【助産師監修】母乳はいつまで必要?与えると出続ける?卒乳のタイミングや断乳ケア方法をチェック

母乳に関することは、育児の大きな悩みのひとつになる場合もあります。この記事では、母乳はいつまで必要なのか、いつまであげるとよいのかを解説していきます。また、先輩ママたちに聞いた「母乳をいつまであげたか」のアンケート結果や、卒乳や断乳後の母乳はいつまで出るのか、卒乳のタイミングや断乳ケア方法などもご紹介しましょう。

母乳はいつまで必要?母乳はいつまで出るの?

母乳はいつまであげるといいの?

赤ちゃんに母乳をあげるのはいつまでなのか、知りたいママは多いことでしょう。この項では、WHOの見解や、母乳の栄養や免疫はいつまで続くのか、いつまで母乳は増えるのかなどを解説していきます。

WHO(世界保健機関)の見解

WHO(世界保健機関)は、2歳以上まで母乳をあげることを推奨しています。2年間以上も母乳を与えるというのは長いように感じられますが、実際には1歳~1歳5か月くらいの間に卒乳や断乳する方が多いようです。

母乳の栄養や免疫はいつまで持続する?

母乳には、脂質、タンパク質、ビタミン類、ミネラル類などの栄養成分や、ラクトフェリンやオリゴ糖、ムチン、リゾチームなどの免疫物質が含まれていて、赤ちゃんの健康や成長をサポートしています。

これらの母乳に含まれる栄養と免疫物質は、母乳が出る限りなくなることはありません。というのも母乳は、ママが食べたものが栄養となって血液になり、豊富な栄養を維持したまま母乳へと変わるからです。ただし、赤ちゃんの成長に伴い必要な栄養成分は変わってきます。それに従い母乳に含まれる成分の割合も変わることがあります。

母乳の量はいつまで増える?

赤ちゃんがママの乳首を吸うと、ママの脳内で母乳を作るホルモン「プロラクチン」と、母乳を噴出させるホルモン「オキシトシン」が分泌されます。この2つのホルモンは、赤ちゃんに乳首を吸われることが刺激となり分泌されるので、赤ちゃんに乳首を吸わせるのをやめるまで、母乳は出続けます。

母乳はいつまで必要?

母乳はいつまで必要なのかというと、「1日3回離乳食をしっかり食べるようになるまで」が目安です。赤ちゃんは離乳食がはじまるまでは栄養を母乳から摂取していますが、離乳食を3食食べるようになると、食べ物から栄養を摂るようになるからです。ですので、5〜6ヶ月頃から離乳食を始めて順調に食べられる食材や量が増えていくようなら、1日3回の離乳食をしっかり食べるようになるころには、栄養学的には母乳は必要なくなるでしょう。

3回食を食べる時期になると活動も活発になる頃なので、色々な刺激を受けて過ごします。その頃になると、母乳は赤ちゃんの心の栄養へと変化していきます。

3時間おきの授乳は離乳食がはじまるまで

3時間おきの授乳がいつまで続くのかは、赤ちゃんによってまちまちです。一般的には、離乳食がはじまる5〜6ヶ月ころから、徐々に授乳間隔が開いていくといわれています。

離乳食後の母乳は赤ちゃんが欲しがらなくなるまで

離乳食がスタートしても、授乳はしばらく続きます。基本的には、離乳食後の母乳は、欲しがるだけ与えるようにします。離乳食が1日3回食になる生後9ヶ月ごろになって、母乳を欲しがらないようなら与えなくても問題ありません。母乳を欲しがらないようになったら、食後は湯冷ましなどで水分補給するとよいでしょう。

しかし、まだ量的に十分な食事量を食べていないようなら、母乳かミルクで栄養補給が必要です。9から11ヶ月頃の授乳(母乳やミルク)と離乳食の栄養の割合は、授乳40%、離乳食60%ほどとされています。参考にしてみてくださいね。

母乳とミルク混合の場合、母乳は離乳食が1日3回食になるまで

混合育児で母乳を与えるのはいつまでという目安はありません。混合育児からミルクだけに切り替える場合は「母乳の出が悪い」「そろそろ母乳を終わりにしたいという母親の思い」などを目安にするとよいでしょう。

また、完全に断乳する場合には、離乳食が1日3回食になっていて、コップやストローで水分補給ができるようになっていれば、断乳しても問題ありませんが、3回食をしっかりと食べていて食べられる食材も順調に増えていることを確認しましょう。もっと母乳を与えたいと思っているようなら与えても問題ありませんので、安心してください。

ママにアンケート!母乳をいつまであげましたか?

子どものいるママパパに「母乳をいつまであげましたか?」という質問をアンケートで聞いてみました。その結果をご紹介していきます。

先輩ママにアンケート!「いつまで母乳をあげていましたか?」

いちばん多かったのは「1歳~1歳半」

いちばん多かった回答は、「1歳〜1歳半」でした。これは、全体の39.6%の人の回答です。

アンケートによると、「食べ物から栄養をとることができるようになったから」いう理由が大きいようです。そのほか、「本格的に仕事に復帰するタイミングだったから」「栄養的には問題なかったけれど、精神的に離乳がなかなかできず、ようやく1歳半でできた」などがありました。

2番目に多かったのが「6ヶ月~1歳」

全体の23.9%の人が「6ヶ月〜1歳」と回答し、2番目に多い結果となりました。多くの回答で見られたのが、「1歳をひとつの区切りと考えている」ということでした。たとえば、「仕事の復帰が、子供が1歳になるタイミングだったので、その前の11ヶ月にやめました」「次の子どもを妊娠したいと考えているので、1歳で」という声が聞かれました。

3番目に多かったのが「1歳半~2歳」

3番目に多かったのは「1歳半〜2歳」で、全体の14.2%の人がこの時期という回答でした。この時期にやめた理由は「おっぱいへの執着が強くなってきたのを感じたので、1歳8ヶ月でやめました」「夜中に起きるのが辛くなってきたので…」などです。

「2歳以上」や「6カ月未満」という回答も

1〜3位には入りませんでしたが、「2歳以上」や「6カ月未満」にやめたという回答もありました。

「2歳以上」と回答した人のなかには、「母乳を続けると免疫力もついて良いと聞いたから」「母乳をあげることで、自分も赤ちゃんも心が安定する気がしたから」「自分がやめたいと思ったのが、子供が2歳を超えてからだった」などの回答がありました。これらの回答から、ママ自らの考えで授乳を続ける、やめるのを決めていたことが伺えます。

「6カ月未満」と回答した人の声には「母乳があまり出なかったので、3ヶ月でやめざるを得なかった」「体調を崩し、全く授乳はできなかった」「仕事へ早期復帰する予定だったので、日中の乳腺トラブルを防ぐために早めにやめた」など、母乳の出具合や体の不調、仕事復帰などを理由にあげる人が多くいらっしゃいました。

卒乳や断乳後、母乳はいつまで出るものなの?

個人差はありますが、卒乳や断乳後から2~3週間くらいで母乳は出なくなるのが一般的です。断乳後3ヶ月ほどたっても母乳が出続ける場合はホルモン状態が心配ですので、受診を考慮してください。ちなみに、卒乳や断乳をせず、授乳を続ける限り母乳は出ます。

卒乳のタイミングや断乳ケア方法

「卒乳はいつごろすればいいの?」「断乳後のおっぱいのケアは必要?」などの疑問にお答えします。

卒乳はママのタイミングで

卒乳はいつ、という決まりはありません。「そろそろ卒乳かな?」とママが思ったタイミングでよいでしょう。ただし、頻回授乳のタイミングで「卒乳」をしてしまうと、赤ちゃんにストレスがかかったり、ママの乳房にトラブルが生じる場合もあります。ですので、授乳回数を徐々に減らしていって、卒乳するようにしましょう。

卒乳したいけど、なにからはじめたらよいかわからない…というママには、こちらの記事がおすすめです。卒乳計画や卒乳後のおっぱいケアなどを解説しています。

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記事監修

Kawai
助産師・看護師
河井恵美

看護師・助産師の免許取得後、大学病院、市民病院、個人病院等に勤務。様々な診療科を経験し、看護師教育や思春期教育にも関わる。青年海外協力隊として海外に赴任後、国際保健を学ぶために兵庫県立大学看護学研究科修士課程に進学・修了。現在はシンガポールの産婦人科に勤務、日本人の妊産婦をサポートをしている。また、助産師25年以上の経験を活かし、オンラインサービス「エミリオット助産院」を開設、様々な相談を受け付けている。

エミリオット助産院

文・構成/HugKum編集部

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