こんにちは!離乳食インストラクターの中田馨です。赤ちゃんは産まれてから、母乳や育児用ミルクを飲んで大きくなってきます。5~6カ月頃になると、ママたちから「離乳食の後のミルクはどれだけ飲ませればいいですか?」と言う質問を受けることがあります。今回は、離乳食と育児用ミルクのバランスのお話をします。
離乳食とミルク、量はどのくらいが正解?
離乳食とミルクの目安量を、以下に書きます。注意点としてはあくまで目安量と言うところ。離乳食もミルクも、1日の目安量に達していなくても、赤ちゃんが元気で体重が増えているのなら心配ありません。
5~6ヶ月の赤ちゃんの離乳食とミルクの量
離乳食は1~回食
最初の1カ月は、10倍つぶしかゆをひとさじからスタートし、滑らかになりやすい野菜を裏ごしして、ひとさじずつからチャレンジします。離乳食が進むにつれ食べられる量が増えてきて、2カ月目には、以下くらいの量が目安になります。
10倍かゆ 30~40g
野菜15~20g
豆腐だけの場合 25g
魚だけの場合 5~10g
おかゆは、10倍かゆに慣れたら水分量を徐々に減らして、9倍、8倍かゆと勧めていきましょう。
【ミルクの量】
赤ちゃんの栄養のメインは母乳やミルクです。離乳食後に、今まで通り飲ませてあげましょう。離乳食とミルクの栄養の対比は1:9~2:8です。ミルクの量はメーカーによって多少の違いがありますので、ミルク缶に書かれている目安量を参考にしましょう。
平均の量は1回200~220ml、回数は5回です。
7~8ヶ月の赤ちゃんの離乳食とミルクの量
離乳食は2回食
離乳食が1日2回になり、1回に食べる量も少しずつ増えてきます。
5倍かゆ 50~80g
野菜 20~30g
豆腐 30~40g
魚/肉 10~15g
裏ごしだった離乳食もみじん切りになって、つぶつぶが多くなります。おかゆは7倍かゆからスタートして、徐々に水分量を減らし5倍かゆに近づけていきましょう。
【ミルクの量】
この時期になると、離乳食とミルクの栄養の対比は3:7~4:6と少しずつ離乳食の比率が増えます。とはいえ、まだまだ栄養のメインはミルク。ミルクの量は、ミルク缶に書かれている目安量を参考にしてください。平均の量は1回200~220ml、回数は5回です。
9~11ヶ月の赤ちゃんの離乳食とミルクの量
離乳食は3回食
大人と同じ3回食になります。1日1回からでもいいですので、大人と一緒の時間に食べる時間を取って、みんなで食べる楽しさを味わいたいですね。
5倍かゆなら 90g
軟飯なら 80g
野菜 30~40g
豆腐 45g
魚/肉 15g
食材は、みじん切りから5㎜角程度の大きさになります。おかゆも5倍かゆからスタートし、徐々に水分量を減らし軟飯に近づけていきましょう。
【ミルクの量】
離乳食とミルクの栄養の対比が5:5~6:4と半々になってきます。この時期になると「離乳食をよく食べるのでミルクを飲まなくてもいいですか?」と言う質問があるのですが、まだミルクでの栄養も必要な時期です。嫌がるのを無理強いする必要はありませんが、食後のミルクの用意はしてあげましょう。ミルクの量はメーカーによって少し違いますので、ミルク缶に書かれている目安量を参考にしてください。平均の量は1回200~220ml、回数は5回です。よく食べる赤ちゃんの場合、離乳食後のミルクは飲む様子を見ながら、量を加減しましょう。
1歳の赤ちゃんの離乳食とミルクの量
離乳食は3回食とおやつが1日1~2回
1歳を過ぎると、1日3回の食事に加えて、1~2回のおやつがスタートです。
軟飯なら 90g
普通飯なら 80g
野菜 40~50g
豆腐 50~55g
魚/肉 15~20g
【ミルクの量】
離乳食とミルクの栄養の対比が7:3~8:2と半々になってきます。
1歳過ぎたら、赤ちゃんの離乳食を食べる様子を見ながら、徐々にミルクを卒業です。
「離乳食とミルク」についてママパパの疑問にお答え!
お悩み1:ミルクの減らし方がわかりません。コツはありますか?
離乳食完了期になったら、まずは離乳食後のミルクをなくして様子を見ましょう
離乳食後も、その他のタイミングでもミルクは200ml作り、赤ちゃんのペースに合わせて飲ませることが基本です。ミルクを減らしていくことを考えるのは、特にミルクの卒業時期。1歳過ぎてからのミルクの減らし方を難しく感じるママさんが多いように思います。ミルクを「ある日突然やめる!」と決めてももちろんいいのですが、ミルクが好きな赤ちゃんにとっては、戸惑ってしまうでしょうし、赤ちゃんが欲しがって泣くことで不安に感じるママもいると思います。例えば、離乳食後期で離乳食後3回、他2回飲んでいたミルクを、離乳食完了期になったら、まずは離乳食後のミルクをなくして様子を見てみましょう。そのリズムに慣れてきたら、他の2回のミルクも卒業。おやつに牛乳を取り入れるなど切り替えてみてはいかがでしょうか。
お悩み2:離乳食が好きでミルクを飲まなくなってきてしまいました。
食後のミルクは無理強いせず、赤ちゃんが飲める分だけ飲ませまて
離乳食が好きなのは、ママにとっても嬉しいことですね。離乳食をパクパク食べてくれる赤ちゃんですので「もう、ミルクは必要ないのではないか?」と感じてしまいますね。とはいえ、離乳食初期~離乳食後期は特に、ミルクからの栄養が欲しい時期です。食後のミルクは用意して、赤ちゃんが飲める分だけ飲ませます(無理強いしなくてOK)。食間のミルクは、これまで通りに飲ませてあげましょう。
お悩み3:ミルクはいつまであげるべき?1歳過ぎてもあげていいの?
「そろそろ卒業」と言う卒業の目安をママの中で決めておきましょう
ミルク好きな赤ちゃんにとって、ミルクは楽しみの一つです。1歳過ぎて「はい。今日でおしまい」では、赤ちゃんもビックリです。1歳過ぎても、欲しがる場合は与えてもかまいませんが「そろそろ卒業」と言う卒業の目安をママの中で決めておきましょう。上記のミルクの減らし方のコツを参考にしながら卒業しましょう。
お悩み4:余ったミルクはどうすればいい?
ミルクは大人の料理や離乳食にも活用できるんですよ!
1缶開けたところで、赤ちゃんが急にミルクを飲まなくなり、そのまま卒乳してしまった!!なんてこともあると思います。開けていないミルク缶なら、お友達に譲ることもできますが、開けてしまったものはどうすればいいか悩んじゃいますね。実は、ミルクは大人の料理や離乳食にも活用できるんですよ!
粉ミルクを使った離乳食おすすめレシピ
離乳食中期 ミルクがゆ
材料
軟飯 90g
にんじん 10g
ミルク(粉) 小さじ1
作り方
1.にんじんはすりおろす
2.軟飯を作る途中(出来上がり5分前)でにんじんとミルクを入れて一緒に炊く
離乳食後期 ミルクぱんがゆ
材料
食パン 30g
ゆであずき(砂糖不使用) 10g
ミルク 100ml
作り方
1.食パンは細かくちぎる。ゆであずきは軽くつぶす
2.鍋に粉ミルクを入れて沸かし、1を入れて弱火でゆっくり火を入れる
離乳食もミルクも、目安量を参考にしつつ、赤ちゃんのペースで食べさせてあげてくださいね!
記事執筆
一般社団法人 離乳食インストラクター協会代表理事。中田家庭保育所施設長。現在13歳の息子の離乳食につまづき、離乳食を学び始める。「赤ちゃんもママも50点を目標」をモットーに、20年の保育士としての経験を生かしながら赤ちゃんとママに寄り添う、和食を大切にした「和の離乳食」を伝えている。保育、講演、執筆などの分野で活動中。自身が開催する離乳食インストラクター協会2級・1級・養成講座はこれまで2500人が受講。