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子どもの風邪の症状・種類
風邪は発熱、鼻水、咳などが主な症状で、子どもがかかる最も多い病気です。全日本民医連によると、代表的な「風邪」のウイルスとして、「ライノウイルス」「RSウイルス」「コロナウイルス」「インフルエンザウイルス」「アデノウイルス」、「エンテロウイルス」(ヘルパンギーナ)などがあり、なかでも「ライノウイルス」「コロナウイルス(新型でない)」は、「風邪」(鼻風邪)としては高頻度で見られます。
通常、喉の痛みや咳などは、数日で回復していきますが、風邪が長引くと、ゼイゼイと咳や痰に悩まされる人も。風邪を引かないためには、「ウイルスを体内にいれないこと」と、「体調を整えてウイルスが入り込む隙を与えないこと」が重要です。
熱が出る・微熱が出る・高熱が出る
熱が出るのは、体内に入ったウイルス(病原体)と戦っているサインです。平熱と比較して、普段より熱が高いなと感じたら、「機嫌」「食欲」「顔色」など、全身の状態をチェックしてください。風邪以外にも、「突発性発しん」や「溶連菌感染症」などは、発熱から症状がでる事が多い病気です。急な発熱、高熱など注意深く子どもの様子を見守りましょう。
咳が出る・ひどい咳が出る・咳が続く
咳が続いたり、徐々に悪化して激しい咳が出る場合、風邪ではなく、「百日ぜき」の可能性も。「百日ぜき」は、咳、鼻水、くしゃみなど風邪のような症状のあと、少しずつ咳が激しくなります。風邪と症状が似ているので、咳が続いたら、小児科を受診しましょう。
喉が痛い・喉の痛みが続く
ウイルスや細菌の感染によって、喉や扁桃の粘膜組織に炎症を起こります。「アデノウイルス」や「溶連菌感染症」でも喉に症状が出る場合があります。空気が乾燥すると喉を刺激するので、加湿器を使うなどして、部屋の空気が乾燥しないように気をつけましょう。
鼻水が出る・鼻が詰まる
鼻水は、体に入ったばい菌を洗い流すための役割がありますが、子どもにとってはわずらわしく感じるものです。風邪の場合、鼻水は1週間くらいで楽になります。それ以上鼻水が多く出る場合は、アレルギーの場合も。症状をよく見て、耳鼻科を受診しましょう。
嘔吐する・嘔吐が続く
咳や鼻水が風邪の主な症状ですが、ときには吐いてしまうことも。食欲がない場合は、無理に食事をさせず、水分など口にできるものを補給させましょう。風邪以外にも、「ヘルパンギーナ」や「ロタウイルスによる胃腸炎」でも嘔吐してしまうことがあります。また、「ノロウイルス」の場合は、嘔吐したものを処理した際に、感染してしまう場合もあるので、素早く適切に処理をし、二次感染を防いでください。
新型コロナウイルスを疑うべき?
昨今は新型コロナウイルスが流行しており、上で挙げたような風邪症状が見られた場合、それが新型コロナウイルスによる感染なのか、それ以外の風邪症状なのかは判断が難しいのが現状です。
基本的に、新型コロナウイルス流行中に発熱があった場合には、自治体の措置に従って保健所や専門窓口に相談のうえ、その指示に従ってください。
子どもの風邪、こんなときには病院へ
子どもの様子が「いつも違う」と感じたら、早めに病院で受診しましょう。「いつから」「どんな症状なのか」「どんな様子だったのか」嘔吐したものの写真などは診察時に役に立つこともあります。子どもの病状をよく知っている大人が付き添って受診しましょう。
また、予防接種も含めて、その都度違う医者に通うのではなく、「かかりつけ医」をつくっておくと、病歴や体質などをよく理解してもらえ、その子に合ったケアの方法のアドバイスが受けやすくなります。日頃から医師との間に信頼関係を築いておくと安心です。
喉・気管支などが炎症しているときには耳鼻科へ
風邪の原因のほとんどが、ウイルス感染によるもの。鼻水、鼻詰まり、咳、喉の痛みなどが症状として現れたら早めに耳鼻科を受診しましょう。
熱が出たときは小児科へ
小児科は、子どもの全身の状態変化を把握することが得意です。鼻水や咳がなくても、熱が出てしまった場合は、基本的には小児科を受診します。小児科は子どもをなだめながら診察することにも慣れています。
病院が混んでいるときは内科へ
風邪やインフルエンザが流行していると、患者の多い耳鼻科や小児科はいつも混雑しています。その場合は、内科への受診でも大丈夫です。ただし、内科で診察してもらうと、近くの調剤薬局には子ども用の薬が揃っていない場合もありますので、注意してください。
新型コロナウイルス流行中は…
ここまでは通常時の「子どもの風邪」の通院についてですが、昨今の新型コロナウイルスの流行下では事情が異なります。地域によっては、新型コロナウイルスの感染が疑われる場合に、専用の発熱外来以外では受診できない場合があります。
新型コロナウイルス流行下では、やみくもに病院に行く前に自治体の専門窓口に問い合わせ、受診状況や受診可能な病院についての情報を得てから動くようにしましょう。以下の記事も参考にしてください。
症状別・市販されている子どもの風邪薬の選び方
病気を治す手伝いをしてくれるのが薬です。風邪の原因となるウイルスには特効薬がないため、薬は症状をやわらげるために使います。
子ども用の風邪薬には、シロップやドライシロップ(顆粒)、粉薬などがあります。成長に合わせて、飲みやすいものを選びましょう
熱が出たとき
高熱で辛そうにしているとき、解熱剤で熱を下げれば楽になりますが、薬が切れればまた熱が上がってしまうことも。市販の解熱剤はむやみに使わず、医師の指示に従って、病院で処方されたものを使いましょう。
ムヒのこども解熱鎮痛顆粒 8包
急な発熱や痛みを緩和するアセトアミノフェンを主成分とした子ども用の解熱鎮痛薬。1才から11才未満の子どもを対象として開発されました。胃にやさしく、発熱時に消耗するビタミンC(アスコルビン酸)を配合しています。保存・携帯しやすく、常備薬としても便利な個包装で、子どもが好む「イチゴ味」の顆粒剤です。
咳が出たとき
咳が続くと、思った以上に体力を消耗します。咳がひどくて眠れない場合などは、市販の咳止め薬で症状を緩和してあげるという応急処置もあります。咳止め薬以外にも、加湿器などで湿度を保ち、咳が出にくくなるように環境も整えましょう。
キッズバファリンかぜシロップS 120mL
3ヵ月から7才未満の子ども用のシロップタイプの風邪薬です。有効成分が、子どもの体力を消耗させる咳などの風邪の諸症状を緩和します。子どもの眠りを妨げないノンカフェイン処方で、飲みやすいイチゴ味のシロップです。
鼻水が出たとき
鼻水がひどいときは、吸引器で吸ってあげましょう。鼻を温めるのも、鼻詰まりに効果があります。それでも、鼻水がひどく、頭が重く感じるなど辛いときは、鼻炎の治療薬などを利用するとよいでしょう。
パブロンキッズかぜ錠 40錠
鼻水などの症状にしっかり作用をあらわす子ども用風邪薬。飲みやすい小粒の甘い錠剤にし、眠りを妨げるカフェイン等は含んでいない、子どもに適した設計です。風邪薬で早めの手当の後は、あたたかくして、ゆっくり休ませてあげてください。
子どもの風邪薬の注意点
薬には、「症状をやわらげるためのもの」(解熱剤や咳止めなど)と、「治療のためのもの」(抗生物質など)があります。症状をやらげるための薬は、症状が楽になったらやめても問題ありませんが、抗生物質などの治療薬は処方された分を最後まで飲みきることが大切です。自己判断で服用をやめるのではなく、お医者さんの指示に従いましょう。
どんなものが処方されているの?
市販の風邪薬は、いろいろな症状に対応する「総合感冒薬」ですが、病院では「ひとつの症状につき1種類」の薬が処方されます。たくさん薬が出されることがありますが、それぞれの薬の効果を理解し、正しく飲ませてください。
乳幼児の誤飲
消費者安全調査委員会の調査によると、子どもによる医薬品の誤飲事故は増加傾向に。また、誤飲事故を知らない保護者が多いことが指摘されています。
5か月を過ぎた赤ちゃんなら、物をつかめるようになり、なんでも口に運んでしまいます。薬は子どもの手の届かないところに保管しましょう。鍵のかかる場所に置いたり、取り出しにくい容器に入れるなど、複数の対策を行うことで誤飲の危険を減らすことができます。
風邪を引いた子どもの入浴は?
風邪を引くと、お風呂を控える方も多いのではないでしょうか。入浴そのものが問題というより、その後の湯冷めによって風邪が悪化してしまうということから、「風邪を引いたらお風呂に入らない」という方が多いようです。では、実際はお風呂に入ってはいけないのでしょうか?
お風呂には入っていいの?
高熱でなければ、入浴しても問題はありません。ただし、長風呂をしないこと。入浴後は、湯冷めしないように、早く布団に入るようにしてください。
お風呂の入り方
水分が取れている場合、様子を見つつ、短時間の入浴やシャワーなら問題ないでしょう。お風呂は体力を使うので、熱が出ているときや、ぐったりしている時は避けたほうがよいです。
風邪を引いた子どもの食事
風邪のウイルスに対して抵抗力が弱い子どもには、毎日の食事が大切。普段から、ビタミンたっぷりの旬の野菜を、タンパク質が豊富な肉や魚などとあわせるよいでしょう。
熱がある時の子どもの食事
食べられない時は無理せず、食べられるなら、冷たいスープなど、のどごしのいい食べ物を食べさせましょう。経口補水液なら、水分のほかに塩分や糖分もとれ、脱水も防ぐことができます。
ご飯を食べない時の対処法
食事がとれないときは、無理に食べさせず、お茶やお水・ジュースなど、子どもが飲みたがるものを少しずつ飲ませましょう。水分も全く飲めない場合は、早めに病院へ。
スープレシピ
豆腐と豆乳でとってもヘルシーな組み合わせ。トロトロの食感で胃にもやさしいスープです。
おかゆレシピ
ビタミンたっぷりのほうれん草と、鶏ひき肉を使った「ほうれん草入り肉みそおかゆ」。食欲のない時でも食べられ、風邪の回復期の栄養補給にもピッタリです。
子どもの風邪には早めの対処を
「風邪は万病のもと」といわれます。発熱した場合や、不調が長く続く場合は放置せずに早めに対処しましょう。また新型コロナウイルス流行中は、ふだんから自治体からの情報に注意を払い、いざというときどこに連絡したらよいのかシミュレーションしておくといいですね。
構成・文/HugKum編集部