「フォニックス」ってそもそも何?
フォニックス(Phonics)。
って、ご存知でしょうか?
不死鳥のことだよね?(それはフェニックス)じゃあドラクエに出てくるやつ?(それはカイザーフェニックス)そしたらカクテルの名前?(それはジントニックって…だいぶ違うがな!!)
ハイ余計なことを挟みましたが、フォニックスは英語学習用語。英語学習について調べているとよく出てくるフレーズなので、聞いたことある人も多いのではないでしょうか。
そんなフォニックスについて私が初めて聞いたのは5年前。
某有名子ども英語塾の書籍に仕事で関わったことがあるのですが、その教室で教える基本のひとつがフォニックスでした。
フォニックスを簡単に言うと、アルファベットを「実際に使う発音」で憶えること。どういうことかというと、日本語なら「あ」は「あ」と読むというように文字と発音は同一。でも英語の場合、「A」は単語の中では、いわゆるエービシー読みで憶えた「エー」と読むことはめったにない。つまりは文字と発音が一致しない。それなら実際に使う発音ルールを憶えよう、というのがフォニックスなのです。
でも正直、私がそのとき思ったのは、
「え〜…すでにエービーシーの読み方で憶えてるのに、別の読み方ルールをもう一回憶えるの〜?そんなの面倒くさ〜!!」
でした。そのときはなんだか面倒で小難しいものに感じてしまい、フォニックスにたいして興味を持たなかったのです。
さて、それから数年。次にフォニックスと出会ったのは、バルセロナに引っ越して、息子がブリティッシュスクールに通い始めたとき。
そこで知ったのは、フォニックスは、ネイティブの人たちにとって英語学習の超基本という位置づけだということでした。
ネイティブはフォニックスで英語を学ぶ
息子が通っていたブリティッシュスクールでは、時間割に「フォニックス」の時間があるほど、フォニックスに時間をかけていました。アメリカでもイギリスでも、幼稚園から小2くらいの期間で、徹底的にフォニックスをやる学校が多いようなのです。
「へ〜ネイティブにとってフォニックスは英語勉強の基本だったのか!」
とは思ったものの、私がフォニックスをわかってないので息子のフォローができない。
なのでYouTubeでフォニックスの子ども向け動画を探してみました。
結果的に、この動画は息子のフォニックス学習の役に立ったみたいなので、いくつか紹介します。どちらも英語ネイティブの子ども向けなのでオール英語なのですが、ビジュアルと音楽のおかげでとてもわかりやすいのです。
「Kids TV 123」
シンプルでわかりやすいフォニックスの歌。
アルファブロックス(alphablocks)
イギリスBBCの子ども向け番組CBeebies (シービービーズ)が制作しているシリーズ。アルファベットそれぞれがひとつのキャラになって、とにかくフォニックス読みを連呼するのでわかりやすい。動画は長いものから短いものまでいろいろありますが、こちらはベストまとめバージョン。
小難しいと思い込んでいたフォニックス、こうやって動画で見ると全然難しくもないし、自然に読み方を憶えてしまうもんだな…そんな気持ちで息子といっしょに動画をたまに見ていました。
そうこうしているうちに、息子はフォニックスをしっかり覚え、かつて「ABCの歌」で憶えた「エービーシー」読みをいっさいしなくなりました。「エービーシー」読みで私が説明すると、きょとんとした顔をするほど。学校が読みに関してどれだけフォニックス中心でやっているかを実感…。
そして、あるときから、全く知らない英単語でもフォニックス読みを使うことで、なんとなく正しく読めるようになったのです。
「フォニックス憶えると便利ってのはこういうことだったのか〜!!」とやっと私が腑に落ちた瞬間でした。
さらに、フォニックスを使って読むと、なんだか発音もネイティブっぽい。
発音がよくなるし、知らない単語も読める。おおお、フォニックスってなんて素晴らしいんだ…!!
そんなわけで、数年かけて、私はやっとフォニックスの意義を実感したのでした。
とはいえ、英語の発音は例外もたくさんあるので、実はフォニックスはすべての単語に万能なわけではないそう。なので、一部にはフォニックスの反対派もいるんだとか。でも「エービーシー」読みよりは遥かに多くの単語をカバーできることは確かです。
ちなみに、息子がアルファブロックスからのつながりで見るようになったのがこちら。アルファブロックスと同じところが制作している動画です。
「ナンバーブロックス(Number blocks)」
こちらは数字バージョン。算数が好きな息子がいちばん好きなのは実はこれ。こちらもとてもよい…!
フォニックスがもし日本の英語教育の基本になったら?
フォニックスの効果がわかって思ったのは、
「なんで学校でフォニックスを習わなかったんだろ?こっちから憶えたほうがよっぽど実用的じゃん!わかりやすいじゃん!」
ということでした。
だってよく考えたら、「エービーシー」読みで発音するなんて、「ABCの歌」を歌うときと、つづりを説明するときくらいですよね?だったら、最初から実際の英文で使うルールを憶えたほうがいいでないですか。「発音記号」を憶えるよりも、よっぽどこっちのがわかりやすい気もします。
でも、いま日本でのフォニックスは、英語教室や一部の学校だけで取り入れられているのが現状のよう。ただ、今後はもっとフォニックス教育が一般的になっていく気がします。というか、そうなってほしいなあ。日本でもっとフォニックスが普及したら、日本人の英語力も上がる気もしませんか?日本ではまだ正しくフォニックスを教えられる人が少ないという問題もあるみたいだけど、なんとかその壁を越えてほしい…!
最後に、私が最近かなり好きなフォニックス学習動画はこちら。
「あいうえおフォニックス」
ゆる〜いイラストとゆる〜いノリで、かなり内容もわかりやすい。すごくシンプルにフォニックスを解説してくれます。フォニックス動画のほか、英会話アドバイス動画もわかりやすくてオススメ。
そのほか、「フォニックス」「phonics」で検索すればビックリするほど動画がでてきます。
いや〜なんでもYouTubeで学べる現代ってやっぱりすばらしいな!!
と感動しつつ、今回はおしまい。
ところで、もうすぐ小学校第二学期が始まってしまうので、息子が日本の学校になじめるのかドキドキしている日々ですよ…。ああ、どうなることやら!!
ハラユキ
イラストレーター&コミックエッセイスト。夫の駐在赴任により、2017年6月より〜2019年7月までスペイン・バルセロナ在住。雑誌やWEBなどでイラストやマンガを描いたり、コミックエッセイ書籍を出版。「東京くらし防災」(東京都)のイラストも担当。「世界の家族の家事育児分担事情から知る、つかれない家族を作るヒント」や現地ごはん情報なども発信中。おいしいごはんと宴会と祭りとお風呂屋さんが大好き。7歳男児の母。家族をテーマにしたオンラインサロン「バル・ハラユキ」も主宰中。Twitterでは日々の生活や考えたこと、instagramでは主に食いしん坊メモを発信中。
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