大学卒業までにかかる費用はいくら?
節約について考える前に、子育てにはどのくらいの費用がかかるのか、子育て費用の内訳について考えてみましょう。
子育て費用の内訳
子どもが生まれてから大きくなって自立するまでに、どんな費用がかかるでしょうか。平成21年に内閣府が行った「インターネットによる子育て費用に関する調査」で、子育てにかかる費用を次のように分類しています。
・衣類
・服飾雑貨費
・食費
・生活用品費
・医療費
・保育費
・学校教育費
・学校外教育費
・学校外活動費
・子どもの携帯電話料金
・おこづかい
・お祝い行事関係費
・子どものための預貯金・保険
・レジャー・旅行費
また上記に加え、妊娠してから出産にかかるための「出産費用」もかかってくるでしょう。
大学までで総額いくら?シミュレーションしてみよう
子どもの年齢によって子育てにかかる費用は変わってきますが、そのうち大きな金額となるのが、学校教育費や学校外教育費、学校外活動費などの教育関連の費用です。学校での教育費用は、公立の学校または私立の学校のどちらに通うかによって、金額は大きく変わります。
文部科学省が発表した「平成28年度子供の学習費調査」によると、幼稚園から小学校、中学校、高校まですべて公立の学校に通った場合、学習費の総額は約540万円。すべて私立の学校だったら1,770万円がかかります。
さらに大学での費用は、私立大学4年間の平均費用は450万6,881円、国立大学の場合は4年間で242万5,200円です。
つまり、幼稚園から高校まで公立の学校に通い、国立の大学に進学した場合の教育費用総額は782万円。一方、幼稚園から大学まで私立の学校に通った場合の総額は、2,220万円がかかることになります。
平成28年度子供の学習費調査(文部科学省)
平成28年度入学者に係る学生納付金等調査(文部科学省)
国公私立大学の授業料等の推移(文部科学省)
年間平均費用は?
では子育てすべてにかかる費用は年間どのくらいかかるのでしょうか。内閣府の 「インターネットによる子育て費用に関する調査」によると、子どもの年齢別の子育て年間平均費用は以下のとおりです。
「インターネットによる子育て費用に関する調査(内閣府)」をもとに作成
0~6歳 93~121万円
小学生 105~126万円
中学生 152~161万円
貯金はいくら必要?
では子どもを大学生になるまで育てていくためには、貯金はいくらあったらいいのでしょうか。 「インターネットによる子育て費用に関する調査」では、「子どものための預貯金、保険」の年平均は子どもの年齢で異なりますが11~25万円ほどの結果になっています。つまり、子どもが生まれてから年間で11~25万円ほどをコツコツと貯めて貯金していく家庭が多いということです。
案外なんとかなる⁉子育てのお金に充てたい手当
子育てにかかる費用を家庭だけでまかなうのは、簡単なことではありません。そこで利用したいのが、各自治体が用意している手当てです。
出産育児一時金
まず子どもが生まれるときに受け取ることができるのが、「出産育児一時金」です。健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したときに、42万円の一時金を受け取ることができます。
児童手当(子ども手当)
子どもが0歳から中学校修了まで、子ども1人につきに毎月手当てが支給されるのが「児童手当」です。金額は、0~3歳未満が月額1万5,000円、3歳以降は月額1万円(第3子以降は小学校修了前まで1万5,000円)です。
身内からのお祝い
また子どもが生まれたり、小学校入学、中学校入学などの節目では、家族や親戚からお祝いをいただくこともあるでしょう。それらは子どものための費用にぜひまわしましょう。
子ども医療費助成
子どもが小さいうちは、病院にかかることも多いものです。そんなときには各自治体が行っている「子ども医療費助成」を利用しましょう。暮らしている市区町村によって制度の内容は異なりますが、中学校修了までの医療費の一部が助成される場合が多いです。
お金が足りなくなる前に!赤ちゃんの子育て節約術
節約は小さな積み重ねが大切。赤ちゃんがいる家庭でできる、簡単な子育て節約術をご紹介しましょう。
おしりふき・オムツ
おむつ交換のたびに使うのが、おしりふき。これを節約するアイディアは、おしりふきを半分に切って使ったり、古い布切れを使ったりするというもの。これで、使うおしりふきの枚数を軽減できます。
光熱費(電気代・水道代など)
家族がひとり増えるということは、電気やガス、水道などの光熱費も上がるということ。特にエアコンや暖房機は常につけているようになるので、それにかかる金額も高くなります。エアコンや暖房は頻繁に電源を入れたり消したりするほうが電気代がかかります。一定の温度でつけっぱなしにしておく方が節約になります。
衣服代
ただでさえ着替えを頻繁にする赤ちゃん。衣服代も高額のものをそろえていては家計を苦しめることになります。セールやフリマアプリをぜひ活用しましょう。安いものや古着なら、汚れても気になりません。
おもちゃ・遊び
かわいい赤ちゃんのためには、つい高いおもちゃを買ってあげたくなりますが、節約のためならちょっと工夫をプラスしてみましょう。幼い赤ちゃんのうちは、ティッシュペーパーをひっぱったり、紙をやぶったり、小さな動作でも楽しむもの。そんな赤ちゃんのおもちゃには100円ショップのアイテムも活用してみましょう。赤ちゃんが夢中になる、おもちゃ代わりにできるアイテムがきっと見つかるはずです。
記念日・その他
誕生日などの記念日には、家族でフォトスタジオで写真を撮ったりしたいものですが、ぜひ家族で自宅や近所などで楽しめるアイディアを考えてみましょう。
ストレスを溜めない・疲れない!上手な節約術
習い事の節約術
子どものためではあるものの、家庭の財政を圧迫してしまう習い事にかかるお金。上手な節約術はあるのでしょうか?
・月謝の上限額を決めておく
家庭の収支のバランスを加味して、例えば「毎月1万円を子どもの習い事に充てる」と決めてしまったら、その範囲内でできる習い事をさせましょう。子どもが新しい習い事に挑戦したい、と言っても月額1万円以上のことは我慢! 無料体験レッスンに連れていったり、大人も一緒にできることであれば、休日に親子で試してみたりなど、本格的に習う前に遊び感覚でトライさせてあげるのも一案です。
・適正価格の教室を徹底的に調べる
同じ習い事であっても、費用は案外違うものです。「どこもこれくらいの金額かなぁ」と思って、家の近くだから、子どもの友達も通っているから、と簡単に決めてしまわず、インターネットやチラシなどでしっかりと調べてから習い事を決めましょう。とくに、チラシなどには、入会金無料などの期間限定サービスの情報なども掲載されているので、こまめにチェックしておきましょう。
お出かけや行事の節約術
夏休みやお正月などの長期休暇や、誕生日や季節行事などには、予想以上にお金がかかってしまいます。楽しみながらも節約できる方法は?
・車で行ける範囲でレジャーを楽しむ
飛行機や電車などの交通費は、子どもの人数が多ければ多いほど、高くついてしまいますね。また、ホテルや旅館の宿泊費も高額になります。マイカーのある方は、車で行ける距離の場所へレジャーに行くとよいでしょう。大きめの車だと、車中泊もできますし、最近はロードサイドにスーパー銭湯もたくさんありますので、家族で楽しみながら利用するとよいでしょう。
・行事ごとはママ友家族と一緒に
七五三やクリスマス、ハロウィン、誕生日パーティなど、様々な行事は楽しいものです。子どもとステキな思い出を作るためにも、それらの行事を盛り上げたいところですが、どうしても普段よりお金がかかってしまいますね。そんなときは、ママ友家族と一緒にホームパーティを楽しむなどして、一家族ではなく複数家族でまとめて行事をお祝いするのもいいですね。料理やプレゼントも持ち回りで準備をすると、節約にもなりますし、子ども同士やママ友同士との絆も深まること請け合いです。
食費の節約術
毎日必要になる食費。食べ盛りの子どもたちには栄養のある安全な食事を食べさせてあげつつ、節約も同時に行いたいですね。
・食料品の買い物は週に1回
食料品は、週に1回、1週間分をまとめて買い出しに行きましょう。その際には、冷蔵庫の残り物や食料備蓄をチェックして、必要なものだけをリストアップして出かけましょう。また、1週間分の食費を決めておいて、それ以上は買わないようにすることも大切です。子どもや夫と一緒だと、どうしても余計なものをおねだりされがちなので、可能であれば一人で買い出しに行きたいところです。
・節約レシピは達人のブログやSNSを参考に
おいしくて栄養満点、しかも低コストでできる節約レシピは、インターネット上に溢れています。中でも、人気のブロガーさんやインスタグラマーさんのブログやSNSには、かかったお金や時間なども事細かに発表されていますので、大いに参考になります。
ふるさと納税で節約
ふるさと納税には、テレビCMでも盛んに宣伝されているように、たくさんのサービスが展開されています。
・すでに利用しているサービスがふるさと納税対応しているかも?
今利用している携帯電話のプロバイダや、よく使う通販サイトや航空会社などが、ふるさと納税のサービスを行ってる可能性もあります。すると、手持ちのポイントが使えたり、ポイントが貯まったりするので、大変お得です。有名な大手ふるさと納税サービスの利用を検討する前に、自分がすでに使っているサービスでふるさと納税を行っていないか、チェックしてみましょう。
楽しみながら節約しましょう
節約といっても、無理が多すぎる無謀な節約術ではストレスをためてしまうことになります。自分のライフスタイルを考えて、実践できそうな節約術を真似してみたり、時には節約ブログを読んで息抜きしたりし、楽しみながら節約を行うようにしましょう。
文・構成/HugKum編集部