明るくて可愛らしいイメージを与える「ひな」という響き。明治安田生命が調査している名前ランキング2020では、女の子の名前ランキングで上位にランクインしています。「ひな」はさまざまな漢字を使って表現することができますが、ここでは「雛」という漢字について徹底解説していきます。
雛という漢字が持つ意味や由来
「雛」は1990年4月から人名用漢字として使用できるようになった比較的歴史の浅い漢字です。そんな「雛」の意味や画数、読み方などを確認していきましょう。
雛の意味
鳥の子。ひな。子ども。まだ一人前でない人。
雛の読み
雛の読みをご紹介します。
・音読み:ス、スウ、ジュ
・訓読み:ひな、ひいな
部首
ふるとり
雛の成り立ち
形声文字(芻+隹)。音符の「芻(スウ)」は「走」に通じ「小走りする」の意味。尾の短いずんぐりした小鳥の象形「隹(ふるとり)」と組合せ、小走りする鳥「ひな」の意味を表します。
雛の字画数
18画。
雛を使った名前に込める願い
「雛」はひな鳥を連想させるため、将来性を感じることができます。大きくなって世界に羽ばたいていけるようにという願いが込められます。
また、「雛」は雛人形にも使われる漢字です。雛人形は子どもが健やかに育つように飾られるものであることから、子どもの健やかな成長を願って使われることもあります。雛祭りは3月3日なので、3月生まれの赤ちゃんにもぴったりですね。
雛という漢字が付く四字熟語
「雛」が使われている四字熟語を2つご紹介します。どちらの四字熟語も「雛」に込められる将来性を感じることができますよ。
伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)
機会を得ず、まだ世に隠れているすぐれた人物のたとえ。また、将来が期待される若者のたとえとしても用いる。
竜は想像上の動物。伏竜は水の中に隠れている竜。鳳雛は鳳凰(ほうおう)という想像上の鳥の雛ひな。竜も鳳も霊獣で、すぐれた人物のたとえ。中国三国時代、人を探していた蜀(しょく)の劉備(りゅうび)に、司馬徽(しばき)が「伏竜と鳳雛がおります」と進言したことによる。
参照:goo辞書 伏竜鳳雛
麟子鳳雛(りんしほうすう)
将来性のある子どものたとえ。麒麟(きりん)の子と鳳凰(ほうおう)のひなの意から。麒麟も鳳凰も想像上の動物で霊獣・霊鳥とされ、これらが現れるとめでたい兆しとされた。伏竜鳳雛(ふくりょうほうすう)の類語である。
「ここの生徒は麟子鳳雛(りんしほうすう)の集まり」というような使い方をされる。
参照:goo辞書 麟子凰雛
雛を使った人気の名前
「雛」が入った人気の名前を男女別にご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
人気の女の子の名前12選
まずは「雛」を使った女の子の名前です。女の子の名前に「雛」を付けると、女の子らしい可愛らしさを感じることができます。
雛子(ひなこ)
21画。
「雛」だけでももちろん可愛いですが、「子」を付けるとより女の子らしく、そして古風な印象になりますね。
雛乃(ひなの)
20画。
タレントの吉川ひなのさんを連想させる「ひなの」という響き。女の子らしくて可愛らしい印象を与えます。
小雛(こひな)
21画。
「小」にはちいさくてかわいらしいという意味があります。周りから愛されるようにという願いが込められます。
雛菜(ひな・じゅな)
29画。
「菜」は菜の花を連想させます。鮮やかな黄色い花を咲かせる菜の花は、春の訪れを感じさせる可愛らしい花です。春生まれの女の子におすすめの漢字です。
雛恵(ひなえ)
28画。
「恵」はめぐみ、豊かさなどの意味があります。素直で賢く、思いやりに満ちた人生を歩めるようにという願いが込められます。
雛羽(ひなは)
24画。
鳥の子を意味する「雛」と「羽」との組み合わせは非常に相性が良いですね。世界に羽ばたいて活躍できる人になるようにという願いが込められます。将来性を感じることができる名前です。
雛歩(ひなほ)
26画。
「歩」にはあるく、あゆむという意味があります。夢に向かって一歩一歩進んでいける人になるようにという願いが込められます。
雛々(すず)
21画。
「雛」は「ひな」という読み方が印象的ですが、「す」という読み方も可能です。「すず」は女優の広瀬すずさんを連想させる人気の読み方です。
雛珠(ひなみ)
28画。
「珠」は美しいもののたとえに使われる漢字です。真珠を連想させる漢字でもあることから、美しく輝きを放つ人になるようにという意味が込められます。
雛暖(じゅのん)
31画。
「暖」にはあたたかいという意味があります。人の心に温もりを与えられる人になるようにという願いが込められます。暖かい季節の象徴である春生まれの赤ちゃんにもぴったりですね。
美雛(みひな)
27画。
「美」は女の子の名付けでよく使われる漢字のひとつです。外見も中身も美しく育つようにという願いが込められます。
結雛(ゆひな)
30画。
「結」にはむすぶという意味があります。人との結びつきを大事にし、良好な人間関係を築ける人になるようにという願いが込められます。
人気の男の子の名前6選
つぎに「雛」を使った男の子の名前です。「雛」は女の子に使われるイメージが強いですが、漢字の組み合わせによっては男の子にも使うことができますよ。
雛大(ひなた)
21画。
「大」にはおおきい、りっぱという意味があります。大きく広い心を持ち、立派な人間になるようにという願いが込められます。「ひなた」という響きは人気の読みのひとつです。「大」ではなく「太」を使用するケースも見られます。画数や名前全体のバランスを見て検討してみると良いですね。
雛翔(ひなと)
30画。
「翔」には羽根を広げて飛ぶという意味があります。「雛」が羽ばたいていく姿を連想させますね。世界に向かって大きく羽ばたける人になるようにという願いが込められます。「翔」は男の子の名前によく使われる人気の漢字です。
雛之介(ひなのすけ)
25画。
「介」にはそばに寄り添って助けるという意味があります。人を助ける強くて優しい人になるようにという願いが込められます。語尾を「すけ」という読みにすると男の子らしさを感じることができますね。
雛弥(ひなや)
26画。
「弥」にはどこまでも広がるという意味があります。広い心と広い視野を持った人になるようにという願いが込められます。
雛之(ひなゆき)
21画。
「之」はいく、ゆくという意味があります。自らの意志で人生を進んでいけるようにという願いが込められます。
雛助(ひなすけ)
25画。
「助」にはたすけるという意味があります。人のために努力を惜しまず、弱者や困っている人に寄り添える優しい人になるようにという願いが込められます。
子どもの健やかな成長を願って「雛」を付けよう
小さいひな鳥や雛祭りを連想させる「雛」という漢字は可愛らしい印象が強く、女の子の名前に使われることが多いです。ただし、組み合わせる漢字によっては男の子の名付けにも使えますよ。
赤ちゃんの名付けで「ひな」は非常に人気のある読みです。さまざまな漢字を使って表現できるので、どの漢字を使おうか迷っているパパママは多いかもしれません。子どもの輝かしい将来と健やかな成長を願って「雛」という漢字を使ってみてはいかがでしょうか。
文・構成/HugKum編集部
参照:明治安田生命
参照:赤ちゃん命名ガイド