家庭の教育方針は決めておくべき? 幼稚園や小学校の受験で聞かれたら? 必要性から考え方のポイント、読者家庭の教育方針まで

「家庭の教育方針」について、ご家族で話し合ったことはありますか? 中には、幼稚園・小学校受験の願書における「家庭の教育方針」の記入欄に、何を書けばいいものかお悩み中の方もいるかもしれませんね。本記事では、そんな「家庭の教育方針」について、その必要性や立て方、受験で聞かれた際の応え方までをお伝えしていきます。

家庭の教育方針は決めるべき? そもそも教育方針とは

「周りの人を大切にできる人になってほしい」「自由な発想ができる人になってほしい」「なにごとにも真面目に取り組む人になってほしい」などなど…

子どもにどのような人間に育ってほしいか。
そのためにはどのような育児をしていくか。
「家庭の教育方針」とは、そういった、家庭における育児・教育の方向性を定める指針を指します。

特別に決める必要があるわけではありませんが、あらかじめ家庭内で決めておくことで、子どもの進路やしつけの判断基準として、その後の育児生活に役立てることができます。

幼稚園や小学校の受験で聞かれることも

また、幼稚園や小学校の受験では、「家庭の教育方針」を願書に記入する必要があったり、面接で問われたりすることも。受験の設問となるとついつい肩肘張ってしまいますが、日常的な育児におけるこだわりや、子どもに対して抱いている「こんな風に生きていってほしい」というイメージを言語化できれば問題ありません。

家庭の教育方針の必要性&メリットとは?

「教育方針」は、決めておかなくてはいけないものではありませんが、明確にしておくことで、子育てにおけるさまざまなメリットを期待することができます。具体的な模索方法を見ていく前に、まずは「家庭の教育方針」を定めるメリットや必要性をおさらいしておきましょう。

子どもの今後の人生や、将来を考えるきっかけに

目の前の育児に追われていると、子どもの今後の人生や将来についてを真剣に考える機会が「意外と少ない」と感じることはありませんか。
「教育方針」を決める際、その軸となるのは「どんな人生を送ってほしいか」「どんな人になってほしいか」といった子どもの将来へのイメージ。「教育方針」を試行錯誤することが、子どもの将来を今一度考えるきっかけになります。

習い事や進路の判断基準になる

どんな可能性もあるからこそ悩ましい、子どもの習いごと選びや進路決め。そんなときも、「家庭内の教育方針」がしっかりと明確にされていると、それを判断のひとつの軸にすることができます。進路を決める際も、学校の理念と自分たちの「教育方針」の相性は良いか・矛盾していないか、しっかり照らし合わせることが大切です。

家庭内で意見が食い違うことを防げる

また、日によって子どもに対して言っていることがブレたり、両親の間で意見が食い違ったりすることを「教育方針」が防いでくれることも。複数の選択肢で迷ってしまった際なども、育児の軸である「教育方針」が軌道を修正してくれるかもしれません。

今後のライフプランの指針にも役立つ

子どもの「教育方針」が具体的であるほどに、今後の家庭のライフプランも立てやすくなります。イメージしている子どもの将来像に向けて、親は何をしていけばいいのか、どんな進路を目指してあげればいいのか、そのためにはどのくらいの収入があって、どんな生活環境が理想的なのか…など、生活全般に関する計画を立てていく際のひとつの基準として役立てることができます。

幼稚園・小学校受験で聞かれても困らない

先述したように、幼稚園・小学校受験の際に「家庭での教育方針」について訊ねられることも。あらかじめ話し合って決めておくと、受験直前に焦ることもありません。

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家庭の教育方針はどう決める?|基本的な考え方

前章では、「教育方針」を明確にすることで、期待できるメリットをおさらいしてきました。では、そんな「家庭の教育方針」は、どのように考え、決めていけば良いのでしょうか。ここでは、その考え方や注意点をお伝えします。

「どんな人になってほしいか」まずはゴールを考える

「教育方針」は、最終的なゴールから考えるのが◎。子どもにどんな人に育ってほしいか、まずは想像を巡らせてみましょう。「周りに親切な人」「しっかりと自立した人」「何事にも熱心な人」といった、ざっくりとした人物像でもOKです。

「そのゴールを目指すには、どうすればいいのか」を考える

ゴールを思い描くことができたら「そのゴールにたどり着くためには何をしていけばいいのか」を考えます。
たとえば、「しっかりと自立した人になる」がゴールなら、

・そのためにはどのような力が必要か
・家ではどのようなことにこだわって育児をするべきか

これらを洗い出してみましょう。
目指すべきゴールと、ここで明らかになった「ゴールに向かうために家庭でこだわるべきこと」が、ご家庭の「教育方針」と言えるのではないでしょうか。

「子ども第一」で考え、その後も柔軟にアレンジしてOK

「教育方針」は、あくまでも「子どもの人生をより良くする」ために決めるもの。親の理想にこだわりすぎることや、「教育方針」に縛られて子どもに窮屈な思いをさせることのないように注意しましょう。「子ども第一」で考え、一度決めた後も、成長過程ごとに、個性や意思を反映しながら時折見直してOKです。

家庭でよく話し合い、納得すること

「教育方針」は、家族共通の子育ての軸になります。そのため、方針を立てる際は、家庭でじっくり話し合い、それぞれが納得する形を取ることも大切です。たとえ意見が食い違っても、お互いの目的はあくまでも「子どもの人生をより良くする」こと。しっかり意見交換をしながら、方針を熟考していきましょう。

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【ママパパの声】家庭の教育方針は何? アンケートで聞いてみた

実際のご家庭では、具体的にどのような「教育方針」を立てているのか気になりますよね。そこで、HugKumメルマガ読者のご家庭に「教育方針を決めているかどうか」「どのような教育方針を立てているか」をアンケートリサーチ。アンケートに寄せられたみなさまの回答をご紹介します。

Q.家庭内で教育方針を決めていますか?

まずは、こちらの設問。集まった回答では、「決めていない」(43.8%)が大多数を占める結果に。しかし、次に多かったのが「決めている」(28.1%)。「これから決める予定」(19.8%)と合わせると、「決めていない」を上回ることがわかりますね。

Q.家庭の教育方針はどのようなものにしていますか?

さらに、「決めている」と答えてくださったみなさんはどのようなものを「家庭の教育方針」としているのかも聞いてみました。

寄せられた回答では、「自主性・自発性を大切にする」「意見をはっきり言える子に」といった子どもの人間性を重視したものが目立ちます。一方で、なかには「中高一貫、大学まで進学」といった、具体的な進路を教育方針として立てているご家庭もありました。

下記では、みなさんからの回答とコメントを引用します。

自主性・自発性を大切にする

「好奇心を持って、自分自身で疑問に思ったことを調べて考える力を持つ。自主性を高めたい」(40代・兵庫県・子ども3人)
「子供が自発的にやりたい事をやらせる。やらされていては自分の身にならない」(40代・奈良県・子ども2人)

中高一貫、大学まで進学

「塾に通わせて、中高一貫校及び大学まで進学させる。私は高校卒なので、子供には大学まで行かせてあげたいと思ったから」(40代・長崎県・子ども3人)

意見をはっきり言える子に

「自主性や自分の意見をはっきり言える人に育てる。今後の社会生活を送る上で、自分の意見をはっきり言えることが大事だから」(30代・東京都・子ども2人)

やることはやる

「勉強を頑張ったらゲームなど遊ばせてあげる。好きな事ばかりさせていたら、嫌な事から逃げる子になってしまうと思うから。」(30代・大阪府・子ども1人)

他人に迷惑をかけない

「人に迷惑をかけない等、人の中で生きていく上で基本的なこと。人間の最大限のストレスは主に人との関わり合いだと思うので。世の中を上手に渡っていって欲しいから。」(30代・三重県・子ども2人)
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幼稚園・小学校受験で「家庭の教育方針」を聞かれたら? おさえておきたいポイント

幼稚園・小学校受験の願書で記入を求められたり、面接で問われたりすることもある「家庭の教育方針」。受験となるとどうしても難しく考えてしまいますが、こんなシーンではどのように回答すれば良いのでしょうか。ここでは、受験で「家庭の教育方針」を問われた際の記入・受け答えのコツをまとめてみました。

願書や面接でも背伸びは禁物!

たとえ受験シーンで訊かれたとしても、背伸びは禁物。学校の理念に合わせることや、無理やりストーリーを作り上げることも、後々粗が出てしまう危険があるのでやめておきましょう。

受験のためではなく、ふだんから子育てで大切にしていることにフォーカスを当てた「家庭の教育方針」を言語化し、先方に伝えることがおすすめです。「教育方針」をまだ明確にできていない…という方は、先述した「家庭の教育方針の基本的な考え方」をご参照ください。

【例文】願書に「家庭の教育方針」を書くコツ|記入例とともに解説

願書に「家庭の教育方針」を書く欄があった場合は、

・どんな子に育ってほしいか
・そのための具体的な取り組みorエピソード(※子どもの性格を交えて)
・さらなる一歩のために取り組んでいきたいこと

この3点をシンプルに盛り込み、わかりやすくまとめましょう。
以下では、この3つのポイントをおさえて書かれた記入例を見ていきます。

【例1:自主性のある子】

自分で考えて、判断・行動ができる子に育ってほしいと考えています。もともと優柔不断な性格ではありますが、なにかに迷っているときは親がすぐには口を出さず、子どもが悩む時間を大切にしています。子どもの自主性を培い、意思を尊重した子育てをしていければと思います。

【例2:思いやりのある子】

誰に対しても思いやりのある、優しい子に育ってほしいと願っています。まだまだお友だちと喧嘩してしまうこともありますが、そのような時は、どうしたらお互いに気持ちよく過ごせるのか、親子でいっしょに考えて解決するように心がけています。人の気持ちを想像することができるように、今後も多くの人との関わりの機会を作っていきたいです。

【例3:挨拶のできる子】

誰とでも円滑なコミュニケーションがとれる子に育ってくれるよう、まずは気持ちの良い挨拶が交わせることを目指しています。少しシャイなところはありますが、家庭内では基本的な挨拶がしっかりとできるようになりました。これからは、お友だちにも自ら積極的に挨拶ができるように促していければと考えています。

以上のような書き方で、親としての願い、そして、子どものありのままの姿とそれを汲んだ取り組みや、今後の目標が伝わるかと思います。壮大な展望や、素晴らしい心がけを書く必要はないので、まずは気軽に書いてみましょう。

面接での答え方のコツ

面接の受け答えも、願書への記入の仕方と基本的な考え方は同じです。

「教育方針」の質問としては、

・教育について、ご家庭ではどのように話し合っていますか?
・どんな子どもに育ってほしいですか?
・しつけに関しては、どのようなことを重視されていますか?

以上のような聞き方をされることが多いといわれています。訊ねられたら、願書とおなじく、

・どんな子に育ってほしいか
・そのための具体的な取り組みorエピソード(子どもの性格を交えて)
・さらなる一歩のために取り組んでいきたいこと

この3点をシンプルに伝えましょう。伝えるポイントをこの3つに絞っておけば、口頭でも混乱しにくく、回答が散漫になることを防げるはずです。

「親の期待を押しつけている」印象にならないように注意

願書・面接どちらにおいても、「親の期待を押しつけている」印象にならないように注意しましょう。

「家庭の教育方針」で大切なのは、自分の子どもの性格を理解しているか、そして、子どもの特性をしっかり受け入れ、その子に合った教育方針を打ち出せているか。

できることもできないことも素直に受け入れ、子どもに合った「教育方針」を洗い出すことで、「親の期待を押しつけている」印象は回避できます。一度決めたら少し時間を置いて、今一度、俯瞰的に見直してみましょう。

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時には、子ども目線で考えることも大切!

「教育方針」は、あくまでも「子どもの人生をより良くする」ためのもの。ついつい親の期待や理想が先行しがちですが、方針を決める際も、決めた後も、時には子ども目線で考え直してみることが大切です。今回ご紹介した「教育方針」の考え方や、HugKum読者のみなさんの例を参考に、ご家庭内でじっくり話し合ってみてくださいね。

構成・文/羽吹理美

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