目次
子どもの名前の付け方ルールと基礎知識
子どもの名前を付けるときには決まりがあります。そのルールや基礎知識について説明しましょう。
出生日から14日以内に決める
赤ちゃんが生まれると、出生届を出さなければなりません。出生届を出す際に必要となるのが赤ちゃんの名前です。
出生届は、出産の日を含めて14日以内に提出します。ですので、それまでに名前を決めなければならないことを覚えておきましょう。
常用平易な文字を用いる
子どもに名前を付けるときには、「戸籍法」という法律が定められています。
1 子の名には、常用平易な文字を用いなければならない。
2 常用平易な文字の範囲は、法務省令でこれを定める。戸籍法 第五十条
平たくいうと、「法務省令に定められた常用平易な文字を使う」ことが条件ということです。そのほかには特に難しいルールはありません。
「常用平易な文字」には、常用漢字、人名用漢字、平仮名または片仮名などがあります。常用漢字の詳細については、法務省の「子の名に使える漢字」を参照してください。
名前に使えない文字や漢字
名前に以下のような文字や漢字は使えないので、注意しましょう。
・アラビア数字(1、2、3など)
・ローマ数字(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲなど)
・アルファベット
・記号(★、●、♡など)
・常用漢字、人名用漢字以外の漢字
(一例:「嘘」「癌」「糞」「屍」「呪」「姦」「怨」「痔」「尻」「妾」「蔑」「膿」「腫」「娼」など)
子どもの名前決めのポイント
何も手がかりがないまま子どもの名前を付けるのは難しいものです。名付けの際のポイントをご紹介しますので、参考にしてみくださいね。
姓と名前のバランスを考える
姓と名前を書いたときに、バランスがよいかどうかでよりよい名付けができます。
以下をチェックしましょう。
・苗字の漢字の文字数と名前の漢字の文字数の兼ね合い
(たとえば、苗字が一文字なら、名前を二文字または三文字にするなど)
・同じ部首の漢字ばかり使っていないか
・似た字形の漢字を使っていないか
漢字の読みやすさ・書きやすさ
漢字の名前を付けるときには、読みやすさや書きやすさも重要です。
人生の中で名前を呼ばれる機会は多々ありますが、その際に読みにくい漢字や当て字を使っていると、間違った名前で呼ばれてしまう可能性もあります。
また、画数が多い漢字、複雑な漢字だと、書くのに時間がかかったり、他人に名前を書いてもらう際に間違いが発生することもあります。さらには、口頭で名前を伝えるときに説明しにくいということも…。
漢字の読みやすさ、書きやすさにも留意し、名前に使う漢字を選びましょう。
画数は意識するべき?
姓名判断の観点から画数を気にする方も多いことでしょう。姓名判断にはさまざまな流派があり、結果もいろいろです。あくまでも占いですから、画数は参考程度にするのがおすすめです。
ただし、苗字の画数が多い、反対に少ないなどの兼ね合いや字面などを考慮した上で、画数を意識してもよいでしょう。
外国語で変な意味はないか
現在では、海外でも通用するような名前を子どもに付けることも多くなっています。その際に気をつけたいのが、外国語で変な意味になっていないかです。外国語で悪い意味を表す言葉だったり、隠語だったりしないか、できるだけ確認しておきましょう。
イニシャルにするとどうなる?
そんなに気にすることはありませんが、イニシャルがどうなるかも念のためチェックしておきましょう。
「W・C」や「N・G」、「S・M」といったあまり印象のよくないイメージを連想させるものは避けたほうが無難です。
名付けで重視したいこと
名付けで重視したいことは、ママパパごとに様々あることでしょう。実際に子どもに名前を付けるときに、どんなことを重視したのか、HugKumによるママパパへのアンケートで聞いてみました。
漢字
一文字にたくさんの意味がある漢字を名前に使うと、漢字が持つイメージがそのまま本人のイメージにつながる場合もあります。アンケートでも、「漢字にこだわった」という回答が多くみられました。なかには、名前辞典を使って意味や響き、画数を決めたという方や、いくつか名前に使いたい漢字の候補を絞っておき、お子さんが生まれてから雰囲気にあったものを選んだ、という方もいました。
・宇宙に関する漢字を付けたくて、かなり考えて意識しました。
・苗字が画数多いので、名前にはシンプルな作りの漢字を選びました。
響きや呼びやすさ
名前の音の響きや、呼びやすさも重要なポイントです。響きがよく、呼びやすい名前なら、お友だちにも親しまれそうです。アンケートによると「あだ名を考えてから名前をつけた」、「呼びやすく親しみやすい名前にしたかった」などの回答がありました。
・いくつか候補を出し、生まれた顔を見てからいちばんしっくりくる名前に決めました。また、海外の人からも呼びやすい(発音しやすい)かどうかも意識しました。
・穏やかな響きの名前が良かったから。
名付けの理由や由来
名前には、その名前にした理由や由来があると、お子さんが大きくなったときにエピソードとして話せます。アンケートの回答には、希望や願いを込めたり、生まれた季節に関する文字や言葉を使ったり、漫画や小説、アーティストの楽曲の歌詞に登場する名前からとった、という方がいました。
・雄大で、堂々と育って欲しいという思いで名前を決めました。妻に相談したら、偶然にも同じ名前を考えていてビックリしました。
・一家を木に例えてみました。娘は木にきらきら輝く新緑の葉っぱ、 長男がその木をどっしり支える要の幹。次男はその木と葉をきらきら照らす明るい太陽、というストーリーを考えて、1人欠けても成り立たないという意味でつけました。
個性的・古風・おしゃれな名前
昨今では、個性的な名前、古風な名前、おしゃれな名前も人気です。なかなか使わない漢字や大和言葉を使った方や、おしゃれな響きの名前を考えたという方がいました。
・空の龍で龍空(りゅうく)と名付けました。響きが外国人っぽくてかっこいいのと、父親と同じ空に関係する漢字にしたくて決めました。
・周りにいない名前にしたくて考えました。画数も気にしました。
祖父母・親・兄弟姉妹と関連した名前
昔からよくあるのが、祖父母・親の名前の漢字を一文字継承した名前をつけることです。そうすることで、家族の絆や一族感が出ますね。また、父親、母親の名前の漢字一文字ずつを組み合わせた名前や、兄弟姉妹で一文字同じ漢字を使うという方もいました。
・姓名判断のアプリやら本やら読み漁り、結果よくわからなくなったので父母の一文字ずつとりました。
・3人目の名付け時、上の子と同じ漢字「馬(ま)」を使うことを最初に決めて、候補をしぼりました。
昭和・平成・令和の歴代の名前の人気傾向
名前にも流行があります。昭和・平成・令和それぞれの人気の名前の傾向を、時代背景とともにご紹介していきましょう。
昭和の名前の傾向
昭和になってすぐ人気だったのは、年号の「昭」「和」の漢字が使われた名前でした。男の子だと、「昭二」や「昭」「和夫」などが、女の子では「和子」「昭子」といった名前が上位に。
時は流れ、昭和50年代に入ると、男の子の名前で「大輔」ブームが起きます。これは、昭和55年の高校野球で活躍した荒木大輔選手の人気にあやかったものです。
一方、女の子の名前では、昭和40年代から「○子」という名前が減少していき、「○美」という名前が流行していきます。また「愛」という漢字は昭和50年代から平成2年まで人気でした。
平成の名前の傾向
男の子の名前で平成時代に人気だった漢字は「翔」や「太」です。このころから、漢字の意味、イメージを重視する傾向が見られます。女の子の名前にもその傾向があり、人とのつながりをイメージさせる「結」や明るい印象を与える「陽」など漢字に人気が集まりました。
また、平成18年に悠仁さまが誕生された際には「悠」という漢字を使った名前がトップ100に複数ランクインしています。
令和の名前の傾向
令和に入って人気の名前には、男の子は「蓮」や「蒼」といった漢字一文字の名前。女の子は、「陽葵」や「凛」、「芽依」など、呼びやすく響きのよい名前や、漢字によいイメージがある名前が付けられている傾向にあるようです。
2024年人気の名前ランキングをチェック!
2024年に付けられた名前は、どんなものが人気だったのでしょうか。男の子の名前、女の子の名前、それぞれご紹介します。
男の子の名前
男の子の名前の上位3位をご紹介しましょう。
人気の名前上位3位
1位:「碧(あお)」
2位:「蓮(れん)」
3位:「凪(なぎ)」
1位の「碧」は海や空をイメージさせ、さわやかな印象を与える人気の名前です。2位の「蓮」は、2000年あたりからトップ10に必ずランクインしている名前で、響きのよさ、呼びやすさが人気の理由のようです。3位の「凪」はジェンダーレスな名前として人気で、前年度の7位から大きくジャンプアップしました。1文字名前のアスリートの活躍や、時の流れで1文字名前が増えているという傾向がみられます。
文字数別の男の子の名前で流行っているものもご紹介しましょう。
一文字の男の子の名前
・樹(いつき)
・律(りつ)
・蒼(あおい、そう)
一文字の名前には、自然を連想させる漢字や、響きのよい漢字が人気のようです。
二文字の男の子の名前
・悠真(はるま、ゆうま)
・大和(やまと)
・結翔(ゆいと、ゆうと)
二文字の人気の名前は、「ま」または「と」で終わるのがポイント。それを踏まえ、壮大なイメージの「悠」、「大」、「翔」といった漢字と、やわらかいニュアンスの「真」、「和」、「結」といった漢字を組み合わせたものが多い傾向にあります。
三文字の男の子名前
・朔太郎(さくたろう)
・明日磨(あすま)
・利久斗(りくと)
三文字の名前には、「○太郎」や「○○介」などの○の部分に、珍しい漢字や、おしゃれなイメージの漢字を使ったり、音の響きを重視し、漢字を当てはめた名前もよく見られます。
下記の記事では、自然にちなんだ名前、珍しい名前、響きがいい名前を一覧でご紹介しています。男の子の名前を考え中という方は、ぜひ参考になさってください。
女の子の名前
2024年に女の子に名付けられた名前の上位3つをご紹介しましょう。
人気の名前上位3位
1位:「凛(りん)」
2位:「陽葵(ひまり)」
3位:「翠(すい)」
となりました。1位の「凛」は、きれいな音が鳴ったような響きのよさから人気のようです。2位の「陽葵」は、2016年頃から人気の名前です。ひまわりをイメージさせる名前で、明るく、活発な印象を与えます。3位の「翠」は、さわやかな色のイメージや呼びやすさから人気となっています。澄んだ潔いイメージの名前が、多くランクインしている傾向があります。
文字数別で人気の女の子の名前もご紹介しましょう。
一文字の女の子の名前
・紬(つむぎ)
・葵(あおい)
・澪(みお)
一文字の名前で近年人気となっている名前は、古風なイメージがある漢字や響きのよい漢字が用いられています。
二文字の女の子の名前
・結菜(ゆいな)
・咲良(さくら)
・莉子(りこ)
二文字の名前は、「菜」「咲」「莉」などの自然に関する漢字が使われていることが特徴的です。
三文字の女の子の名前
・陽菜乃(ひなの)
・梨々香(りりか)
・穂乃花(ほのか)
三文字の女の子の名前には、最後の文字が「の」や「か」と読ませる漢字が使われていることが多い傾向にあります。
下記の記事では、女の子の名前を決めるときに参考にしたい決め方や傾向、センスのいい名前の付け方についても解説しています。また、文字数別に見る女の子の漢字の名前や自然にちなんだ名前、珍しい名前、響きがいい名前を一覧で掲載していますので、女の子の名付けにお役立てください。
子どもの名前の決め方に迷ったら…赤ちゃんの名前辞書や画数アプリのおすすめ
名付けに迷ったり、決めかねているのなら、アプリを参考にするのもおすすめです。ここでは、名付けに役立つ「名前辞書アプリ」や「画数アプリ」をご紹介します。
名前辞書「赤ちゃんの名前・命名辞典 / 名付けお助けアプリ」
こちらのアプリは、約10000もの赤ちゃんの人気の名前を収録。たくさんの赤ちゃんの人気の名前が出てくるので、気になる名前があれば右にスワイプするだけで、お気に入りの名前を保存できます。赤ちゃんの名付けをアシストしてくれる、そんなアプリです。
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子どもの名前は大切に考えよう
愛する子どもに名前を授けるママパパは、その責任の重さに戸惑ってしまうこともあるでしょう。しかし、ママパパから子どもへの思いが込められた名前を付けてあげることができれば、子どももそれをしっかりと受け止めて、すくすくと元気に育ってくれること請け合いです。どんな風に成長して欲しいのかをよく考えながら、我が子にふさわしい名前をつけてあげてくださいね。
文・構成/HugKum編集部