保育園と幼稚園の違いは? 認定こども園との違いも解説

「幼稚園」と「保育園」の違いを知っておくと、家庭の状況や子どもの性格に合う園を選ぶのに役立ちます。タイミングを逃さないよう、入園条件や申し込み時期なども確認しておきましょう。また、「認定こども園」についても詳しく解説します。

管轄と法律に違いがある

幼稚園と保育園の違いは、「管轄する省庁と法律」です。

「保育園」は厚生労働省、「幼稚園」は文部科学省の管轄

保育園

保育園は、児童福祉法に基づいた、厚生労働省管轄の児童福祉施設です。子どもたちの面倒を見るのは、国家資格を有する「保育士」が中心となります。
親の就労、そのほかの理由により、保育に欠けるとみなされた家庭の子どもを預かる場であり、安全な環境の下で乳幼児の心身の健康的な発達を促すことが目標です。

幼稚園

一方、幼稚園は、教育基本法に基づいた、文部科学省管轄の教育施設です。幼稚園教諭免許状を取得した「教員」が子どもたちの教育に当たります。
幼稚園での生活を通じて、生活習慣・集団生活のルールを覚え、言葉の使い方や音楽・絵画などの芸術への興味を養うことが目標です。

 

管轄省庁が違うため、以前は保育園を託児目的、幼稚園を幼児教育目的とみなす傾向がありましたが、2018年に改定された「幼稚園教育要領」「保育所保育指針」「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」によって、保育園も「幼児教育施設」と位置づけられ、保育園・幼稚園・こども園のいずれに通っても、小学校初等教育にそなえた幼児教育を受けられるものとされました。

 

出典:保育所保育指針|厚生労働省

出典:中央教育審議会 初等中等教育分科会 教育課程部会 幼稚園教育専門部会(第4期第1回(第9回))議事録・配付資料 [資料15] 【学校教育法】(幼稚園関係抜粋)-文部科学省

「認定こども園」とは

認定こども園は、保育園・幼稚園どちらの目的も併せ持つ「保育・教育」のための幼保連携型施設です。内閣府の管轄ですが、厚生労働省・文部科学省とも連携を図っています。
なお、認定こども園として認定された保育園・幼稚園は、それぞれの基本的な機能は変わりません。保育所型・幼稚園型・幼保連携型のいずれにも属さない施設は「地方裁量型」です。

上で説明したとおり、こども園も2018年の「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」の改定により、保育園・幼稚園と同様に、小学校の「新学習指導要領」を意識した「幼児教育」の場として位置づけられました。

したがって、保育園・幼稚園・こども園は、どの施設に通っても、子どもの育ちに必要な資質や能力を育む学びの機会が得られるようになっています。

出典:定こども園: 子ども・子育て本部 – 内閣府

「保育園」と「幼稚園」の入園制度の違いを詳しくチェック

上で見てきたように、保育園と幼稚園は子どもが受けられる保育内容や教育に差はありませんが、入園方法や保育時間などの制度が違います。ここではその手続きやルールなど、事務的な面における違いを確認しましょう。

入園条件と対象年齢

保育園に預けられる子どもは、年齢と家庭環境に応じて次のような認定区分に分けられます。

  • 1号(教育標準時間認定):3~5歳で、保育に欠けていない
  • 2号(保育認定):3~5歳で、保育に欠けている
  • 3号(保育認定):0~2歳で、保育に欠けている
  • 認定なし:0~2歳で、保育に欠けていない

保育園の利用を認められるのは、2・3号認定を受けた子どもだけです。共働きで保育に欠けてはいるが、幼稚園を希望する場合は1号認定に区分されます。

なお、3号認定では認定こども園として認定されていない幼稚園を利用することはできません。

保育時間と長期休暇の有無

保育園の保育時間は、一般的に7時半~18時半とされています。7時半以前の早朝保育、18時半以降の延長保育に対応しているかどうかは確認が必要です。幼稚園の預かり時間は、一般的に午前中から昼過ぎまでの4時間とされています。

また、保育園は年間通して預けられますが、幼稚園には夏休みなどの「長期休暇」が設定されているのが基本です。

なお、認可保育園は就労時間が月に120時間以上で最長11時間保育の「保育標準時間」、月に120時間以下で最長8時間保育の「保育短時間」のどちらかに振り分けられます。正確な時間は各自治体で確認しましょう。

保育料

保育園は「認可保育園」であるか「認可外保育園」であるかによって、幼稚園は「公立」か「私立」かによって保育料の設定が変わってきます。

認可保育園と公立幼稚園の保育料については、各自治体での確認が必要です。一方、認可外保育園、私立幼稚園の場合、各園が保育料を設定しているため、入園を希望する園に問い合わせるとよいでしょう。

なお、2019年10月1日から「幼児教育・保育の無償化」が始まりました。

3~5歳児と、住民税非課税世帯の0~2歳児は保育料が無料となります。ただし、子ども・子育て支援新制度の対象ではない幼稚園の場合、助成される金額の上限は月額2万5700円です。

出典:幼児教育・保育の無償化はじまります。

申し込み時期と方法

認可保育園は10月中旬ごろから自治体で願書の配布が始まり、11~12月ごろから受付が開始されます。その後、就労状況届などの必要書類を提出し、2~3月ごろに内定通知を受け取るのが一般的です。

私立幼稚園の場合は、9~10月ごろに行われる各園の説明会などで願書が配布されることが多く、公立幼稚園の場合は11月ごろから自治体で願書配布が開始されます。入園が決定するのは12月ごろです。

預けるなら?メリットとデメリットを比較

続いて、保育園・幼稚園それぞれのメリット・デメリットについて解説します。

保育園の場合

どの保育園にも共通するメリットは「保育時間の長さ」といえるでしょう。親の就労状況に応じて8~11時間子どもを預けられ、長期休暇もないため仕事に支障が出にくいのが魅力です。

デメリットは、保育時間の長いぶん、お昼寝用の寝具や着替えなどが必要になり、用意する備品とその持ち帰りの手間がかかることでしょう。

また、入園の競争率の高さもデメリットの一つです。地域によっては第1希望どころか、希望を出した保育園すべてに落ちてしまうことも珍しくありません。

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幼稚園の場合

幼稚園のメリットは、その管轄が文部科学省であることから 学校生活を意識したクラス制や集団生活形態をとっている園が多く、また、午後の早い時間には帰宅することから、家庭で過ごす時間を多くとりたい場合に適しています。

デメリットは、預けられる時間が短いことでしょう。預かり保育を利用できる園もありますが、その分追加料金が発生します。

また、保育園に比べて親の参加が必要なイベントが多いのも特徴です。共働きやシングルの家庭では、仕事との両立が難しい面があるかもしれません。

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「認定こども園」も気になる・・・どのような施設なの?

最後に、認定こども園について解説します。園によって特徴が大きく異なるため、一般的な情報になりますが、選択肢に加えるかどうかの参考にしましょう。

保育・教育を一体的に行う施設

認定こども園は「保育・教育」を目的とした施設で、以下の四つのタイプに分けられます。

  • 幼保連携型
  • 幼稚園型
  • 保育園型
  • 地方裁量型

0歳~就学前までの子どもを対象に、それぞれの認定区分に応じた保育時間が設けられます。幼稚園型・保育園型の園での過ごし方は、もともとの施設の在り方と変わりません。

幼保連携型の場合は、3~5歳児は昼過ぎまでの教育時間と、それ以降の保育時間が設けられます。地方裁量型とは、基準に照らして自治体から認可こども園の認定を受けた施設のことです。

出典:認定こども園4類型の比較|内閣府

保育料も幼保無償化の対象に

保育料は国の基準に基づいて決定されます。月額利用料の上限は下記の通りです。

  • 1号:2万5700円
  • 2号:10万1000円
  • 3号:10万4000円

保育料がいくらになるかは、世帯収入と子どもの年齢によりさまざまです。詳しくは各自治体に確認するとよいでしょう。

また、認定こども園も幼児教育・保育の無償化の対象となっています。対象年齢や上限金額についても、幼稚園・保育園と変わりありません。「幼児教育施設」として、子どもたちが受けられる保育・教育内用も、幼稚園・保育園と同等とされています。

出典:利用者負担(保育料)の水準 |内閣府

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預けるメリットとデメリット

幼稚園の準学校感、保育園の保育時間の長さ、どちらのメリットも併せ持つことが幼保連携型認定こども園の最大のメリットです。習い事に通わせる時間的余裕がない家庭でも、さまざまな個性を伸ばすプログラムを準備している園があります。

一方で、就労状況などにより入園の優先順位が変わるため、保育園と同じように競争率が高くなりがちなのは否めません。また、保育園よりも保護者参加型イベントが多くなる可能性があることも、念頭に置く必要があるでしょう。

子どもや家庭の状況に合った園を見つけよう

子どもを預ける場所といった点では共通していますが、管轄省庁の異なる保育園と幼稚園では入園条件や制度などが異なります。どちらのメリットも捨てがたいときは、認定こども園も候補に入れるとよいでしょう。

また、私立保育園の中には独自の教育方針を取り入れている施設もあります。学習やスポーツのカリキュラムが豊富な園もあるので、よさそうな園を見つけたら見学を申し込んでみてはいかがでしょうか。

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文・構成/HugKum編集部

 

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