こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。離乳食をスタートさせるときに多くの赤ちゃんが最初に食べるのが「ごはん」。ごはんはごはんでも、赤ちゃんが食べるのは水分量が多い「おかゆ」です。このおかゆ、離乳食の進み具合によって水分量が変わっていきます。今回は、離乳食のごはんについて詳しくお話していきます。
離乳食でごはんはいつから?
離乳食でご飯を食べられるようになるのは、生後5~6カ月ごろの離乳食初期からです。月齢以外にも、次のような赤ちゃんの様子も離乳食開始の目安ポイントになります。
・首がすわる
・生活のリズムが整ってきた
・授乳時間が一定になってきた
・乳汁を十分に飲んでいるのに満足しない
・大人の食べている様子に興味を示す
離乳食のごはん(おかゆ・軟飯)の進め方
離乳食は、離乳食初期、離乳食中期、離乳食後期、離乳食完了期と4つの時期があるので、それぞれの時期の進め方を紹介します。下記に書いていることは、あくまで進め方の目安です。離乳食の進み方には個人差があるので、ご自身のお子さんに合わせながら進めていきましょう。
離乳食初期の進め方
離乳食初期は、まず10倍つぶしがゆからスタートします。10倍つぶしがゆとは、米1に対し水が10で炊いた10倍がゆを更に裏ごし器ですりつぶし滑らかにしたおかゆです。作る時のポイントは、すりつぶした後、おもゆや湯冷ましを加えてトロトロのヨーグルト状にすることです。すりつぶしただけでは、ポテッとして粘り気があり飲み込みづらいです。
10倍つぶしがゆを食べ慣れ、食べ始めて1カ月経過したら10倍かゆにチャレンジです。この時、10倍つぶしがゆから急に10倍かゆに移行すると、つぶつぶの多さに赤ちゃんの口も内蔵も戸惑ってしまうかも!ですので、滑らかな状態から少しずつつぶつぶの大きさに変化をつけていくと、スムーズに移行することができます。
離乳食中期の進め方
離乳食中期は、7倍かゆ~5倍かゆが食べられるようになる時期です。離乳食初期に10倍かゆを食べていますので、中期になって急に水分量を減らすのではなく、9倍がゆ、8倍がゆの時期も経験しましょう。赤ちゃんの食べる様子、便の様子を見ながら7倍がゆ、6倍がゆと経験し、離乳食後期スタート頃に5倍がゆに進めていきます。
離乳食後期の進め方
離乳食後期は、5倍かゆ~軟飯が食べられるようになります。軟飯とは、米1に対し水2で炊くご飯のことです。まずは5倍がゆを食べ、赤ちゃんの食べる様子、便の様子を見ながら4倍がゆ、3倍がゆ、軟飯と進めていきます。
離乳食完了期の進め方
離乳食完了期になると、軟飯~普通飯が食べられるようになります。大人と同じご飯が食べられるのでママも離乳食づくりがグーンと楽になります!
離乳食の時期別おかゆ・ごはんのレシピ
離乳食初期から完了期までのおかゆや軟飯の作り方レシピを紹介します。
離乳食初期 10倍粥
◆材料◆
米 15g
水 150ml
◆作り方◆
1.お米を3回程度洗って水を切り、30分浸水します
2.フタをした鍋を強火にかける
3.沸騰したら弱火にして20~30分炊き、その後火を止めて10分蒸らします
4.吹きこぼれそうなときは蓋を少し開けましょう。途中で、焦げていないか心配になったらふたを開けてかき混ぜてもOKです
◆ポイント◆
水分が多いので、火加減によっては20~30分経ってもシャバシャバの場合があります。シャバシャバだと赤ちゃんが食べづらいので、更に炊いて水分を減らしましょう。
離乳食中期 7倍粥
◆材料◆
(2~3食分出来上がります)
米 40g
水 280ml
◆作り方◆
1.お米を3回程度洗って水を切り、30分浸水します
2.フタをした鍋を強火にかける
3.沸騰したら弱火にして20~30分炊き、その後火を止めて10分蒸らします
4.吹きこぼれそうなときは蓋を少し開けましょう。途中で、焦げていないか心配になったらふたを開けてかき混ぜてもOKです
◆ポイント◆
おかゆの作り方は10倍かゆの時と同じです。10倍かゆの時よりも水分の減るタイミングが早いので、鍋の中の様子を見つつ火加減を調整してください。
離乳食後期 5倍粥
◆材料◆
(2~3食分出来上がります)
米 50g
水 250ml
◆作り方◆
1.お米を3回程度洗って水を切り、30分浸水します
2.フタをした鍋を強火にかける
3.沸騰したら弱火にして20~30分炊き、その後火を止めて10分蒸らします
4.吹きこぼれそうなときは蓋を少し開けましょう。途中で、焦げていないか心配になったらふたを開けてかき混ぜてもOKです
◆ポイント◆
おかゆの作り方は10倍かゆの時と同じです。7倍かゆの時よりもさらに水分の減るタイミングが早いので、鍋の中の様子を見つつ火加減を調整してください。焦げそうならふたを開けて木べらで混ぜても大丈夫です。
離乳食完了期 軟飯
◆材料◆
(2~3食分出来上がります)
米 100g
水 200ml
◆作り方◆
1.お米を3回程度洗って水を切り、30分浸水します
2.フタをした鍋を強火にかける
3.沸騰したら弱火にして20~30分炊き、その後火を止めて10分蒸らします
4.吹きこぼれそうなときは蓋を少し開けましょう。途中で、焦げていないか心配になったらふたを開けてかき混ぜてもOKです
◆ポイント◆
水分量が少ないため、火加減によってはすぐに水分がなくなってしまいますので、極とろ火で作っていきましょう。もし、まだ炊けていないのに焦げ付きそうな場合は水をプラスしてもOKです。
おかゆ・ごはんの簡単な作り方&ストック術
赤ちゃんが食べるおかゆは少量なのに、鍋で炊きあがるおかゆの量は多い!という時のための、少量での炊き方、ストック術です。
炊飯器で大人のご飯とまとめて炊く方法
大人のごはんと一緒に炊飯器で炊く方法です。耐熱の小さい容器を準備しましょう。
◆作り方◆
1.大人用のお米を洗いいつものように炊飯器に入れる。
2.赤ちゃん用のおかゆの米と水の分量を耐熱の器に入れ、炊飯器の中央に入れる
3.炊飯器をスイッチオン
鍋や土鍋で炊くおかゆは、ふっくら炊けて美味しいです。炊飯器で炊いたり、鍋で炊いたり両方の味を赤ちゃんに経験させてあげてください。
電子レンジでごはんからおかゆにする方法
電子レンジ対応の器で作る方法です。コチラは便利な離乳食キットが販売されています。
リッチェル Richell 電子レンジ用おかゆクッカーE
ごはんから電子レンジで4分ほどでおかゆが完成します。時短&省エネのらくちん離乳食作りができる!スプーンがエンボス加工でおかゆをすりつぶしやすい。
おかゆの作り置き・冷凍ストック方法
鍋でおかゆを作って余った時は、冷凍、冷蔵保存して次の離乳食に使うこともできます。但し、食べ残しは保存せずに処分しましょう。冷凍、冷蔵保存するときのポイントは、
・密封できる容器に1食分ずつ入れる
・冷えてから冷蔵庫、冷凍庫に入れる
・食べる前に、必ず再加熱する
・冷蔵は2日、冷凍は1週間で食べきる
ストックするとママの負担が軽くなります。とはいえ、やはり作りたてのおかゆと比べると美味しさが落ちてしまいます。作りたてのおかゆと併用しながら、使ってみてくださいね!
離乳食ごはんのアレンジレシピ
10倍がゆのアレンジ
しらすとにんじんのおかゆ
◆材料◆
10倍がゆ
しらす 5g
にんじん 5g
◆作り方◆
・しらすはお湯でゆがいて塩抜きする
・にんじんは皮をむいて茹でやすい大きさに切る
1.お湯でにんじんを湯がく
2.裏ごししておかゆの上にのせる
7倍かゆのアレンジ
オムライス風おかゆ
◆材料◆
7倍かゆ 50g
卵 20g
にんじん 5g
トマト 10g
◆作り方◆
・トマトは湯むきをして種を取ってみじん切りにする
・卵は沸騰から16分以上茹でてみじん切りにする
・にんじんは1㎝のスライス
1.にんじんをやわらかくなるまで茹でて、みじん切りにする
2.出来上がり直前の7倍かゆに、にんじんとトマトを入れて火を通す
3.2を器に盛って卵を添える
軟飯のアレンジ
チーズの軟飯おやき
チーズと青のりの風味が美味しい、お焼きです
◆材料◆
(赤ちゃん1人分)
軟飯 50g
チーズ 3g
青のり 少々
◆作り方◆
1.軟飯をボウルに入れて軽くつぶしながらチーズと青のりを混ぜ入れる
2.フライパンに1を平らに入れて弱火でじっくり両面焼く
赤ちゃんの主食のごはん。最初は作り方に戸惑ってしまうかもしれませんが、毎日作っていくうちに、ふっくら作れる方法をマスターしていきます。白いごはんももちろん美味しいけれど、時には、食材をプラスして、ごはんに変化を加えてみてくださいね!
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在15歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、22年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する和の離乳食パクパクセミナー、離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで4000人が受講。