『おさるのジョージ ドーナツこわい』から学ぶ、子どもが失敗をした時に親として取るべき行動とは 【フィナンシャルプランナー監修!絵本で学ぶお金の話】

ファイナンシャルプランナーが子育て中のパパママに必須な「お金」の話を、絵本を例にとりながらわかりやすく解説していくリレー連載。第8回は「おさるのジョージ ドーナツこわい」という絵本を通して、お金教育で子どもが失敗をしたときに、親はどういう対応をすべきかについて考えます。子どもと一緒に絵本を読むことで、お金の原点を学ぶことができます。

アニメでも放映されているシリーズ『おさるのジョージ ドーナツこわい』

こんにちは。キッズ・マネー・ステーション認定講師・ファイナンシャルプランナーの岡本舞です。

今回ご紹介するのは、絵本から始まったシリーズですが、いまテレビアニメでも放映されている人気の「おさるのジョージ ドーナツこわい」です。様々なハプニングが起こった時、親のあるべき姿を学べる絵本です。

マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ 原作/山北めぐみ 訳/モニカ・ペレス 

翻案/ジョー・ファロン テレビアニメ脚 1,100円+税(金の星社)

ドーナツのおつかいを頼まれたジョージ

ジョージはとっても知りたがりやのこざる。
仲良しの黄色い帽子のおじさんに、数字の「0」についてその意味とはたらきを教えてもらいました。

そして、ドーナツを1ダース買ってくるようにと黄色い帽子のおじさんに頼まれます。

ところがジョージはドーナツの注文用紙につい、たくさんの「0」を書きこんでしまいました。
思いがけないドーナツの山を目の前にしたジョージと黄色い帽子のおじさんが取った行動とは・・・

 

失敗をしてしまった時、親はどうするか

子どもの失敗には悪気はない

ジョージは悪気がなく、出来心でドーナツの注文用紙に数字の「0」を書き足してしまいます。

子どもがミスをするときというのはだいたい悪気はありません。

ジョージも同じく「ゼロを書き足したらどうなるのだろう?」という好奇心に満ち溢れています。

子どもは大人と違い、自分がしたことの結果が予測できないものです。人生経験の量からしても当然のことでしょう。しかし大人は結果が先に想像できてしまうので子どもが何かミスをした時に「ほら言ったでしょ」と口に出してしまう事も多いのではないでしょうか。

失敗はいい勉強と思い、まずは受け止める

この絵本の中での黄色い帽子のおじさん(=ジョージの親代わりの存在)は、頼んだドーナツの量とは桁外れのドーナツを見て、「まあ、いいべんきょうには なっただろう」と言います。

普通の親御さんだったら、「なんでこんなに買ってきたの!!」と感情的になってもおかしくはありませんが、黄色い帽子のおじさんはいたって冷静に事実を受け止めています。まずは何か言いたくなる気持ちを抑えて受け止めてみましょう。

お金のことを教えるプロセスに、失敗は必要です

お金の失敗は「デザイン思考」で考えよう

子どもがお金について失敗をしてしまった時、それをどう捉えていくかは近年話題の「デザイン思考」がここで役に立ちます。

デザイン思考とは、デザイナーがデザイン業務で使う思考方法のプロセスを活用して、前例のない問題や未知の課題に対して最も相応しい解決を図るための思考法です。ビジネスなどではよく用いられますが、子どものお金教育にもこの考え方を応用できます。

①共感:行動を理解し、寄り添う

②問題定義:行動を振り返り、何が問題だったのかを考える

③創造:新しい解決方法のアイデアを生み出す

④プロトタイプ:アイデアを形にしてみる

⑤テスト:形にしたアイデアを実際に試してみる

間違えたジョージのおつかいにあてはめると…

例えばジョージのように間違えた数の品物を買ってきてしまった場合をこのプロセスにあてはめてみましょう。

①共感:数字のゼロを書き足してみたくなっちゃったんだね。書いたらどうなるか知りたかったんだね。

②問題定義:ゼロを2つ付けたしたから、数が100倍になってしまったんだね。

③創造:数を書き間違えないような□のマス目が入ったお買い物メモを作れば間違えないかな?

④プロトタイプ:マス目の入ったお買い物メモを作る

⑤テスト:作ったお買い物メモを使って再びおつかいに行く

失敗をした時でもこのデザイン思考のプロセスを経ることで、失敗が創造に生まれ変わることが分かります。まさに「失敗は成功のもと」ですね。

おこづかいの使い道も口出しせず、見守ってみる

言われたことより、自分で実感した方がはるかに身につく

そして教育熱心な親御さんに多いのが、途中でアドバイスをしてしまう事。

おこづかいを例に例えると、おこづかいをあげたそばから「それ買ったらおこづかいなくなっちゃうよ!」とか「貯金しないとダメだよ」などと、おこづかいの使い道についてあれこれ口を出してしまう事も多いようです。おこづかいを上手に使わせたいという親心も分からなくはありませんが、おこづかいの役割は、「お金を上手に使う練習」です。あくまでも練習で、本番は大人になった時に自分の収入で生活をするときにやってくるので、子どものおこづかいは逆にたくさん失敗させて経験を積ませてあげましょう。

親に言われたことよりも自分で実感した事の方がはるかに身についていきますし、常に親に口を出されている状況は自分で考える力、いわゆる自立心も育ちません。

失敗するたびに親子で考えよう

失敗する度に親子で一緒に考えるクセをつければ、どんどん子どもは学んでいくことが出来ます。絵本の中の黄色い帽子のおじさんのように、全てを温かく見守りハプニングを咎めず「いい勉強になったね」と受け止め、共に行動を振り返ることが大切です。ぜひ黄色い帽子のおじさんを見習って、お子さまを温かく見つめてあげてください。

 

【講師プロフィール】

岡本 舞

キッズ・マネー・ステーション認定講師

株式会社イー・カンパニー ファイナンシャル・プランナー

個人事業主の夫と娘の3人暮らし。家計管理を任されている妻として、そして育児に追われる母として、働きながら『できるだけ労力をかけない節約術』を日々展開。

 

記事監修

キッズマネーステーション|ファイナンシャルプランナー

「見えないお金」が増えている現代社会の子供たち。物やお金の大切さを知り「自立する力」を持つようにという想いで設立。全国に約160名在籍する認定講師が自治体や学校などを中心に、お金教育・キャリア教育の授業や講演を行う。2018年までに1100件以上の講座実績を持つ。


 

 

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