂に入って就寝

夜はお風呂に入ってから、授乳を行い、就寝しましょう。この一連の流れを毎日繰り返すことで、赤ちゃんも「お風呂に入ったら、もうすぐ眠る時間だ」とわかるようになっていきます。

夜中に起きてもすぐに寝かせる

夜中に赤ちゃんが目を覚ましたら、授乳が必要なときは与えて、すぐに寝かしつけるようにします。これを繰り返していくと、徐々に、夜にまとまってぐっすりと眠るようになっていきます。

生後3カ月の赤ちゃんの睡眠時間を損なうNG行為

ママ・パパが行っている何気ない行動が、赤ちゃんの睡眠の質を悪くしてしまうこともあります。次のような行為には気をつけてください。

寝る直前まで室内が明るい

赤ちゃんを寝かしつけるときは、眠る時間だと認識させることが大切。そのために部屋を暗くして静かな状態をつくることが基本になります。つまり、直前まで明るい部屋にしていたり、テレビをつけていたりするのはNG。豆電球も横になった赤ちゃんには光がダイレクトに入ります。できるだけ消すようにしてください。

朝起きる時間がバラバラ

赤ちゃんに睡眠と毎日の生活リズムを少しずつ身につけてもらうためには、朝起きる時間と夜寝る時間を毎日同じにすることが大切です。夜に何度も起きてしまったときであっても、朝起きる時間がきたら、必ず起こして1日の生活リズムを同じように繰り返すようにします。

また、朝はカーテンを開けて部屋を明るくして、「朝がきた」ことをわからせるようにすることも重要です。

パパが帰宅してからお風呂

仕事から帰ってきたパパが、赤ちゃんのお風呂を担当しているご家庭もあるでしょう。ですが、帰宅時間が日によって違ったり、遅くなり過ぎたりすることは赤ちゃんの睡眠時間のためにはよくありません。

赤ちゃんの毎日の生活リズムを守ることができるよう、お風呂は毎日、だいたい同じ時間帯に入れるようにしてください。

夜泣きにすぐ反応

赤ちゃんが夜寝ているときに泣き出したからといって、すぐに声をかけるのはNGです。寝言で泣いている「寝言泣き」のこともあります。この場合、ママ・パパが声をかけると赤ちゃんを起こすことになってしまいます。

夜に赤ちゃんが泣き出しても、数分は様子をみて、そのまま寝つくようなら、優しく見守ってあげることがベストです。

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少しずつ睡眠リズムを意識しよう

慌ただしく毎日が過ぎた新生児期に比べて、生後3カ月になるとママも赤ちゃんも少しずつ、日々の生活に慣れてくるはず。日中は元気に動いて、夜はしっかり眠れるように、少しずつ1日の生活リズム、睡眠リズムを作っていきましょう。

例えば、夜は部屋を暗くして、赤ちゃんをマッサージしたら睡眠の時間というふうに毎日の「眠りのルーティン」を作っていくと、睡眠リズムが作りやすくなります。

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記事監修

Kawai
助産師・看護師・保育士
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

エミリオット助産院

文・構成/HugKum編集部

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