季節を感じさせてくれる二十四節気を子供にも伝えたい
二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、お子さんと一緒に季節の巡りを感じるひとときを。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
今日10月8日は、二十四節気のなかの、寒露の日です。
【寒露】秋が深まり、露が冷気によって凍りそうになる頃。気がつくと、虫たちの声はいつの間にか静かになっていて、もうじき寒い季節がやってくるのだなと感じる時季。
変わりゆく月の形を愛でる「お月見」を楽しみましょう
日本人は昔から月に対して親しみを抱いています。月の満ち欠けを暦にした時代が長かったこと、そして最古の物語といわれているのが竹取物語だということだけでも、月という天体がどれだけ日本人の暮らしに身近なものだったのかということがわかります。
まるいお月様だけでなく、三日月、十六夜、二十三夜、有明月、そして見えない時の無月まで。いろいろな月の形を愛でることを楽しみとしました。変わりゆくものに寄り添い愛する。そんな文化を私たちは持っているのですね。ちなみに、月見団子は月の形に見立てた団子に月のパワーが宿るようにと、月の光が直接あたるところにお供えしていただきます。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
小学館 定価1400円+税
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
写真/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神崎典子