「ひっつきむし」虫を引っ張り出す感覚がやみつきに!【おもちゃ美術館・子どもには物語のあるおもちゃを6】

おもちゃと遊びのプロたちがおすすめのおもちゃを紹介するこの連載。3人目のご登場は、東京おもちゃ美術館のミュージアムショップ「APTY(アプティ)四谷店」の店長 杉村美由紀さんです。

わが子との遊びや店頭でのエピソードを交え、引っ張り出す感覚がやみつきになる「ひっつきむし」をご紹介します。

おもちゃも食生活と同じ。力を抜いてバランスよく

ミュージアムショップ「APTY四谷店」の立ち上げを担当して店長を務め、男の子2人のママでもある杉村さん。ご自身の子育てについて伺おうとすると、「APTYの店長は、どんないいおもちゃで遊ばせているんだろうって思うでしょ?」と、いたずらっぽく笑いました。

「意外とそうでもないんです。男の子を育てていると、ヒーローもののおもちゃもありますし、ファーストフードのおまけのおもちゃもいっぱいありますしね。ただ、そこにエッセンスとして“母ちゃんのとっておき”を入れています」

キャラクターものやおまけで遊ぶのは一時期のことで、どんどんたまっていくことに頭を悩ませているママも多いのではないでしょうか。しかし杉村さんは、「それはそれで良し」だと言います。

「よく食生活に例えますが、おもちゃや遊びは『心の栄養』なんです。なんでもかんでもこだわり抜いたものだけを食べるのは、日々の生活では難しいこと。それより、スナック菓子やジャンクフードも食べるけど、ちゃんとバランスのいい食事も心がける、ということと考え方は同じかなと思いますね」

引っ張り出す、つまむ、入れる。何度も繰り返したくなるおもちゃ

「ひっつきむし」は、東京おもちゃ美術館のおもちゃのもりにもある大人気のおもちゃ。木の中に隠れているイモムシに磁石のついた棒を近づけ、くっつけて引っ張り出すというものですが、子どもも大人もその感覚の虜になっている姿をよく見かけます。

「いないいないばあみたいな感じで出てきて、つまんで入れる作業にはパズル遊びのような要素もあります。大きいイモムシを小さな穴に入れてしまうと、頭が出てしまったりして。私、ひっつきむし好きなのですぐにオススメしちゃうんですが、館内で遊んでやってきたお客様が、わが子がハマっていたおもちゃを求めて『これ!これ!』とご購入いただくおもちゃでもありますね」

遊び方には子どもの個性が表れる

ひっつきむしは、次男の出産祝いとして杉村家にやってきました。

Photo: Abiko Sachie

「当時3歳だった長男がまずハマって、毎晩毎晩、読み聞かせタイムならぬひっつきむしタイム。寝る前に『何色が出るでしょうか?』『赤!』『緑でした~』という儀式をして布団に入っていました」

そんな几帳面な長男に対して、自由人な次男はとにかくバーッとイモムシを引っ張り出すという遊び方をするのだそう。

「同じおもちゃでも違う遊び方をするもんだな、と見ていましたね。ふだん次男は、遊んだら遊びっぱなしなんですけど、『おうちに帰してあげて』と言うと、ちゃんと片づけてくれる。だから、今でもイモムシがいなくなることなくそろっているのがすごいなって」

ちょっとしたストーリをつけてあげる杉村さんの声かけ。「片づけなさい!」を言わずに、お片づけまでを遊びにするヒントがそこにはありそうです。

おもちゃと子どもの出会いを大切にしたい

木のおもちゃをたくさん扱っているAPTY。1点1点表情が違うことから、お客様には選んでもらうようにしているのだそう。こうした、おもちゃと子どもの出会いを大切にする接客が、お客様から好評を得ています。

「木のおもちゃは、木肌の色や、木目が狭い広い、節に特徴があるなど、まったく同じものはありません。傾向としては色白さんが選ばれる傾向にあるでしょうか。舐めてもよし、触ってよしで遊んでいるうちに、だんだん濃くなってツルツルになっていきますからね」

子どもの成長とともに変化していくおもちゃ。これもまた、木のおもちゃの醍醐味ではないでしょうか。

ひっつきむし 夢工房ももたろう
セット内容:ひっつき虫9匹、ひっつき棒:1本
サイズ:木/W20×D9.5×H9.5cm、棒/19.5cm
価格:6,480円(税込)
APTY(アプティ)四谷店
https://www.aptytoys.co.jp/
営業時間:10:00~17:00
休業日:木曜日、他 東京おもちゃ美術館営業カレンダーに準ずる
※ミュージアムショップのみの利用には、入館料はかかりません。
アプティオンラインストアAPTY STYLE  http://goodtoy-guide.com/
杉村美由紀さん
東京おもちゃ美術館 ミュージアムショップAPTY四谷店 店長。学生時代、おもちゃ美術館での学芸員実習でやりがいと楽しさを感じおもちゃの世界へ。東京おもちゃ美術館開館時には、「日本を木のおもちゃ大国にする」という思いのもと、四谷店立ち上げを担当する。小学生の2児の男の子の母。
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