【味噌の保存方法】|常温・冷蔵・冷凍の正しい保存法と最後までおいしく使う方法

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温かいお味噌汁があれば一日の疲れもホッと一息、休まります。今回は私達の食卓に欠かせない味噌の保存について、詳しく見ていきましょう。

味噌の保存期間

常備する調味料なだけに、いつのものなのか、わからなくなってしまうこともある味噌。安心して食べられるのはどれくらいなのか、保存期間についてみていきましょう。

味噌は保存食

味噌の保存は常温で2〜3ヶ月、冷蔵庫、冷凍庫で1年と言われています。味噌はそもそも保存食なので開封してすぐに腐ってしまうようなことはありません。むしろ味わいが増してくる発酵食品です。

加工された味噌は注意

一つ注意が必要なのは、「だし入り味噌」「減塩味噌」はこの保存期間にはあてはまりません。「木の芽味噌」などの加工食品も同じ扱いです。カビや変質がおこりやすいので、賞味期限に関わらず開封後はなるべく早いうちに食べてください。

正しい保存方法は?

味噌は伝統的な作り方で先人から伝わる調味料です。もともとはどんな保存がされていたのでしょうか。


季節と共に変わる味

味噌とは、つぶした煮大豆に麹と塩を混ぜ、発酵・熟成をさせたものです。古来から薬としても扱われ、江戸時代には庶民の食べ物として普及しました。
もちろんその頃に冷蔵庫はありません。「寒仕込み(かんじこみ)」といって、寒い季節に一年分を仕込み熟成させます。その後また1年かけて食べ、毎年更新を繰り返すサイクルが一般的だったようです。

家屋の北側に暗く涼しい部屋を造り、漬物と味噌を保存して季節のめぐりと共に味の変化を味わいました。

梅雨はカビの発生に注意

味噌は湿気を嫌います。梅雨になるとカビに気をつけ、毎日何度でも味噌樽をのぞくようにして、大切に管理していたのもこの頃です。

こうして熟成した味噌は大豆由来のタンパク質と貴重な塩分で家族の健康を支えました。今でも自慢することを「手前味噌」なんて言葉で表しますが、それだけ家の自慢にもなったということがわかります。

 現代の保存事情

江戸の時代と今とでは、味噌の保存事情もまるで違います。

パック入りの味噌を買った場合は、そのままで保存してください。タッパーへ移し替える際に新しい空気にふれるのは発酵が進む結果につながります。味噌の発酵は、冷やすとゆるやかになりますが、まったく進まないわけではありません。

味噌の上にかぶせてあるシートも乾燥防止のため、そのまま最後まで残します。シートがなければラップでもかまいません。できるだけ空気にふれることがないようにピッタリと覆うのがコツです。できれば使うたびにならして平らになるよう気をつけると、さらに良いでしょう
なお、シートと一緒に入っている脱酸素材は、開封後に効果がなくなるので捨ててください。

常温・冷蔵・冷凍保存のポイント

現代に生きる私たちは常温だけでなく冷蔵庫で保存することもできます。詳しく見ていきましょう。

常温

直射日光に当たらず、1年を通して比較的温度差のない保存場所を挙げるとすればシンク下の冷暗所でしょうか。扉の開閉を繰り返すことで空気の出入りも頻繁で湿気を逃がしてくれます。

注意が必要なのは、重い蓋か密閉できる蓋で虫の侵入を防ぐことです。記事の後半で保存容器の紹介をするのでそちらも参考にしてみてください。

 冷蔵

年間を通して安定した温度の冷蔵庫も、良い保管場所です。ただし、乾燥には気をつけてください。案外冷蔵庫の中は冷風によって乾いているものです。味噌の表面を覆うシートは必須です。

手作り味噌も、これ以上発酵を進めたくない時は冷蔵庫へ入れることで、発酵がゆっくりになります。

冷凍

意外にも味噌は冷凍庫に入れても凍らず、解凍もせずそのまま使うことができます。冷蔵庫は食材を詰め込みすぎると保冷効率が悪くなりますが、冷凍庫は逆に詰め込むことで温度が安定し、保冷されます。冷蔵庫が一杯でお困りの方は冷凍庫でOKです。

頻繁に保存環境を変えると劣化につながるので、一度冷凍庫に入れたら使い切るまでそのまま保管しましょう。

 最後までおいしく使う方法

種類の異なる味噌を一つの容器に入れても問題はありません。それどころか使う頻度の少ない味噌でも、たびたび目に止まることで使うアイデアが浮かぶものです。普段の味にちょっと足してみたり、今まで試したことのない味にチャレンジしてみたりと、幅が広がるかもしれません。

大きな震災があった時に心の慰めになったのが、生の味噌を塗ったおにぎりだった、という話を聞きました。質素なお弁当でも、保存されていた味噌を少し塗るだけで食事らしく感じたそうです。保存食である味噌の底力ですね。

おしゃれな保存容器のおすすめ

日常的に使う味噌なので、どうせなら使いやすく見た目もおしゃれな保存容器に入れて使いましょう。おすすめの容器をご紹介します。

山崎実業 みそパックごと収納ハンドル付き密閉フードコンテナ

取っ手付きでスッキリとしたデザインの山崎実業(tower)のみそ収納。市販のみそを詰め替えてもパックや袋ごとでも収納できます。密閉バルブ付きで風味を落とさず保存でき、みそ以外に作り置きの保存にも便利です。冷凍、冷蔵、電子レンジや食洗器にも対応。

富士ホーロー 角型みそポット

手持ち用の取っ手があるので冷蔵庫からの出し入れがしやすいです。買ってきたパックがそのまま入るところも秀逸ですね。

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色が変わった味噌のおすすめ料理

味噌は発酵が進むと色が黒く変わってきます。食べても問題はありませんが、気になるようでしたら漬け床として使うのはいかがでしょうか。

 豚肉の味噌漬け

味噌とみりんと砂糖を4:2:1の割合で混ぜます。豚肉全体にこれを塗ってからラップで包み、1時間程度なじませます。

焼く時は余分な味噌をこそげ落としてから弱めに焼きましょう。焦げやすいので蓋をして蒸し焼きの要領で火を通します。

馴染み深い味噌の味

海外から入国した日本の空港で感じるのは味噌の香り、と言われるように、味噌は私達にとって馴染み深い日々の味わいです。伝統の製法は生活から薄れつつありますが、保存を見直しておいしくいただきたいところですね。

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文・構成/もぱ(京都メディアライン)
撮影/京都メディアライン(一部を除く) 

 

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