お金の立場からお金の大切さを理解する絵本『おかねのきもち』【フィナンシャルプランナー監修!絵本で学ぶお金の話】

ファイナンシャルプランナーが子育て中のパパママに必須な「お金」の話を、絵本を例にとりながらわかりやすく解説していくリレー連載。

第6回は「おかねのきもち」という絵本を通して、お金の価値や相手の立場で物事を捉える事について考えます。子どもと一緒に絵本を読むことで、お金の原点を学ぶことができます。

お金の立場からお金の大切さを理解する絵本『おかねのきもち』

こんにちは。キッズ・マネー・ステーション認定講師でファイナンシャルプランナーの渡邉詩子です。今回ご紹介する絵本はまだ小さな子どもでも分かりやすくお金の価値を伝える「おかねのきもち」です。

さく/やまもとゆか え/ヨシヤス

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主人公は自動販売機の下に落ちていた一円玉

長い間、自動販売機の下で誰にも見つけてもらえずに落ちていた1円玉。ある日、5歳の女の子あみちゃんに「みっけ!」と言われ拾われ貯金箱に入れられます。一円玉の「みっけ」はその貯金箱の中で、いろいろなきっかけで貯金箱へやってきた他の種類のお金たちと出会います。「みっけ」は何を思い、考え、どんな結末を迎えるのでしょうか。

1円は全てのお金の原点

この絵本でまず気づかされるのが“1円玉の大切さ”です。お話の中で自動販売機下に落ちた100円玉は拾われますが、1円玉はいらないと言われます。また、電子マネーなど「見えないお金」の利用が加速する昨今、お財布に小銭がじゃらじゃらしないことから1円のみならず、現金そのものの出番が以前より減ってきています。

一円を笑うものは一円に泣く

しかし、現金での買い物であと1円あったら大きなお金を崩さなくて済むのに…という経験は誰しもありすよね。また1円貯金であと1円あったら1000円になるのに!という状況下においてはどうでしょうか。まさに「1円を笑うものは1円に泣く」ですよね。

一円玉1枚はたった1グラム、でもお給料に換算したらその重さは?

私が子ども向けに行っているキッズ・マネー・ステーションのお金教育の講座でも1円玉1000枚が入った袋を子どもたちに持ってもらい、その重みを体感してもらう場があります。1枚1グラムしかない1円玉でも1000枚集まれば1㎏、お父さんのお給料が30万円だったとしたらこの袋を300個も背負っていることになるんだよと伝えるとみんなびっくりします。全てのお金の始まりは1円から成り立っていることを忘れてはいけません。

 

子どもは現金に触れることで、お金の機能や存在価値を知る

自分の存在価値を見出せない一円玉のみっけ

貯金箱に入れられた1円玉の「みっけ」は他の種類のお金たちから自己紹介されます。

以前は10歳の女の子の家で紐に通され“つもり貯金”されていた5円玉のゴピカ、やおやでお釣りとしてやってきた10円玉のジューシー、あみちゃんのお父さんのお給料だった100円玉のシルバは彼女が肩たたきをしたおだちんとしてやってきたなど。

名前やどこから来たのかを尋ねられ、最初にかけてくれた言葉「みっけ」を名乗るも、あみちゃんに拾われた経験しかなく、存在価値が見いだせず落ち込んでしまいます。

一円玉「みっけ」も誰かを喜ばせることができた!

そんなある朝、あみちゃんはみっけだけを貯金箱から出し、ある場所へ連れて行き別の箱に入れます。また捨てられたんだと泣き叫んだみっけでしたが、あみちゃんがみっけを入れた募金箱は、すべり台購入のための募金箱だったのです。

こうして1円玉でも誰かを喜ばせることができることをみっけは知り、あみちゃんに感謝します。

子ども自身がお金の使い道を考える体験をしよう

私たちが現金を使う際も、それぞれの硬貨やお札の利便性を自然と把握していますよね。これはお金の価値を知る上でとても大切なことです。あみちゃんはお手伝いなどをして色んな種類のお金を手に入れます。そしてみっけの使い道を思いつきました。子どもがお金に興味も持ち出したら、少額でもお金を渡して、そのお金でお買い物や募金をしてみるなど現金を使う体験をどんどんさせてほしいと思います。そうすることで、物やお金の価値を子どもなりに理解するからです。

「お金の気持ちになって考える」の本当の意味は?

「人を喜ばせたい」という気持ちはお金にもある

作者のやまもとゆかさんは“お金の気持ちになって考えてみること”の大切さをこの絵本で一番伝えたいとおっしゃっています。そして「人を幸せにしたい、うれしい顔がみたい」そうお金たちは思っているのだともおっしゃっています。

一生懸命働いて得たお金で「人を幸せにしたい」という気持ちが周りを幸せにする

また私たちが一生懸命働いて得たお金で「人を幸せにしたい、喜ばせたい」と願う気持ちはお金にも宿り、周りを幸福にするのだと思います。この絵本を通じて「相手の気持ち」や「お金の気持ち」を考え1円から大切にする心を親子で育んでいってほしいです。

 

渡邉 詩子(わたなべ うたこ)
キッズ・マネー・ステーション認定講師
阪上保険事務所 店主/ファイナンシャルプランナー
家計整理アドバイザー2級

10年以上に渡り幅広い年齢層のお客様方への保障提案やご相談に携わる中で、保険にとどまらないファイナンシャルリテラシーの大切さを痛感し、FP2級取得。同時に子供向け金銭教育の認定講師として親子で楽しくお金や仕事について学ぶことにも力を入れています!

また物とお金を整える、お金と関わる自分を客観視することの重要性を感じ、心理学や脳医学、行動経済学についても独学中。小学校4年生の母親。

 

 

~キッズ・マネー・ステーションとは~

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2018年までに1100件以上の講座実績を持つ。

http://www.1kinsenkyouiku.com/

 

 

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