「海千山千」は、ほめ言葉? そもそも意味を知らなかった人も要チェック!

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「見たことある」「なんとなく意味はわかる」という言葉も、実は用法が曖昧だったり読み方があやふやだったりします。今回とりあげるのは「海千山千」。まちがった使い方、してませんか?

今回、読み方と意味・用法をチェックしたいのがこちら。

「海千山千」の読み方は?

まずは読み方の確認です。正しく読んでいましたか?

「海千山千」の意味は?

次は意味を確認しましょう。

世の中の経験を十分に積み、ものごとの裏面にまで通じてずるがしこいこと。また、そういうしたたか者。

出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』

なぜこんな意味になったのでしょうか。

「海千山千」の由来

「海千山千」の元の形は、「海に千年、山に千年」。ヘビが海や山に長く住むと竜になるという中国の話から、経験が長く、したたかな人物のことを指します。

出典:『小学館 四字熟語を知る辞典』

その道のベテラン、熟練したプロフェッショナルという意味合いがありますが、この言葉、日常で使う場合には少し注意が必要です。

「海千山千」は、ほめ言葉に使っていい?

上の『小学館 四字熟語を知る辞典』にもあるように、「海千山千」には「ずるがしこい」「したたか」というニュアンスがあります。

「ああ見えて、海千山千の古だぬきだからね」

「かわいい顔して海千山千のやり手らしい」

「海千山千の彼にかかったら、君なんてひとたまりもないぞ」

場数を踏んで物事に熟練していること自体は、ほめ言葉として使ってもよさそうに思えますが、いっぽうでその世界の裏を知りすぎている油断ならない人物との意味合いも含まれています。

特に女性に対して使うと「性的にすれている」というニュアンスにもなるので注意したいところです。

*  *  *

「だいたいの意味はわかる」という言葉でも、そのニュアンスを深く知っておくことでコミュニケーション上の誤解を避けることができます。ほかにも、誤用されやすい言葉や、意外な由来の言葉についてご紹介していますので、ご興味ある方はこちらもどうぞ。

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構成/HugKum編集部
協力/小学館  辞書編集部
イラスト/小幡彩貴

小学館 四字熟語を知る辞典

編/飯間浩明 定価/1900円+税

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