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小学生ママたちのリアルな声で発覚!「小学生の放課後」問題とは?
子供が小学校に上がると環境が大きく変化し、ママの生活スタイルも変わります。このタイミングで仕事復帰または働き方を変える人がいる一方、宿題や持ち物のチェック、学校行事など親のサポートが必要なことは増え、ママは大忙し!。
そんななか、お子さんは放課後どのように過ごしているのでしょうか? 子供を学童に通わせている&これから通わせる予定の小学生ママたちのリアルな声を聞いてみました。
座談会に集まってくれたのは、小学生と未就学児のママたち5人。テーマは「小学生の放課後の過ごし方」です。
「小1の壁」を実感!ワーママならではの不安も
病児保育など、もしもの時の保険も必要
山本さん:世間で「小1の壁」って言われていますよね。うちは3人子供がいて、真ん中の子の小学校入学と同時に仕事復帰したのですが「壁」を感じました。放課後を過ごす学童は決まっていたのですが、特に「病気をしたらどうしよう」ということが大きな不安でしたね。
実際には、子供が熱を出したときなどは「夫が午前中見たら、私が午後見る」というふうに乗り切りました。子供が病気でも、前日夜までに連絡すればシッターに来てもらえる「病児保育」に登録したのですが、幸いにもこの1年は利用することがないままです。
ママ一同:熱があっても大丈夫なんですか?
山本さん:ええ、大丈夫なんです。インフルエンザでも胃腸炎でも来てくれるそうです。うちの場合、両親が遠くに住んでいるので保険としてはありがたかったです。
ママ一同:すごい! 強い味方ですね。
小学生は放課後、どこで過ごしてる?
校庭で自由に遊ぶことはできない!?
工藤さん:6年生の子供の通っている学校は、低学年は放課後校庭で遊んではいけなくて、4年生以上は6時間授業のときだけ午後4時まで遊んでいいんです。
なので、低学年のときは大変でした。毎日、家に帰ってきてから遊びや習い事に行ったり。でも、どこにいるか把握していないとちょっと怖かったので、低学年でも校庭で遊んでくれればいいのに……という思いはありました。
西村さん:うちもそうです。なぜかというと、低学年の子が終わっても高学年の子が授業で校庭を使ったりするから、外で遊べる時間は限られているんです。
山本さん:そうですよね。時間割が違うからですよね。
西村さん:すると、どうしても室内の遊びになっちゃうんですよね。
尾畠さん:うちは学校から徒歩30分くらいかかるんです。家にランドセルを置いてからでないと遊べないので、校庭を開放していてもなかなか使えないんですよね。
それに1年生のうちは、ひとりで遊びに行かせるのも心配でした。2年生になってからはだんだん行けるようになってきましたが、校庭で遊んでいるほかの子は多かったですよ。
吉永さん:うちの学校は、自由に遊ぶのは5・6年生でもダメなんです。もし校庭で遊びたいのだったら、学校内の公設学童に登録していることが条件だったと思います。万が一のケガなどの責任の問題などがあるのかもしれませんね。
小学生になって、いきなり手が離れるわけじゃない
子供だけで遊べるようになるには時間が必要
西村さん:息子はもうすぐ3年生になりますが、やっと「ひとりで出かけてきていいよ」という感じになったばかり。公園までの距離やそこまでのルートがわかり、友達と約束して、集合時間や解散時間も時計を見て「何時」と守れるようになりました。親子でお互いの信頼関係ができるようになったのは、つい最近。
尾畠さん:幼稚園のときは親同士の連絡先がわかっていましたし。
工藤さん:どこに行っているというのもわかってましたよね。
尾畠さん:小学生になると急に「個人情報が…」ということで、親同士の連絡先がわかりづらくなります。知らない子を急に連れてきたりとか、遊ぶ約束をしてきても親御さんの連絡先がわからないから会えなかったりとか、ありました。
頻繁に遊びにくる子には、そろそろいいかな?というタイミングで「いつもお世話になっています……」と連絡先をうかがうお手紙を書いたこともありました。帰り時間が遅くなって子供が「大丈夫!」と言っても、男の子だとあまり信用できない場合もありますから(笑)。
災害時の行き先確認&携帯電話も活用
山本さん:週4学童、週1習い事に行っている小1の息子は、ひとりで行動してもわりと大丈夫なタイプです。でも、留守番中に地震が起きたらどうしよう?というような心配もあるので、「地震が起きたらこの机の下に入って」「ここに行くんだよ」と、いざというときのことを話し合っています。私がフルタイムで働いているので、そうしなければいけない状況ではあります。
工藤さん:春に1年生になる息子が利用する予定の公設学童には、6年生の兄が通っていたことがあるんです。イベントが好きで喜んで行っていましたね。スライム作りや書き初め体験など、家ではできないイベントがいろいろあって、初めは学童を楽しみにしていたんですが、3・4年生になると「友達と遊びたい」と言うようになって、今は全然利用していません。
高学年になると公設学童に通う友達が少なくなり、遊ぶ内容も低学年向けでつまらなく感じるみたいです。高学年になったら遊びたい子と遊びたい場所に出かけるようになりました。でも不安なので、携帯を持たせていつでも連絡が取れるようにしています。
学童は上手に使えば親も子どももメリットがたくさん!
民間学童は習いごとにも対応してくれる!
西村さん:小2の息子を週2回、民間学童に通わせているんですけど、学校から学童までバスで送ってくれるので、その間に仕事ができるんですよね。夕方6時まで予定を入れられて安心ですし、学童にはとても助けられています。
尾畠さん:うちの子が通っている民間学童は週2回から利用でき、基本料金の範囲内で7時くらいまで預かってもらえます。帰りはバスで家の近くまで送ってくれます。スポーツ幼児園に併設の民間学童なので、そこで体操とサッカーの習い事もできるので安心。小学校で急に環境が変わっちゃうので、通っていた幼児園に近いところがいいだろうと、そこを選びました。
山本さん:1年生の息子は私立の学校に通っているんですけど、そこに併設されている民間学童は「英語に特化」「6時まで」「おやつは自分で持参する」のが特徴です。
吉永さん:子供の通っている学童も、学校の施設内にあるので時間は遅くても6時ぐらいまでです。でもおやつが出ないので、おなかがすきますよね……。
工藤さん:うちも公設学童ですが、事前に注文しておくとおやつが食べられます。おやつなしの子とは別の部屋で食べるようですね。
急用でも預けられて、友達作りの場にも
吉永さん:その日の朝、出席票に「マル」をつけて、「今日は学童に行ってきてね」ということができるので、突発的な用事がある日は助かっています。息子は今は1年生なので喜んで行っていますよ。
工藤さん:次に1年生になる息子は学童をすごく楽しみにしています。「友達と約束して何時に帰るようにするから、お母さん同士で話してね」と言われました。帰宅時間を合わせれば、友達同士で帰ることもできます。同じところを利用していた上の子の場合、友達作りのためにも学童は、最初はすごく役に立ったと思っています。
尾畠さん:うちは定期的に通っているわけではないのですが、学童ではそれぞれ仲良しメンバーができるみたいですね。たまに「この日は仕事だから行ってきてちょうだい」ということもあります。
吉永さん:まんがが揃っていて、それを読むのも結構楽しいみたいです。
西村さん:息子が通っているのは英語を使う学童なんです。行ってもらう日は、私の仕事ができるので助かっています。
山本さん:預かってもらうところがないと働けないのが困りますよね(笑)。仕事の関係で6時に迎えに行けないこともあるんです。その場合、息子ひとりで6時に学童を出ています。でもそれは、学校が違う小4の兄が家で待っているという安心があり、次男だからできることなのかもしれませんね。
学童があるとママはやっぱり安心!
子供の居場所が確実にわかる!
山本さん:例えば地震などの自然災害のとき、「子供が今どこにいるかわかる」のがいちばん安心できると思うんです。その点、学童にいる時間は「ここ」というのが確実にわかりますよね。
西村さん:友達のお子さんの話ですが、「いるはずの場所に到着していない」ということがあったそうです。3年生あたりからサボりと言うか、いろいろ出てくるみたいですね。
尾畠さん:うちも聞きました! 子供が習い事に行っているはずなのに「まだ来ていない」とスイミング教室から電話がかかってきたママがいて。でも、仕事中だったから居場所がわからなくて、近所のママに家まで行ってもらい、子供が家にいるのを確認できたという例でした。
ママ一同:親は焦りますよね〜!
尾畠さん:自分が家にいるときはいいけど、外に出ている場合、学童は居場所がわかって安心ですよね。2年生、3年生になると、そういう「知恵」もついてくるのかもしれません(笑)。
西村さん:3年生の1月とか? 小学校にも慣れてきたころですかね、そういう時期なのかもしれませんね(笑)。
習い事といえば、民間学童では別の習い事に抜けて戻る「中抜け」ができるんですけど、公設学童では習い事で抜けるとその後学童に戻れないことが多いみたいですね。
ママたちの話や実際に体験してわかったのですが、学童によってさまざまな特色があるんですよね。
学童に望むのは「これからの時代に必要な学び」
吉永さん:最近よく言われていますよね、プログラミングや生きる力が大事とか、大学受験の方法が変わるとか。ひと昔前の点数が取れればいい時代とは変わってくるなかで、そのような情報のキャッチアップは、普通にママをやっていると自分で取りに行かないといけませんよね。
「これから必要な力はこれだよ」ということを教えてくれるような学童だと助かるし、通わせる意味があると思うんです。
覚えればいい、答えが出ればいいという学びではなく、考え方などを身につけなくてはいけないと聞きますよね。そういうことが生活の中で、学童で過ごしている間に自然と身につくのだったら、それはいいなと思います。
尾畠さん:世界共通の学びにつながる国際バカロレアとか、21世紀に対応した学びのようなことを学童でやってくれればいいなと思います。
西村さん:子供が楽しめる探求プログラムがあればいいと思います。それも単発で参加できるものであれば気軽に取り組めて、達成感も得られるのではないでしょうか。
ママたちの声からわかったこと
今回のお話を聞いてわかったのは、公設学童も民間学童も、いまやママの仕事の有無にかかわらず、子供の放課後の居場所として柔軟に活用されているということでした。子供が長い時間を過ごす場所だけあって、ママの要望もどんどん具体的になってきているようです。
次回記事「習い事オプションや手厚い放課後サポートが魅力! 民間学童を選ぶ理由」では、民間学童保育と公設学童保育の違いを比較。実際にお子さんを預けている親御さんから多い要望や、学童で受けられる充実したサービスついて詳しくご紹介します。
【次回記事に続く】
撮影/細谷悠美 構成/村重真紀