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幼稚園は何歳から何歳まで通うの?
幼稚園は文部科学省の管轄下にあり、教育機関になります。教師が幼児の集団に、体系的に、組織的に学ばせる教育機関。言い換えれば、子どもの側にも組織的に、体系的に何かを学ぶ姿勢と能力が備わっていなければいけません。その意味で入園できる幼児の年齢には制限があり、法律にも、
<幼稚園に入園することのできる者は、満三歳から、小学校就学の始期に達するまでの幼児とする>(教育基本法より引用)
とあります。過去に特区において2歳児の入学を認めたケースもあったようですが、子どもの側に学ぶ姿勢と能力が見られなったため、3歳未満児は学校教育になじまないとあらためて結論が出ているのだとか。
幼稚園の2年保育、3年保育、4年保育の違とは?
ただ、満3歳とは、3歳になった子どもであれば、全員が該当します。一般的に幼稚園の入園式は4月にありますから、例えば6月で3歳になったとしたら、翌年の4月に行われる入園式までは待たなくても入園はできるのでしょうか。答えはイエスです。
満3歳になれば全員が入園資格を保有する
法律上は満3歳で入れますので、6月に3歳になったのなら、6月に希望の幼稚園に入園して、実際は1歳年上の既存の年少クラスに混じって学び、翌年の4月を待ってもう一度、同じ学年の子どもたちと新年少クラスで生活をスタートすることもできます。年度の途中で入園すれば、子どもは年少クラスを2年、年中クラスを1年、年長クラスを1年過ごしますので、4年間幼稚園に通う形になります。そのため、満3歳からすぐに幼稚園に通い始めるスタイルを、「4年保育」と呼びます。
2歳からも入園可能!? 2歳児を預かってくれる「プレ保育」とは
幼稚園の「4年保育」について述べましたが、一方で幼稚園には2歳から入園できる園も存在します。この2歳からの入園を、「プレ保育」「未就園児クラス」と呼びます。
幼稚園2歳児保育=プレ保育
「プレ保育」、あるいは「未就園児クラス」とも呼ばれるこのクラスは、どういった教育機会になるのでしょうか。東京都杉並区の公式ホームページには、
<実施頻度は週に1~2回(曜日固定)、月に2回、不定期に開催、とさまざまです。また1日あたりの時間は90分から2時間>(杉並区の公式ホームページより引用)
とあるように、定期的ではありますが週の中の短い時間、満3歳の入園に先駆けて、体験的に通園させてもらう機会を、「プレ保育」と言います。あくまでも体験的ですので、正式な入園という形にはなりません。
全ての幼稚園が実施しているわけでありませんが、幼稚園の側も園児の獲得競争の中で、プレ保育を実施し、ある程度、子どもを囲い込みたいという本音から、実施する園がとても多くなってきています。
親や子ども側のメリットとしては、幼稚園の雰囲気が分かる上に、入園後のミスマッチを予防できるという点があります。また、「プレ保育」を受けた幼稚園には、満3歳の時点で優先的に入園できるという利点もあります。
ちなみに一部では満1歳の子どもを早々に受け入れている園もあり、この手のクラスを「プレプレ保育」などと呼ぶケースもあります。
幼稚園の2歳児クラスではどんなことをする?
幼稚園の2歳児クラスは、満3歳以上児と違って、体系的に、組織的に何かを学ぶというよりも、遊びを通じて集団生活を体験するといった側面が強いです。活動内容には各幼稚園で大きな違いがありますが、例えば大阪にある学校法人中野幼稚園の公式ホームページを見ると、
・登園と朝の挨拶
・フラッシュカードや百玉そろばんなどの日課活動
・運動遊び、音楽遊び、絵画造形遊びなどの設定保育
・戸外自由遊び、片付け
・降園
という流れになっています。通常の保育所が行なう活動と、大差がないスケジュールだと考えて良さそうです。
定員はどのくらい? 幼稚園二歳児受け入れの現状
幼稚園の「プレ保育」は、どの程度の人数を受け入れてくれるのでしょうか? ベネッセ教育総合研究所「第2回 幼児教育・保育についての基本調査 報告書 [2012年]」を見ると、全国の幼稚園の定員数平均は、このようになっています。
一方の「プレ保育」に関しては、各幼稚園の実施状況が異なるため、一概に言えない部分がありますが、各園の募集要項をざっと見通して見ると、10名~30名といったボリュームの募集が多いと分かります。
幼稚園の2歳児入園はいつから申し込みが始まる?
「プレ保育」は保護者と子どもの側にもメリットがあるため人気で、上述の杉並区の公式ホームページにも、
<多くの園は募集開始当日で定員に達するようです>(杉並区の公式ホームページより引用)
とあるように、すぐに定員に達してしまう幼稚園も少なくありません。そうなると、戦略的な申し込みが重要になってきますが、幼稚園の「プレ保育」に関しては、いつから申し込みが始まるのでしょうか?
結論から先に言いますが、「プレ保育」に関しては、募集のタイミングが園によって大きく異なっていて一概に言えません。例えば10月1日に募集を開始する園もあれば、年末年始に募集して、4月にスタートといった園もあります。
「プレ保育に関しては、申し込みのルールが一定ではない」
と早々に理解して、希望の幼稚園の公式ホームページ、あるいは自治体のホームページなどから、「プレ保育」の有無、募集のタイミングの時期などの情報収集を開始したいところです。
希望の園に出かければ、掲示板などにプレ保育に関する情報が掲載されている場合も少なくありません。主体的な情報収集が必要になってきそうですね。
「年少」は何歳から?幼稚園年齢早見表
それでは、具体的に各年度で生まれた子どもが何歳から入園できるか、年齢早見表を作成してみましょう。
幼稚園入園の年齢早見表
基本的に幼稚園は、年度の途中でも3歳になれば入園ができます。よって青色の部分が入園不可の部分で(幼稚園によってはプレプレ保育、プレ保育が可能)、ピンク色の部分が年少クラスへの入園が可能になるタイミングです。ピンクから通った場合は、いわゆる「4年保育」になり、翌年の4月を迎える時期までは、実際は1学年上の子どもたちが通う既存の年少組に混じって園内で学びます。
翌年度の4月を迎えた緑色のタイミングが、一般的な4月入園になります。このタイミングから通った場合、いわゆる「3年保育」になります。年度の途中で入園した「4年保育」の子どもたちは、あらためて4月入園の「3年保育」の子どもたちと足並みをそろえて入園式を迎え、新年少クラスで園生活を再スタートします。
私立と公立で違う⁉幼稚園の入園手続きの流れ
最後に、幼稚園の入園手続きに関してまとめます。私立幼稚園と国公立の幼稚園は入園の手続きが変わるため、上述の早見表で言えば緑色の4月入園を前提にそれぞれの流れをまとめてみました。
私立幼稚園の入園までの流れ
私立幼稚園に関しては、以下の通りです。
6月~9月に幼稚園の見学会や説明会への参加。10月中旬~下旬に入園願書の受け取り、11月上旬に願書を提出します。11月上旬に面接があり書類選考から抽選。11月上旬から中旬に合格発表。12月~3月に入学説明会があり、制服や教材の受け取り。2月~3月に体験入園で→4月に入園式の流れ。
公立幼稚園の入園までの流れ
次は公立幼稚園の入園までの流れをまとめます。
9月~10月に願書の受け取りと願書の提出、支給認定の申請。11月上旬に面接、書類選考があり抽選、健康診断へ。12月に入園承諾書、認定書の受け取りの流れ。
途中入園の場合は? 幼稚園入園手続き時期について
幼稚園の願書は私立と公立、どちらも10月前後の秋に受け取って、提出する形になります。私立幼稚園は幼稚園との契約になりますが、公立幼稚園に関しては自治体などとの契約になることを覚えておきましょう。
途中入園を希望する場合は、まず幼稚園の定員に空きがあるかどうかを最初にチェックする必要があります。私立幼稚園の場合は各幼稚園に、公立幼稚園であれば自治体に対して、空きの有無をチェックしてください。空きがあれば見学を希望し、気に入れば願書を受け取ります。
通常の4月入園と同じく、願書を提出すると、面接と書類選考があり、健康診断があります。入学時には入学金、授業料の他、制服などをそろえるためにある程度の金額が必要になると考えておきたいです。
見学会や面接のときの服装はどうする?
途中入園を含めて、入園に先立って行われる見学会や面接では、どのような服装が適切なのでしょうか。見学会に関しては、特にルールはありませんが、派手過ぎる格好は避け、スリッパなどを必要に応じて持参してください。
面接においては、親子の服装も幼稚園からチェックされます。園のスタイルによっては、両親ともにスーツ、子どももジャケットの着用を求められる場合もあります。いわゆる「お受験」の必要がない、カジュアルな幼稚園の場合でも、ジーンズや短いスカートは避け、清潔感のある服装を心掛けたいですね。
以上、幼稚園に入園できる年齢についてまとめました。初めての入園ともなると、分からない話ばかりで不安になってしまうと思います。繰り返しチェックして、不安を少しでも軽くしてくださいね。
文/坂本正敬
【参考】