家計簿はつけていますか? 何事も適当に済まさずに、数値で可視化すると課題が見えてきますよね。とはいえ家計簿の難点は面倒くささ。家計簿ツールとして何を利用していますか?
家計簿を手書きにするメリットとは?
冒頭でも記したとおり家計簿というとエクセル派の人・アプリ派の人がいます。
日常的にパソコンを開いている人であればエクセルは家計簿としてもいいツールになってくれるはずです。しかしパソコンを普段開かない人のエクセル管理は面倒です。パソコンを起動してエクセルを開くハードルが毎回あるからです。
アプリについても、設計者の意図したフォーマットの使い方に慣れる必要がありますし、無料版の場合は広告表示などが邪魔で気になる場面もあるはずです。そもそもスマホの小さい画面で管理したくない人もいるかもしれません。
そうなると、昔ながらの手書き家計簿を見直してもよいのではないでしょうか。手書きの家計簿は充電も不要でブルーライトも浴びなくて済みます。寝る前に家計簿を整理する場面も多いと思いますが、寝る前にブルーライトはやはり避けたいですよね。
手書きの家計簿はコストも安く、一緒に日記を兼ねられるなど自由度の高さもあります。スマホが片時も手から離れない現代だからこそ、紙の上で手を動かして家計簿をつければ、かえって新鮮さを感じられて家計簿習慣が身に付きやすいかもしれません。
一周回って「新鮮な」手書きの家計簿からスタートしてみてもいいのかもしれませんね。
手書きの家計簿の付け方
具体的に手書きの家計簿はどのように始めればいいのでしょうか。
目的をはっきりさせる
なんのために家計簿をつけるのか。その理由はやはり、
- お金の流れの現状を把握する
- 「収入」を正確に計算して「支出(支払い)」を制する
の2点に集約されるはずです。特に2番は中国の古典『礼記』に書かれた「入るを量りて出るを制す」の言葉を意識してまとめてみました。
実際にお金がどのように流れているのかを把握し、その上で収入(入る)を正確に計算し、収入内で支出(出る)のバランスを考えるために家計簿を付けるのですね。
支出の項目をつくり項目別に記録する
支出(支払い)には毎月決まった額が出ていく固定費(家賃や駐車場代、子どもの習い事代など)と、異なる金額が出ていく変動費(電気代や食費、外食費など)があります。
さらに固定費にも変動費にも細かい分類がつくれます。項目を細かく分けすぎると管理が大変ですが、支出の項目を1つも分けないと家計を効率良く管理できません。
各家庭によって異なる支出を、もれなくダブりなく分類できるように、支出の種類をジャンル分けしたいです。「そんなの難しい」という人は、シンプルに支出が分類された市販の家計簿を購入して記録を始めると簡単です。
1カ月ごとに集計と見直しをする
項目ごとに支出を記録したら1カ月を目安に集計して黒字・赤字を把握します。
赤字になっていたら、収入を上げるか支出を減らすしかありません。収入を上げようとしても容易ではないと思います。自然に考えれば支出を減らす方法が手っ取り早いですよね。
支出を減らすとなると真っ先に変動費(外食や衣類の買い物など)の削減に目が向かってしまいがちですが、頭を柔軟にして削れる固定費がないか考えたほうが削減効果は大きいと、ほとんど全ての専門家が口にします。
固定費は金額が大きい場合も多く、「絶対に支払いが必要」という固定観念を捨てられれば効果が大きいからですね。
車は手放す、保険を解約するなど、支出が当たり前になってしまった固定費にメスを入れられないか、柔軟に考えてみてください。
初心者でも簡単に家計簿をつけるコツ
先ほど市販の家計簿について軽く触れました。白紙のノートに自分流の家計簿をつくろうと思っても初心者にはやはり容易ではないので、市販の家計簿選びのポイントもまとめてみました。
項目がざっくりとした家計簿を選ぶ
家計簿とは違いますが、個人事業主として筆者も自分で経理をしています。独立した直後は経費(仕事のために必要な費用)の項目分けに苦労しました。領収書を経費の種類ごとに分類する際、「これは何費なんだろう?」と分類で悩んでしまったのですね。
同じように、家計簿を付ける場合も支出の項目分けに恐らく迷うはずです。慣れればオリジナルの項目がつくれるようになっていきますが、最初からはなかなかハードルが高いです。市販の家計簿の中でも費用の項目がざっくりとしたタイプを選び、分かりやすく管理しやすい家計簿で始めたいです。
手帳や日記をつけている人は一体型の家計簿を選ぶ
すでに習慣として手帳や日記をつけている人も少なくないはずです。あるいはこれから日記や手帳をつけたいと考える人もいるはず。そのような人の場合は家計簿と日記・手帳が一体型の商品を選ぶと、作業が一石二鳥になるので続きやすいはずです。
レシートの管理ポケットがある家計簿を選ぶ
家計簿をつけるためにはレシートの管理が不可欠です。同じく小学館のウェブサイト『kufura』がこの点について家計簿の実践者にアンケート調査しています。
「1カ月ごとに専用の入れ物に入れている」(31歳/総務・人事)
「ノートに貼り付けている」(23歳/総務・人事)
「封筒にまとめてる」(24歳/営業・販売)
回答結果から、以上のような方法を家計簿の先輩たちが実践していると分かります。個人事業主として筆者が領収書を管理する際には、専用のケースに一時保管し、1カ月ごとで紙に貼り付けてまとめています。
家計簿でも同じで、どこかに一時的にレシートを集め、家計簿に記入してから捨てるなど、続きやすい方法を編み出す必要があります。一時的にレシートを入れるポケット付きの家計簿も売っていますので、家計簿選びの参考にしてください。
手書きの家計簿のおすすめノート
楽天やAmazonなどで、人気の家計簿を幾つかピックアップしてみました。
づんの家計簿ノート2021
人気の手書き家計簿と言えば2020年に累計30万部の売り上げを突破した『づんの家計簿ノート』が有名です。
月ごとの固定費、日ごとの出費などを分かりやすく管理できる上に、けい線がシンプルで使い方に自由度が残されているため、ユーザーの生活スタイルに合わせて調整しやすいです。
さらに家計簿の基本的な付け方・考え方なども記されているので初心者には最適な一冊かもしれません。
能率 ペイジェム 家計簿
日記と家計簿を兼ねる方法を先ほど紹介しました。すでに日記が習慣になっている人は、簡単な日記を記す余白も設けられたこの家計簿が理想的かもしれません。
週ごとに細かく出費や日記を記すページと月ごとに集計するページがあり、支出の項目もシンプルに分かれているので、初心者でも簡単に理解・活用できるはずです。
表紙のデザインに女性っぽい雰囲気があるため、パパが家計簿をつける場合はちょっと手が伸びにくいかもしれませんが、機能的には優れています。収納ポケットもあるので、レシートの一時保管場所にも困りません。
手書きの家計簿を始めてみよう
手書きの家計簿に関する基礎的な情報をまとめました。手書き家計簿はコストの安さも魅力的で、上述の家計簿はどちらも1,000円ちょっとで手に入ります。
レシートを捨てずに集め、項目ごとに支出を管理し、月ごとに集計する。収入と支出のバランスを見つめ直して反省点を翌月に反映させていく。そんな工夫を続けていると自然に楽しさも生まれてきますよ。
とにかく最初が肝心ですので、頑張りすぎずに気楽な気持ちでスタートしてみてはいかがですか?
文・坂本正敬
【参考】
※ 毎日溜まる「レシートや領収書」どうしてる?FPが上手な整理のコツをアドバイス – kufura