スペインの長〜い夏休みを経験して考えた。最高の夏休みって何?【ハラユキの「発見!子育てダイバーシティ in バルセロナ」15】

スペインの小学校の夏休みは3カ月

ママパパのみなさん、夏休み、おつかれさまです…!!(最敬礼)

激増する毎日の家事育児、学童のお弁当づくり、宿題チェック、帰省に旅行などで、ぶっちゃけグッタリ、あ〜新学期嬉しすぎ!!!でも心身共に疲れきって最近は脱力しちゃって何もできないよあははは、てな方も多いのではないでしょうか。

でも実は、日本の小学校の夏休みは海外と比べるとかなり短いほう。たとえば私が住んでいたスペインでは、小学生の夏休みはなんと2カ月半〜3カ月。6月の途中から9月途中までがまるまる休み。3カ月って、すごくないですか長くないですか引きませんか。息子が通っていたのはブリティッシュスクールで、イギリス本国式の夏休みは日本と同じくらいなのですが、夏休みはスペイン式で2カ月半でした。

ちなみに、いまさくっと調べてみたら、アメリカやイタリアやトルコやギリシャも3カ月、カナダやフランスやフィンランドや中国は2カ月(地域や学校によって差はアリ)、そのほか多くの国が日本より夏休みが長いのです。つまり、毎年の夏休みをどうするかで頭を抱える親は海外にもたくさんいるということ。しかも、欧米の多くの国は小学生の1人放置は禁止されているので、1人で遊びに行かせたり留守番させたりもできません。夏休みのハードルが日本よりも高いのです。

実は、我が家がバルセロナで息子に最初に日本人学校に通わせたのも、この夏休み問題が大きな理由でした。引っ越したのが6月だったので、すぐに3カ月も休まれるなんてひえ〜ムリムリムリ!お、現地校&インターに比べたら日本人学校は夏休みまだ短いよ、という流れでした。

結局、途中のブリティッシュスクール転校を挟み、3度のスペインの夏休みを経験したので、今回は夏休み事情について書きたいと思います。

 

(↑今年の夏休みにおじゃましたバルセロナ郊外のあるお宅のプールにて。バルセロナは自宅やマンションにプールがあるうちが日本よりは多い。といっても我が家にはなかったので、いろんなうちのプールにお世話になりました。いま東京で見るとまさに夢空間だな〜)

長〜い夏休みを乗り越えるあの手この手

さて、夏休みが長〜い国で、子どもがどこでどう過ごすかというと、以下のどれか、もしくはいくつかの組み合わせです。

(1)親といっしょに長〜い夏休み

専業主婦(夫)がず〜っと見る、もしくは夫婦交代で世話をする。家でのんびり過ごしたり、家族で長いバカンスに出かけたりもします。というと楽しげだけどやっぱり親は大変だろうなあ。本当におつかれさまです…。

(2)どちらかの実家に子どもを長〜く預ける

日本でもこういう家庭はありますが、なんとなく体感ではスペインのほうが多い気が。しかも夏休み自体が長いから預け期間も長い。1カ月以上子どもを預けるうちもありました。すごい!

(3)シッターを利用する

シッターをフル利用。でもこれはお金がかかる方法でもあります。うちは去年1週間だけ、知人宅と共同シッター(多少は安くなった)でお願いしたことがありました。

(4)サマーキャンプ(サマースクール)に通う

専業主婦(夫)家庭も共働き家庭も利用するのがサマーキャンプ。主催するのは、学校、習い事の教室など。泊まるものから、学校のように朝〜夕方まで通うもの、午前だけのもの午後だけのものといろいろあります。

バルセロナでは、春あたりから親たちがサマーキャンプ情報を収集。なにしろ種類も豊富&値段もピンキリなので、どこに子どもを通わせるかが悩ましいのです。6月7月は人気のサマーキャンプは激戦、8月になると親もバカンスを取る人が多いので入りやすいけど、サマーキャンプ自体もガクンと減る、というかんじでした。

語学、スポーツ、武道、アートなどなどいろんなタイプのサマーキャンプがありましたが、我が家が利用したキャンプのひとつは、スポーツクラブ主催の水泳メインのもの(スペイン語、朝〜夕方)。まず最初の夏に2週間通ったのですが、前半1週間は日本語スペイン語できる知人のお子さんといっしょ、後半1週間は日本人は息子ひとりでの参加だったので、その後半1週間が大変だった…!

今考えるとあれは息子にとって最初の海外の洗礼。私にとってはスペイン子育てで一番悩ましかった1週間でした。息子はまだ日本の学校しか知らなかったし、スペイン語が挨拶程度しかわからなかったし、かくいう私だって先生の言っていることがほとんどわかってない。それなのにそんな場所に嫌がる息子を預けていいものか。そうやってまで仕事をする意味はあるのか。自問自答しながら送り迎えする日々…。夫は日本出張でいなかったし、相談できる人もいなくて、毎日のように親子で泣いていました。

 

 

結局、このスポーツクラブのキャンプには2年連続、計4週間お世話になりました。

もうひとつ利用したのは、通っていたブリティッシュスクールのサマーキャンプ(英語、朝〜夕方)。こちらは自分の学校だから慣れたもの。他校生も参加するから新しい出会いもあるし、息子は喜んで通っていました。こちらは学校がわりに、去年と今年、計6週間利用しました。

 

 

ふたつのサマーキャンプに通わせて印象的だったのは、かなり遊びの要素が強いこと。スポーツクラブのスイミングも、水泳教室というよりはプールで自由に遊ぶというノリだったようだし、学校のキャンプも勉強はいっさいなしで、あの手この手で遊んでました。毎週金曜日は「プールパーティ」だったし、これぞ子どもの夏休み!ってかんじで私はそのゆるいノリが好きでした。

さて日本に帰国して、日本にも同じような小学生向きサマーキャンプ、サマースクールがいろいろあることを発見。ここ数年は民間学童がどんどん増えてるそうなので、前よりサマースクールも増えているのではないでしょうか。しかも、民間学童主催の日帰りのサマースクールとなると、スペインのサマーキャンプよりも預かり時間が断然長い。やっぱりこれは日本が長時間労働王国だからなのかも、なるほどなあと感心したり…。

夏休みの宿題は?そもそも夏休みって何のため?

そんな長〜い夏休みのスペインですが、夏休み中の宿題はありません。これはスペイン式でもイギリス式でも同じで、アメリカも宿題なしが多いそう。これらの国は日本とは学年の区切りが違い、新学年が9月から始まるからという理由かなと思ったのですが、よく考えたら春休みも冬休みも週末も連休も宿題はナシ。つまり休みのときは基本「休みを楽しんでね!」スタンスなのです。

一方、日本の小学校ではしっかり夏休みの宿題が出るのはご存知のとおりで、お隣の中国や韓国になると、日本以上に宿題がガッツリ出るんだとか。ああ、アジア人ってマジメ!!ただ、宿題の内容は各国違いがあり、日本の定番「自由研究」を「机に向かうだけじゃないのが素晴らしい」と評価する中国メディア記事もありました。

ちなみに、この9月から日本の小学校に転校した息子ですが、夏休みに学校に挨拶にいったら、夏休みの宿題を出されたのです。「この時期の転校で、マジか!!」と驚きましたが、自由研究などは外してくれて、内容的にはこれまでの復習がメインだったので、日本語が遅れてる息子にとっては勉強になって、結果的にはありがたかったです(と、思ってしまったマジメなアジア人の私笑)。

でも、夏休みに宿題が出る国と出ない国で学力に差があるかといえば、それは関係しないというデータも発見してしまい…。えええええ、マジメな全アジア人が泣くぞ!!

そんなこんなで、つい夏休みの宿題について調べていたら、さらに興味深い記事を見つけました。実はイタリアは小学生でも夏休みの宿題があるそうなのですが(意外!)、数年前にある先生が出した宿題がすばらしいと話題になったらしく。高校の宿題ではあるのですが、大人にとっても子どもにとっても大事なものが詰まっている内容だったので、そのリストから一部引用します。

 

【チェーザレ先生の宿題リスト】

1. ときどき、朝ひとりきりで海辺に散歩にでかけること。
2.今年、一緒に学んだ新しい言葉をいくつかを使ってみること。
3.できる限り多くの本を読むこと(読書は最も素晴らしい反抗の手段だ)。
4.君をネガティブな気分にさせたり、空虚な気持ちに感じさせるような物事や状況、人々を避けること。
5.もし悲しくなったり、恐れを感じたりしても、心配しないこと。
6.踊ろう、恥かしがらずに(夏はダンスだ)。
7.少なくとも一度は、日の出を見ること。
8.たくさんスポーツすること。
9.素敵だなと思う人に出会ったら、できるかぎり、心から、丁寧に、その人に伝えること。
10.授業のノートを復習すること。
11.太陽の光のように、幸せになること。
12.罵らないこと。
13.悲しい物語の映画を観ること(できれば勉強を兼ねて英語で)。
14.きらめく太陽を感じながら、もしくは暑い夜のひとときに、「自分の人生がどうしたいのか」また「どうあるべきか」夢を描こう。
15.良い人であること。

チェーザレ先生いわく、「私自身も、夏にインスピレーションを受けてきました。夏は特別で、魔法のような時間です」。

ああ、そうだよなあ。確かに夏は魔法のような時間。

そんな時期に夏休みがあるんだから、本当は、自分たちしだいでいくらでもすばらしい時間を過ごせるんだよなあ…。子どもにも特別な時間を作ってあげることはできるはずなんだよなあ…。

「休み」と「バカンス」は違う

それで思い出したのが、スペインで聞いたこんな言葉。

「日本人は休みの過ごし方は知っていても、バカンスの過ごし方は知らない」

休み期間が短い日本式夏休みでは、ついあちこち移動しまくる旅を計画しがち。一方、ヨーロピアンのバカンスは長期間で、そんなに場所も移動せず、ず〜っと同じビーチでゆったりまったりするファミリーも多いのです。これはその違いを指した言葉のようでした。

ああ、心当たりがありすぎる!

我が家の旅も、性格的なこともあってバタバタ移動しがち…。でもあれはあれで楽しかったりもするし…。

でもたまにはそういうゆったりバカンスな夏休みもやってみたいなあ。夏休みという特権を生かした時間を息子に体験させたいなあ…なんて、来年以降の夏休みに思いを馳せている今日この頃なのでした。

では最後におまけで、スペインの夏休みの思い出写真を。

 

(↑こちら去年の夏に通いまくった市民プール。バルセロナの市民プールはリゾート度高くて、去年かなりはまり、あちこちのプールに息子と行きました)

 

(↑こちらもバルセロナ。モンジュイックの丘の上にある、元オリンピック競技場だった市民プール。この絶景よ!右の遠くに見えるのはサグラダファミリア)

 

(↑バルセロネータビーチ!もはや懐かしい…)

 

てなわけで、新学期生活、共にがんばりましょう!

(あれ、今回の記事、新生活バタバタ&ストレスフルな私の現実逃避な内容かも…笑)

 


ハラユキ
イラストレーター&コミックエッセイスト。夫の駐在赴任により、2017年6月より〜2019年7月までスペイン・バルセロナ在住。雑誌やWEBなどでイラストやマンガを描いたり、コミックエッセイ書籍を出版。「東京くらし防災」(東京都)のイラストも担当。「世界の家族の家事育児分担事情から知る、つかれない家族を作るヒント」や現地ごはん情報なども発信中。おいしいごはんと宴会と祭りとお風呂屋さんが大好き。7歳男児の母。家族をテーマにしたオンラインサロン「バル・ハラユキ」も主宰中。Twitterでは日々の生活や考えたこと、instagramでは主に食いしん坊メモを発信中。

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