母性とは? 女性だれもが生まれ持つものなの?
まずは、母性という言葉が持つ意味や、一般的にどのようなものとして考えられているのか、その概要をおさえておきましょう。
母性の意味
多くの場合、女性が持つ「母親としての性質」を指すものとして用いられる「母性」という言葉。
「母親が自分の子どもを育て、守ろうとする本能」としても浸透していますが、実際には「本能」のようにすべての女性に生まれつき備わっているわけではなく、芽生えるタイミングやその強さは人によって異なります。
男の人にはないの?
「母性」と呼ばれるものには、妊娠や出産のような身体的な特質に基づいたものと、子どもを育て、守ろうとする精神的な特質のふたつがあると考えられています。
もちろん、子どもを産むという身体的な特質は、現在のところは基本的に女性に限られたもの。ですが、当然のことながら、後者については女性に限ったものではありませんよね。子どもを育て、守ろうという気持ちはママにもパパにも同じように芽生え得るものです。
「育児=女性がするもの」といった風潮を助長することも
にもかかわらず、「育児=女性がするもの」といった風潮を助長するかのように、この言葉が都合よく使われてしまうことも。
育児につまずいたときは「ママには母性があるはずだから」と自分ひとりを追い込まず、夫婦ふたりで協力し合いながら、育児に取り組むようにしていきたいですね。
母性はいつから芽生える?
母性はすべての女性にもともと備わっているわけではない、と先述しましたが、では、いつどんなタイミングで芽生えるものなのでしょうか?
妊娠・出産時のホルモンの変化によって芽生える
前章でお伝えしたとおり、母性は妊娠や出産のような身体的な特質に基づいたタイミングで生じることがあります。妊娠~出産の際にホルモンの変化に関係していると考えられていますが、赤ちゃんとの接触の回数や、ママの健康状態・精神状態によって個人差があるようです。
体験から芽生える
また、身体的な特質とは切り離された体験によって、子どもを可愛い・守りたいという気持ちが芽生え、母性が形成されるパターンもあります。たとえ出産後に母性を自覚できなくても、今後、育児をしていく中での体験から生じる場合もあります。
先輩ママたちの母性に関する体験談7選
そこで今回は、HugKum読者のママたちに母性に関する体験談をアンケートで聞いてみました。以下では、その回答として寄せられたエピソードをご紹介! 多くのママたちが、「妊娠前から」もしくは「妊娠してすぐに」「出産してすぐに」母性を感じられたわけではないようです。
ママたちが母性を感じた瞬間エピソード
まずは、ママたちが母性を感じた瞬間のエピソードを見ていきましょう。
子どもの笑顔や寝顔に
こちらは3人の育児に奮闘するママさんから寄せられたエピソード。育児に追い込まれてしまうと、「母性を感じる暇さえない!」こともあるはず。それでもやっぱり、子どもに笑顔を向けられると……。お子さんの笑顔や無防備な寝顔を見ると、自分の中に母性を感じるママは多いようです。
抱っこを求められたときに
また、お子さんに抱っこをせがまれたときに、母性を自覚するというママさんも。自分が「求められている」と感じたとき、子どもへの庇護欲が刺激されるのかもしれません。
子どもが安心している姿を見て
お子さんがママの存在に安心している姿を見て、自分が「ママであること」を改めて痛感し、同時に母性を感じたというエピソードもありました。
「子どもが安心している=自分の母性への反応」と捉えることで、自分のなかの母性を認識できたケースも。
赤ちゃんの一生懸命生な姿に
こちらは出産直後のエピソードでしょうか。小さな体で一生懸命生きようとする赤ちゃんの姿に、感動。妊娠中はなんとなく自覚がわかなくても、出産して赤ちゃんと対面したことで、母性を感じられたというママは少なくありません。
自分には、母性がないと感じていても大丈夫!
お子さんを授かる以前は「わたしにはきっと母性がない」と思い込んでいたものの、妊娠や出産を経てから母性を感じられたとのエピソードも寄せられました。
自分の子もよその赤ちゃんも可愛いと思えるように
以前は、街で赤ちゃんを見かけても可愛いと思えなかったというママ。けれどもご自分の出産を機に、我が子はもちろん、街中で見かける赤ちゃんのことも可愛く感じられるようになったのだとか!
胎動を感じて守るべきものと考えるようになった
こちらも、以前はよその赤ちゃんを見かけても可愛いとは思えなかったというママさんからのエピソードです。ご自身が妊娠し、赤ちゃんの胎動を感じたことをきっかけに「赤ちゃん=守るべきもの」という意識が芽生えたのだそうです。
子どもは何にも変えられない存在
また、自分が母親になるという実感が持てなかったというママさんでも、出産後はお子さんが掛け替えのない存在となり、次第に母性を感じられるように。お子さんとのコミュニケーションを重ねることで、母親である実感を得られたという方も多いようです。
世間の価値観にとらわれず、自分のペースを大切に
みなさんの体験談からも、母性が芽生えるタイミングは人それぞれ異なることがわかりましたね。妊娠前から赤ちゃんが大好きな人もいれば、出産後もなかなか母性を自覚できない人がいるのも自然なこと。もしも「自分には母性がない」と感じていても、決して焦ることはありません。ママとパパふたりで育児に向き合っていきましょう。
構成・文/羽吹理美