そもそも年子とは?
年子とは、1歳違いで生まれた兄弟姉妹のことを言います。学年の差は関係なく、上の子が2歳になるまでに下の子が産まれた場合を「年子」といいます。上の子が産まれた月にもよりますので、学年の差でいえば、同級生、1学年差、2学年差の場合がありますね。
年子は嬉しいことも幸せもたくさん!
背格好が似たような子どもが、一緒に座って並んでいると、とてもかわいいですよね。しかし、育てるパパやママは毎日大忙しかもしれません…。みなさまからいただいたご意見を参考に、「年子」を育てる喜びについて考えてみましょう。
いっぺんに子育てができる
最近では、お仕事をしているママも増えています。まとまって子育てをすることにより、社会復帰も早めることができますね。下の子が赤ちゃんのときに、上の子も小さいとお家でゆったり過ごすことができ、上の子の習い事などの予定に合わせる必要もないでしょう。
また、学校に通う年頃になれば、同じ時間帯で習い事にも通うことができ、寝る時間や帰宅時間など、活動する時間帯も似ているので生活のリズムも掴みやすいですね。
1人目の育児で覚えてることが活かせる
子育ての方法は、日々進化しています。今は、インターネットや育児書などで、たくさんの情報をすぐに取り入れることができますよね。何年か経つと、子育ての仕方を忘れてしまったり、やり方が変わっていたりして、再度調べ直したりすることが必要になるでしょう。
最近では、離乳職やおむつ、おもちゃなどの種類も増え、性能も良くなり新しくなっていきます。また、予防接種のスケジュール管理も一度では覚えきれず、頭を悩ませますよね。病気の対処や成長過程で気になることなど、上の子で得た情報をすぐに活かすことができるので、効率が良いでしょう。
おもちゃを共有して一緒に遊べる
年子は成長の差が少ないため、同じおもちゃや遊びに興味を持ちやすく、子ども同士で一緒に遊ぶことができます。おでかけ先を決めるにも、子どもたちの年齢に適している場所を探しやすくていいですね。テーマパークなどに行っても、好みの乗り物や年齢制限がある乗り物が似ていて、家族みんなで一緒に行動して楽しむことができるでしょう。
・「小さい時期から家庭内に常に友だちがいるような環境ができて遊び相手に困らない」 (30代・大阪府・子ども2人)
上の子のおさがりがそのまま使える
上の子の洋服を翌年には着用するため、すぐに使うことができます。長い間保管して、クローゼットの場所をとることも無いでしょう。また、戦隊シリーズやキャラクターデザインのものなど、流行りがあるものも気軽に購入することができますね。
子ども同士の仲がいい
年の差が少ないことで、同級生のように同じ感覚で遊ぶことができます。子どもたちだけで遊んでくれることによって、ママにも少しゆとりが持てますね。ごっこ遊びやおままごとに限らず、力関係も似ているので、ボール遊びなどの運動も、勉強も同じように進めることができるでしょう。
・「双子のように遊んでくれる」 (40代・神奈川県・子ども2人)
子どもの成長にもいい影響がある
上の子にとっては、気が付いたときには下の子がいるという環境のため、赤ちゃん返りがない子どもも多いようです。生まれた時から一緒にいる仲間のような感覚で、協力して成長していくことができるでしょう。
年子の育児で大変なことは?
年子育児について、いいことをたくさん紹介してきました。しかし、年の差の少ない子どもを育てることは、大変なこともあります。
年子を育てることの大変さはどんなことがあるのでしょうか? みなさまのご意見を参考に、考えていきましょう。
育児が2倍、大変さも2倍
上の子の育児にもまだまだ手がかかる時期に、妊娠生活があり下の子が産まれます。授乳やおむつ替え、お風呂など、2人分のお世話が重なってしまいますね。一緒に泣いたり、夜に順番に起きたり、両方が病気になったりすると対応に苦労するのは皆、同じのようです。
・「2人を育児しなければいけないので2倍大変 」(40代・茨城県・子ども2人)
体力的につらい
上の子のお世話をしながらの妊娠は体力が必要です。小さい子どもは目が離せないため、疲れてしまってもママが思うように休息をとることができません。また、産後まだ身体が回復していない時期に、妊娠中の悪阻や授乳、上の子を連れての通院はとても大変ですね。
小さいうちが特に大変
下の子が産まれたとき、上の子もまだ小さいので、おむつ替えや食事、お風呂についてもお世話が必要になります。入浴時は足を滑らせて転倒しないように、とても神経を使いますね。
小さい時は、子ども自身の思うようにならずにグズることも多いので、毎日のお世話をしながら、ふたりの対応をすることはとても大変です。
2人の子を十分に甘えさせられないことも
上の子も下の子も、小さいながらにママの大変さに気付いているかもしれません。甘えたい気持ちを我慢させてしまっていることに気がついたときは、ママから声をかけてあげられると良いですね。なかなか思うようにはできませんが、パパや祖父母など、周囲の手も上手に借りましょう。
子ども同士の喧嘩も多い
年齢が近いこともあり、興味や思考が似ているために、揉めることも多いでしょう。お互いに譲ることができないので、一度揉めると時間がかかりますよね…。子ども同士で切磋琢磨して成長していくためにも、ママはグッと堪えて、見守る時間を持てたら良いですね。
経済的に必要なものが増える、重なる
小さいときは、洋服の着替える回数も多く、洋服やおむつもたくさん必要です。ベビーカーやチャイルドシートなどの必需品も購入の仕方に悩みますね。
また、入園や入学、修学旅行など学校行事が連続になり、出費が続く時期もあるでしょう。学校で必要なものが重なる場合もあり、同じ物を2つ購入しないといけないこともあります。子どもの成長によっては、お下がりが使えず、同じサイズの物を多めに購入することになるかもしれませんね。
・「場合によっては二つ買わないといけない」 (30代・北海道・子ども1人)
年子を授かるには計画的に
年子が欲しい! と思ったら、計画的に行動をすることが大切です。赤ちゃんの誕生までは、着床してから40週で出産となります。しかし、予定よりも早かったり、遅く産まれてくることもありますね。余裕をみて考えるなら、1歳~1歳1か月くらいまでには、下の子を授かりたいですね。しかし、親の計画だけではなく、上の子の成長の様子を見ながら、考えていくことも大切でしょう。
年子の妊娠に気が付かないこともある?
産後の生理の再開には個人差があります。再開前だと妊娠に気が付かないこともあり、周期も安定していないとわかり辛いでしょう。また、上の子の子育てに忙しい日々を送っていることも、妊娠に気付かない理由のひとつかもしれませんね。
年子の妊娠中に気をつけたいこと
上の子のお世話に手がかかり忙しい日々を送る中の妊娠は、疲れが溜まってしまうこともあるでしょう。しかし、自分の疲れに気が付いても、どうしてもママは家事や子どものことが優先になってしまいがちです。子どもの昼寝と一緒に身体を休めるなど、意識して休息をとることを心がけていきましょう。上の子のお世話や家事を、パパや祖父母にも協力してもらって、大変な時期を乗り越えたいですね。
年子の妊娠にリスクはある?
上の子を出産後、育児をしながらの妊娠になります。出産後、身体の回復中か回復後すぐの妊娠になるため、少なからず身体への負担は懸念されます。
小さな子どものお世話をしながらの妊娠生活になり、抱っこや授乳、お風呂など、心身ともに疲れがたまることも多いでしょう。
妊娠中の授乳はどうしたらいい?
母乳で育てているママは、妊娠中の授乳を続けて良いのか不安になりますね。ミルクに変更した方が良いのか、卒乳を考えた方が良いのか、悩みは尽きません。
妊娠中の授乳は、お腹の張りや痛みには十分注意しましょう。授乳による影響で、子宮が収縮する可能性があり、早産や流産のリスクがある危険性が指摘されています。自己判断ではなく、産婦人科の先生や助産師さんに、身体の様子や希望する授乳方法を伝えて、相談しながらすすめて行くと良いですよ。
上の子の月齢にもよりますが、授乳をやめて食事で栄養を補えるようなら、徐々に卒乳について検討しても良いかもしれません。しかし、授乳は子どもの精神的な安定も兼ねています。ママの体調が優れずかまってあげられない時に、授乳を減らしていくと、さらに不安になるかもしれません。卒乳は、子どもの様子をみながら、少しずつ考えていきたいですね。
年子育ては家族でよく話し合いましょう
年子は、同時に子育てができるため、社会復帰や子どもの成長にも良いことがたくさんあります。しかし、妊娠中の生活や出産後のママの負担も無いわけではありません。家族の生活スタイルや経済面に合わせて、考えていきたいですね。また、先の計画は、思いがけずかわることも視野に入れておかなければなりません。
子どもは、必ず計画通りに授かるわけではありません。家族でよく話し合って、何よりも家族みんなが楽しく暮らしていけることがいちばん大切ですね。
構成・文/末原美裕・井上しの