季節を感じる二十四節気を子供にも伝えたい
二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
今日1月6日は二十四節気「小寒」です
小寒(しょうかん)
寒い日々に入るという意味から「寒の入り」ともいう、一年で最も寒いと感じる時季の始まりです。この日からいちばん寒い「大寒」まで約15日。この寒さを利用して早朝や夜に行う剣道や柔道・舞などの「寒稽古」は、心も強くしてくれます。辛いけれど、冬のきりりとした清々しさを知ることができ、“風の子”の子供たちは、意外とうれしそうです。
この時季その土地で採れる若菜で「七草がゆ」を作ります
1月7日は人日の節句で、七草がゆをいただく日。若菜を摘んで食し邪気払いする日本の古い風習と、中国の節句が融合したのが由来です。暦のずれのせいもあり、この時季、七草を探しても全種類がそろうにはちょっと早く、実際に採取できるのは、ハコベ、スズナ、スズシロぐらいでしょうか。
昔から地域によって七草がゆに入れるものは違っていたようですし、若菜摘みの原点を考えれば、その時季その土地で採れる若菜で七草がゆを作ってかまわないのだと思います。本来は新芽の力をいただくというのが目的で、七草がないとできないということではないからです。もっと気軽にそのとき採れる若草の力をいただきましょう。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
『おいしい暮らし歳時記 口福だより』(小学館)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09388359
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神﨑典子