生姜はすりおろして冷凍が便利! 皮つきのまま風味を保つ方法を徹底解説

豚の生姜焼きや、生姜あんかけなど、生姜がなくては困るメニューは数多いです。ほんの少しの量で料理の印象をガラリと変え、体を温める効果もある生姜。冷凍保存は長持ちさせるだけでなく、手軽に使いやすくもなりますよ。今回はそんな生姜の冷凍について、詳しくご紹介したいと思います。

生姜冷凍の基礎知識

生姜の主な収穫は8〜9月ですが、貯蔵して10月以降に出荷されるので、一年中流通しています。冷凍するなら新鮮なうちにして、少量ずつ使えるように、使い勝手を良くしておくといいですよ。

ポリフェノールの変色

紫、ピンクなどの変色が見られることがありますが、これはポリフェノールの色です。新生姜にも見られ、自然なものですから心配ありません。

また、切ったところから白カビが生えてしまうこともあります。その部分だけ大きめに切って破棄し、きれいな部分を使えば大丈夫です。

食感の変化

冷凍してもほとんど変化がないのが、生姜の嬉しいところです。辛味が弱まるので量を多めに調節して調理します。

生姜の香りは、ジンゲロール(ジンジャオール)という成分によるものです。これが、加熱や乾燥によってショウガオールへ変わります。ジンゲロールは手足の末梢からポカポカになる効果が得られ、ショウガオールは胃腸を刺激して内側から温まります。生のまま食べるとジンゲロールによって汗が出て、体を冷やす作用になるので気をつけてください。

皮の扱い

ジンゲロールは皮に多いため、むいてしまうと効果が減ります。皮はむかず、汚れた部分だけをスプーンでこそぎ取ります。

また、薄切りは繊維に沿って切るときれいにスライスができます。逆に、おろし金でおろす時は繊維と垂直にして使うと、繊維が切れやすくなります。

繊維を細かく断ち切るようにおろします。

生姜の冷凍方法

それでは、具体的に冷凍の方法をご紹介します。扱いやすい方法はどんなものでしょうか。

切らずにそのまま

生姜は、冷凍後も5分程待てば簡単に包丁が入ります。薄切りや千切りもできるので、新鮮なうちに冷凍してください。

キッチンペーパーに包み、冷凍用保存袋に入れて冷凍します。簡単ですね。

使いやすい大きさに切っておくと便利です。

すりおろし

冷凍による栄養の変化はありませんが、残念ながら酸化すると減ってしまうのがジンゲロールです。3分で50%にまで減る早さです。

すりおろした生姜の冷凍保存はとても便利で使いやすいのですが、空気にさらさないことが大切です。おろしたらすぐに袋に詰めていくことで防いでください。

また、おろし金に生姜の繊維がくっついて、おろしにくい時があります。おろし金にアルミホイルかクッキングシートを貼り付けると作業がしやすくなりますよ。

ポキポキ折って使えるように、薄いシート状にして冷凍用保存袋に詰めます。これで冷凍庫へ入れると、とっても便利な生姜のすりおろしが常備完了。

これがあれば、もう生姜のチューブはいりません。

すりおろし生姜の乾炒り

ジンゲロールは酸化に弱いため、すぐに加熱してショウガオールとして保存することも良い方法です。すりおろした生姜をフライパンで乾煎りします。焦げ目がつくくらいまで炒めてから粗熱をとった後、密閉容器で保存します。

水分がなくなり、焦げる部分が出てきました。もう一歩です。

 

これを食べると、喉の奥からポカポカし始め、胃腸の活動が活発になる感触があります。冷え性対策には効果てきめんです。チャイの材料として保存しておくと便利です。

保存期間

冷凍の生姜は香りの効果が減ってしまわないよう、1か月をめどに使い切るようにしてください。

乾炒の生姜は、水分量によります。完全に乾かすと3か月程度の保存期限です。

生姜の解凍方法

冷凍した生姜は、解凍してしまうとフニャフニャになってしまいます。どうしたらよいのでしょうか。

解凍なしでそのまま切れる

冷凍庫から出して5〜10分ほど置いておけば、薄切り、千切り、スティック、みじん切り、刻み生姜と、どんな刻みかたもすぐにできます。ただし、包丁はよく切れるものを使ってくださいね。

冷凍庫から出してすぐは、カチカチです。慌てずに数分待てば、サクサクと切れるようになります。

すりおろし生姜は多めに使う

すりおろして冷凍した生姜は、加熱料理ならそのまま使います。常温に数分置いておけば解凍が進み、生姜汁を絞ることもできます。ジンゲロールの酸化から辛味が減っていますから、量は通常より多めにするとよいでしょう。

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生姜を使ったレシピ

冷凍生姜を使って作るジンジャエールのレシピをご紹介します。その他にもHugkum厳選の、人気料理家による生姜レシピも、ぜひご参考にしてくださいね。

冷凍生姜のジンジャエール

生姜は一年中手に入りますから、作りたい時にすぐ作れます。一度冷凍しているので、より味が滲み出やすく、辛味が強いピリッとした大人のジンジャエールです。新生姜の季節にも、作って比べてみると楽しいですね。夏はサイダーやビールに。冬はホットミルクやコーヒーに入れて。

2週間程度の保存期限です。

材料

丸ごと冷凍した生姜 150g
レモン汁 大さじ2
【A 】
水 500cc
砂糖 150g
スパイス(ローレル、シナモン、鷹の爪、ブラックペッパー、シナモン、クローブなどを、お好みで数種類)

作り方

【1】冷凍生姜を冷凍庫から出し、5分程待ってからスライスしていきます。
【2】【1】と【A】を鍋に入れて、火にかけます。沸騰したら中火にして30分程度煮込みます。
【3】粗熱がとれた【2】をザルで濾し、レモン汁を加えれば完成です。炭酸水で割れば、ジンジャエールに。

おろししょうが入りハンバーグ

しょうがは、子どもはほんのり香る程度に、大人はお好みで。

◆材料

(大人2人分+子ども2人分)
合いびき肉 350g
しょうが 1/3~1/2かけ
玉ねぎ 1/2個
食パン(8枚切り) 2枚
トマトケチャップ 大さじ2
卵 1個
サラダ油 大さじ1

【A】
中濃ソース 大さじ3
トマトケチャップ 大さじ2

ほうれん草 1/3束
バター 15g
ミニにんじん 12本
砂糖 小さじ2

◆作り方

【1】しょうがはすりおろし、玉ねぎはみじん切りにし、食パンは角切りにする。ひき肉、ケチャップ、卵と合わせてよく練り、小判状に丸める。子ども分と大人分は分けて練り、しょうがの量を調節する。
【2】フライパンにサラダ油を熱して【1】の両面を焼き、取り出す。フライパンに【A】を入れて火にかけ、混ぜ合わせる。
【3】別のフライパンにバターを溶かし、刻んだほうれん草を炒める。ミニにんじんは鍋に入れて水をひたひたに注ぎ、砂糖を加えてゆでる。
【4】器に【2】のハンバーグを盛ってソースをかけ、【3】を添える。

教えてくれたのは


尾田衣子さん

「ル・コルドン・ブルー」 やイタリアにて料理を学び、料理研究家に。「料理教室Assiette de KINU」を主宰。親子で楽しむクッキングも人気。男の子のママ。

『ベビーブック』2016年1月号

さばのみそ煮

定番人気のさば味噌は定期的に取り入れたいメニュー。煮詰めずにやわらかく仕上げるのがコツです。

◆材料

(大人4~5人分)
さば(切り身) 5切れ
しょうが 2かけ

【A】
だし汁 300cc
酒・みりん 各大さじ2
砂糖・みそ 各大さじ2
しょうゆ 小さじ2

【B】
片栗粉 小さじ1/2
水 小さじ1/2
※分量の大人1人分は、子ども2人分くらいになります。

◆作り方

【1】さばは皮に十文字に切り込みを入れ、熱湯を回しかける。しょうがは皮つきのまま薄切りにする。
【2】フライパンにしょうがと【A】を入れて中火にかけ、ひと煮立ちしたらさばを加え、ときどき煮汁をかけながら10分ほど煮る。混ぜ合わせた【B】を加えてとろみをつける。

教えてくれたのは


YOMEちゃんさん

女の子のママ。愛情たっぷりの育児日記と日常のアイデアあふれる献立を綴ったブログ「よめ膳@YOMEカフェ」 が毎月200万アクセスを誇る。

『ベビーブック』2013年10月号

手羽先とさつまいもの甘辛煮

子どもが好きな素材を組みあわせた和風おかず。甘辛いバターとしょうゆの味付けがやみつきに!

◆材料

(大人2人+子ども2人分)
さつまいも 1本(250g)
手羽先 6本
長ねぎ 1/2本
しょうが 1かけ

【A】
酒 小さじ1
しょうゆ 小さじ1

【B】
水 1カップ
しょうゆ 大さじ1と1/2
酒 大さじ1と1/2
砂糖 大さじ1/2

サラダ油 大さじ1

◆作り方

【1】手羽先は裏から骨に添って切り目を入れ、【A】をからめる。
【2】さつまいもは乱切りにして、水にさらす。長ねぎは3~4cmのぶつ切り、しょうがは薄切りにする。
【3】フライパンにサラダ油を熱して【1】を入れ、こんがり焼き色がついたら、【2】を加え、全体に油が回るまで炒める。
【4】【3】に【B】を加えて、ふたをし、汁けがほとんどなくなるまで15~20分煮る。

教えてくれたのは


藤井 恵さん

22歳で結婚し、二女を出産後、30歳で料理の世界に復帰。簡単でおいしく、栄養バランスのいいレシピが人気。藤井家の毎日のごはんを綴ったブログも参考になります。

『ベビーブック』2011年11月号

さりげなく健康を助ける、生姜

風邪のひき始めや冷えが気になる時に、生姜料理で体調が悪化せずにすんだことはないでしょうか。また、急に暑くなる季節には、汗をかく機能を刺激される効果も期待できます。知らないうちに健康を保つ助けになっている生姜。身近で使いやすい食材でもあるので、冷凍保存を活用して、手軽に取り入れたいところですね。

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構成・文・写真(一部を除く)/モパ(京都メディアライン)

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