卵を保存する際は衛生管理をしっかりと心がけ、細菌を繁殖させない配慮が求められます。卵黄だけを使う場面、どうしても余ってしまいがちな卵白ですが、冷凍なら安全に保存ができます。無駄にしない方法だけでなく、便利な使い方は覚えておいて損はありません。ぜひご活用ください。
卵白の冷凍保存方法
まずは卵白を冷凍保存する手順について詳しく説明します。
冷凍保存の手順
卵白を冷凍する際は、1個分ずつ分けておけば、使うときに便利です。
【1】容器に卵を割り入れ、卵黄と、卵白を分けてください。
【2】卵白をラップで包みます。閉じた口は輪ゴムで止めてください。
【3】フリーザーバッグや保存容器にまとめ、冷凍保存してください。
解凍方法
解凍する方法は、以下2つの方法があります。
・自然解凍
冷凍庫から冷蔵庫に移して6時間を目安に解凍します。半解凍にしたい場合は、3〜4時間で取り出してください。
・電子レンジ解凍
急いでいるときなら、電子レンジの解凍機能を利用することもできます。
また、1個分につき、電子レンジ200wで1分20秒ほど加熱すると半解凍になります。 加熱しすぎると卵白が固まってしまうので、半解凍で取り出して利用するのがおすすめです。
衛生面での安全
卵の殻にはサルモネラ菌が付着している恐れがあることから、割った卵の保存は厳禁とされています。ですが、菌が他の食材へ移動する心配を減らすためにも、冷凍での保存はおすすめです。
10℃以下での保存はサルモネラ菌の増殖も抑えられます。ただし、冷凍しても死滅するわけではありませんから、解凍後は手早く加熱調理し、すぐに食べることを意識してください。
冷凍卵白の活用方法
ここからは、冷凍保存した卵白の使い道についてまとめました。身近な料理の中にも、卵白を使える場面は多くあります。
つなぎとして
ハンバーグなどのつなぎとして卵を使う理由は、成形がしやすくなるからですが、卵白だけの場合、全卵を使うよりもあっさりした仕上がりになります。
スープとして
沸騰したお湯に野菜類を入れて茹で、鶏ガラスープの素、塩こしょうで味を整えます。卵白を切るようにして混ぜてから、鍋の中に回し入れてください。軽く混ぜながら、ふわふわに仕上げます。
バッター液として
揚げ物をする際に作る、バッター液に活用します。
・材料
(食材400g程度分)
卵白 1個分
薄力粉 大さじ1〜1.5
片栗粉 小さじ1
塩 少々
・作り方
【1】解凍した卵白を泡立て器で混ぜ、ふわっとするまでかき混ぜます。ここに薄力粉と片栗粉、塩を合わせてふるいながら加えてください。
【2】このバッター液に、下味をつけた具材をからめ、パン粉をつけて揚げ油で揚げます。
冷凍卵白とメレンゲ作り
冷凍卵白は、お菓子作りにも大活躍です。メレンゲ作りが大変と感じている方に、ぜひおすすめしたいのがこちら。
メレンゲの失敗例
通常のメレンゲを作るときは、卵白を高速で混ぜながら、空気を含ませて泡立てます。電動泡立て器がないと、しばしば泡立たずに苦労することも多いものです。
そんな時、一度冷凍した卵白ならすでに粘りが弱まっているので通常よりも泡立ちが良く、素早くメレンゲを作ることができます。
ただし、長い期間冷凍保存したものはタンパク質の劣化が進み、水分が分離するか、まったく泡立たずに終わってしまうこともあるので、メレンゲ用には卵白を軽く凍らすと確実です。
失敗しないメレンゲの作り方
実際に冷凍卵白でメレンゲを作る方法をみてみましょう。
【1】 卵白を容器に入れてラップをかけます。そのまま冷凍庫で30分程度冷やしてください。金属ボウルを使用すると、より早く温度が下がります。
【2】シャーベット状に凍り始めた卵白を、泡立て器で混ぜます。 すると、みるみる泡立ちはじめます。
・ポイント
砂糖を加える場合は、シャーベットが溶けて、泡立ちがきめ細かくなってきてから加えます。冷たすぎる卵白では砂糖が溶け残り、ジャリジャリしてしまいますよ。
メレンゲクッキー
泡立てたメレンゲは、コーヒーやミルクなどに浮かべて楽しめるスイーツにするのはいかがでしょうか?
・材料
卵白 1個分
砂糖 30g
・作り方
【1】シャーベット状に凍った卵白を泡立て、数回に分けて砂糖を加えます。
【2】角が立つ状態になったら絞り袋に入れて絞ってください。
【3】100℃のオーブンで60分焼けば、メレンゲクッキーの出来上がりです。
筋トレ、離乳食への利用
卵白は筋肉を増量させる食べ物としても、熱い視線が注がれる存在です。どんな使い方をするのでしょうか?
卵白冷凍と筋トレ
卵白は筋肉トレーニングには欠かせない栄養素で、アミノ酸スコアは100。ボディメイク界においては最高クラスの食材です。そのため、製菓用材として市販されている「凍結卵白」を、プロテインと一緒に飲んで筋肉増量に役立てます。
タンパク源として高品質でありながら、黄身がない分、低カロリーの卵白。100gあたりのカロリーをみると、卵黄が336kcalなのに対し、卵白はたったの44kcalなんです。
高タンパク、低カロリーの卵白は、お子さんの成長期にも積極的に取り入れたい食材ですね。
中沢乳業 ヴィエンヌ(殺菌冷凍卵白1kg)
100gたり10.4gのタンパク質が含まれています。解凍して製菓用にも、エッグプロテインとしても利用できます。
卵白冷凍と離乳食
最後に、離乳食期に余った卵白を活用する例をご覧ください。
離乳食初期(生後5〜6か月頃)〜離乳食中期(生後7〜8か月)に、卵黄を加熱して与えるのが一般的ですが、黄身だけしか使わないことから卵白が余りがちですよね。そんなときには、やはり冷凍保存が便利です。冷凍した卵白は、大人向けの料理として多くの料理に活用してください。
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卵白を最後まで使い切る
卵白を冷凍保存し、食生活に役立てる方法をみてきました。しっかりと冷やした卵白は、泡立ちが抜群によくなる特徴もあります。マカロンクッキーや、エンジェルフードケーキを作る際には、ぜひ役立ててください。筋肉増強にも強い味方となる食材ですから、最後まで活用しながら使い切りたいものですね。
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構成・文・写真(一部を除く)/もぱ(京都メディアライン)