季節を感じさせる二十四節気を子供にも伝えたい
二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
10月23日は二十四節気「霜降」です
霜降 そうこう
「霜が降りる」という意味。紅葉前線が降りてきて、旬を迎えた秋の食べ物が美味しい頃です。道を歩くと野菊があちらこちらで咲き始め、もうじき秋が終わるよと伝えてくれます。
子供と一緒に作るかわいいおやつ
サツマイモの茶きん絞りで秋をいただく
サツマイモは昔から救荒作物として、江戸時代はから人々を救い、戦争中にはかんたんに栽培できる主食として大切な役割を担っていました。
掘りたてのときの紫色は自然のものとは思えない鮮やかさ。ふかしただけでも甘みがあっておいしいのですが、水あめをからめた大学イモや、ふかして1㎝ほどの薄さに切り、お日さまに干したイモもおなかにたまるよいおやつになります。
手軽で華やかなのが茶きん絞り。ふかして皮をむき熱いうちにつぶし、お好みのはちみつや砂糖を加えて練る。ねっとりとしたら、ぬれ布きんで包んでぎゅっと絞る。そっと開けば、かわいらしい茶きん絞りのでき上がりです。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
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小学館 定価1400円+税
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神崎典子