「阿闍梨餅」って読める? しっとり生地とあっさりあんのハーモニー♡ 京都銘菓の魅力に迫る!

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阿闍梨餅は、京都の和菓子としてよく知られる存在。読み方は「あじゃりもち」です。京都にある老舗和菓子店「京菓子司 満月」が作っており、餅粉をベースにした生地に粒あんを入れています。いったいどんなお菓子で、どんな歴史があるでしょうか?

阿闍梨餅とは

「阿闍梨餅」とは、京都のお土産品として知られる和菓子で「あじゃりもち」と読みます。京都にある老舗和菓子店「京菓子司 満月」が作っています。

阿闍梨餅は、「京菓子司 満月」の二代目が開発したもので、餅粉をベースにした生地で粒あんを包んでおり、しっとりした生地と中のあっさりとしたあんが程よくマッチしています。

場所・エリア

阿闍梨餅は京都土産としてよく知られる存在。阿闍梨餅を販売している「京菓子司 満月」は、京都市左京区に本店があり、そのほか金閣寺店があります。京都市内や大阪のデパート、駅ビルなどでも販売されていて、東京や横浜、名古屋などの一部のデパートでも取り扱いがあり、オンラインショッピングでも購入できます。

いつ、どんなときに食べる?

阿闍梨餅は、京都に旅行に行った方がお土産で購入して帰るケースが多いでしょう。また、歴史ある銘菓のひとつであることから、贈り物や手土産などに利用されることも。阿闍梨餅をもらった方は、お茶請けとして楽しんでいることが多いです。

歴史

「京菓子司 満月」が京都で創業したのは、安政3年(1856年)のことでした。初代右衛門が出町橋東詰に店を構えたことがはじまりです。途中、幕末の混乱期には店をしめたそうですが、明治元年(1868年)に、再び出町柳に店を開けました。阿闍梨餅は、同店の二代目当主が開発したお菓子で、大正時代(1912~1926年)のことになります。つまり、阿闍梨餅が生まれてから、現在までおよそ100年。それだけの長い期間、人々に愛されているお菓子です。

由来、言い伝え

「阿闍梨(あじゃり)」とは、サンスクリット語で優れた僧を意味する「高僧」のこと。京都と滋賀にまたがる比叡山では、7年もの歳月をかけて山中を歩き続ける厳しい修行「千日回峰行(せんにちかいほうぎょう)」が行われています。阿闍梨餅は、そんな修行中の僧が餅を食べて飢えをしのいでいたことと、彼らがかぶっている網代笠の形にちなんで作られました。

阿闍梨餅の特徴

阿闍梨餅
阿闍梨餅

阿闍梨餅の特徴や魅力について見てみましょう。

特徴1:しっとり生地+粒あん

阿闍梨餅は、粒あんを生地で包んだ和菓子です。粒あんは、丹波大納言小豆でつくられた、あっさり風味のあん。生地は、ベースの餅粉に卵、砂糖などの材料を加えて練り合わせています。この生地で粒あんを包み、焼いて仕上げています。餅粉が入っているため、むっちりとした歯ごたえがあり、外側は香ばしく焼き上げられています。

特徴2:修行僧の笠のかたち

阿闍梨餅は丸い形で、中央部分が盛り上がっています。中にはぎっしりと粒あんが包まれていて、その粒あんがある部分が盛り上がって笠のように見えます。これは、比叡山で千日回峰修行を行っている僧がかぶっている笠に見立てたかたち。

千日回峰行とは、7年間の間に山中を歩き回り礼拝を行う厳しい修行。阿闍梨餅は、荒行とも言われるそんな厳しい修行を行っている僧たちにちなんで作られました。

特徴3:一種類のあんで、一種類の菓子のみ

阿闍梨餅を作る「京菓子司 満月」では、「一種類のあんで、一種類の菓子しか作らない」という基本方針を掲げています。あんは、その一つひとつの和菓子のために、素材選びから作り方まで考えぬいて開発されているものだから、同じあんを別の菓子に使うことはあり得ないということでしょう。

そのため、「京菓子司 満月」では、阿闍梨餅のほかに、「満月」「最中」「京納言」と全部で4種類の和菓子しか作っていません。阿闍梨餅には、阿闍梨餅だけのためにピッタリのあんが作られているということです。

特徴4:材料の質にこだわっている

「京菓子司 満月」では、材料の質を落とさず、菓子の値段は極力上げないことに務めているそうです。素材自体のクオリティにこだわり、納得のいく和菓子作りを行い、それを100年もの長い間、ひたむきに続けています。

特徴5:賞味期限は5日間

阿闍梨餅は、半生菓子です。半生菓子とは、水分量が10%から30%に該当するお菓子のこと。生菓子よりは日持ちする期間は長いですが、水分量の少ない干菓子ほど長くは持ちません。

阿闍梨餅の日持ちする期間は、5日間と短めです。京都土産で購入したらすぐに相手に渡して、自分で通販などで購入するときも、賞味期限を考えておくといいでしょう。

特徴6:土日祝日限定の「満月」も人気

阿闍梨餅と肩を並べて人気なのが、店名を付けた「満月」です。中秋の名月のような、まあるいフォルムが美しい和菓子で、丹波産の白小豆で作ったあんを、卵色の生地で包んでいます。

この満月が販売されるのは、土曜、日曜、祝日のみ。明治時代には旧九條公爵御用達にもなり、公爵もお気に入りだったほどの逸品です。

阿闍梨餅の食べ方

阿闍梨餅

阿闍梨餅は、いくつかの食べ方があります。おいしく食べるには、どんな方法がいいでしょうか?

食べ方1:そのままで

阿闍梨餅は、もちろんそのままで食べてもおいしくいただけます。しっとり&もちもちした生地と、中にぎっしり入った粒あんとのコンビネーションを堪能できます。

食べ方2:温めて

阿闍梨餅は少し温めて食べるのもおすすめです。購入してすぐの阿闍梨餅はいいのですが、数日たって賞味期限が近づいてくると、やや硬くなってきます。そんなときは、電子レンジやトースターで数十秒程度温めると、できたてのようなふっくらした味わいになります。

食べ方3:軽くあぶって

軽くあぶってから食べるのも、香ばしくなって◎。バーナーなどで、軽く焦げ目がつくまで軽くあぶってみましょう。外の生地がパリっとして、中の粒あんがとろっとして、その組み合わせを楽しんでください。

食べ方4:揚げて

阿闍梨餅の意外な食べ方なのが、油で揚げる方法。薄力粉を水で溶いた衣を作り、阿闍梨餅をくぐらせて、油で揚げましょう。外側がカリッとしたら出来上がりです。中の粒あんも温まってとろっとした食感になり、ふだんとは違う味わいになります。

阿闍梨餅の作り方

自宅で阿闍梨餅を作ってみたい方に、シンプルな作り方をご紹介しましょう。市販の粒あんを使ってチャンレンジ。かたちを阿闍梨餅風にととのえて似せてみましょう。

材料

  • 餅粉
  • 水飴
  • 粒あん

作り方

  1. 餅粉に水を少しずつ加え混ぜ、水飴と卵を加えてさらによく混ぜ合わせます。
  2. ホットプレートに生地を流して丸く焼きます。
  3. 片面が焼けたら裏返して、粒あんを真ん中にのせ、もう1枚の生地で挟みます。

阿闍梨餅のおすすめ

阿闍梨餅は通販でも購入できます。

満月 阿闍梨餅

「阿闍梨餅本舗」とうたう和菓子店「京菓子司 満月」の阿闍梨餅です。1856年の江戸末期に創業してから、阿闍梨餅をはじめ、京納言、最中などを作ってきました。2代目当主が開発したという阿闍梨餅は、一度は食べてみたい味のはずです。

阿闍梨餅 自宅用

阿闍梨餅というと、贈り物にするセットやお土産品のイメージがあるかもしれませんが、これはバラで販売されている阿闍梨餅です。5個入りなので、自宅用に購入してまずは試しに味わってみるのもいいかも。

阿闍梨餅(箱なし)

自宅用に阿闍梨餅を購入するなら、箱なしのバラ売りがお得で◎。5個入りなので、こちらも阿闍梨餅未経験の方におすすめです。

京都で愛され続ける銘菓「阿闍梨餅」

京都の老舗和菓子店で生まれた阿闍梨餅は、100年近くのときを超えて、人々に愛され続けています。「京菓子司 満月」でしか作られていない阿闍梨餅。機会があればぜひ食べてみましょう。その魅力にはまってしまうかも。

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