学校の授業で取り上げられたり、企業が取り組みを進めていたり、テレビ番組でも取り上げられるなど、最近いろいろなところで見かける「SDGs(エスディージーズ)」。難しそうに聞こえるかもしれませんが、遊びながら、子どもも大人もSDGsについて学べるカードゲームがあります。
今回は、SDGsとは何か、SDGsが学べるカードゲーム、遊び方、購入方法などを紹介します。さらに、おすすめのSDGsカードゲームも取り上げます。
目次
SDGsをカードゲームで体験しよう!
SDGsは、今もっとも注目されているキーワードです。小学校や中学校の授業で取り上げられたり、企業の取り組みが紹介されたり、最近ではテレビのバラエティ番組などにも登場しているので、見たり、聞いたりしたことがあるはず。
でも「SDGs」と聞いても、何のことなのかピンとこないし、よくわからないという方もおられるかもしれません。そんな方には、SDGsのカードゲームがおすすめです。子どもも大人も、遊びながらSDGsを理解していくことができます。
SDGsとは?
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の略です。2015年の国連サミットで採択されたもので、国連に加盟するすべての国(193か国)が、2030年までに達成するべき目標が定められています。
目標は全部で17あり、平等で平和な社会の構築や環境保全に関わることが並べられています。詳細については下記の記事で紹介します。
SDGsが学べるカードゲームとは?
SDGsは、17の目標が設定されていて、なぜSDGsが定められたのか、SDGsの目標はどのようにして達成すればよいのか、一人ひとりが具体的に考えることは難しいかもしれません。
そんなときにおすすめなのがSDGsについて学べるカードゲームです。
カードゲームの狙い・目的
SDGsが注目されるなか、「そもそもSDGsがなぜ必要なのか」「それを達成するとどんな変化が生まれるのか」「自分たちはどんなことができるのか」を理解していくことが、私たちには求められています。
SDGsという言葉を聞いたことがない人や興味を持っていない人でも、ゲームをしながらSDGsの本質について理解することができるようになる。それがSDGsカードゲームの狙い・目的です。
特徴
各プレイヤーが住民や行政の担当者になり、それぞれが住む地域を良くしていくために、予算や時間を使ってさまざまなプロジェクトを考え、ゴールを目指します。
ゲームにかかる時間は1~2時間とやや長め。しかし、プロジェクトの目的や、なぜそれを行うかなどを考えながらゲームをすることに意味があります。ゲーム終了後には振り返る時間を作ることをおすすめします。
遊び方
ゲームの種類によって、数人程度の少人数のグループでできるものや、数十人程度の大人数でできるものもあり、家族や友だち同士はもちろん、授業で使うこともできます。
SDGsカードゲームの遊び方
では具体的にSDGsカードゲームは、どうやって遊ぶのかを見ていきましょう。ここでは一般社団法人イマココラボが開発したカードゲーム「2030 SDGs」を取り上げます。
個人目標
各プレイヤーには個人目標として「大いなる富」「悠々自適」「貧困撲滅」「環境保護」「人間賛歌」の5種類が用意されており、最初に5つのうちのどれかが目標として与えられます。
「大いなる富」なら「ゲーム終了時に1200M以上の富を持っていること」というように、それぞれにゴールの条件が決まっており、この目標達成を目指します。
プロジェクト
次にプレイヤーには、「プロジェクト」のカードが与えられます。プロジェクトには、「交通インフラの整備」などさまざまな種類があり、それぞれに必要なお金と時間が明記されています。
例えば「交通インフラの整備」なら、500のお金と3の時間が必要となりますが、達成すると1000のお金と1の時間がもらえます。
プロジェクトで「世界の状況メーターの変化」が変化
各プロジェクトには「世界の状況メーターの変化」という項目があり、経済・環境・社会の3つの視点から、そのプロジェクトが世界に与える変化が記されています。
例えば「交通インフラの整備」は、「経済:+1、環境:-1、社会:変化無し」となっています。そして全プレイヤーの「世界の状況メーターの変化」を合計して、プレイヤー全員が作り出す世界の変化を見ていきます。
「世界の状況メーターの変化」を考慮しながら個人の目標達成を目指す
各プレイヤーは個人目標の達成を目指しますが、自分の目標だけを追求すると、「世界の状況メーターの変化」がマイナスに進んでしまう可能性があります。
各プレイヤーがお互いに連携したり、交渉したりしながら、世界の状況の変化を考えつつ、個人目標の達成を目指していきます。
SDGsカードゲームのファシリテーターとは?
「ファシリテーター」とは会議や議論の場で司会進行を行う人のことを言います。ゲームではプレイヤーがバラバラに考え、行動することを話し合いで調整したり、長期的に同じ方向を目指すようにするなどの役割があります。
遊び方を紹介した「2030 SDGs」は、たんにカードゲームをプレイするだけでなく、カードゲームの内容を振り返ってSDGsへの理解を深めたり、実際の仕事に生かすことを考えたりします。そうした全体の取りまとめ、進行をファシリテーターが行っていきます。
役割
SDGsカードゲームでは個人目標の達成を目指すプレイヤーたちの意見がまとまらなかったり、やりたいことが衝突することがあります。その際、それぞれ意見を引き出したり、アクションがうまく起こせないプレイヤーがいれば、その原因や理由を聞き出して次のステップに導いたりします。
向いている人
SDGsカードゲームのファシリテーターに向いているのは、SDGsへの理解や興味がある人や、SDGs達成への明確な想いを持っている人です。
一方、自分の意思ではなく誰かにファシリテーターになるよう指示された人や、SDGs自体に興味がない方はファシリテーターには向いていません。
ファシリテーターになる方法
SDGsカードゲームはファシリテーターが重要な役割を担います。もちろん手軽にプレイできるゲームもありますが、「2030 SDGs」は現在は誰でもプレイできるわけではなく、ファシリテーター養成講座を受講した人だけがゲームを利用できます。「2030 SDGs」のファシリテーターになるには、公認ファシリテーター養成講座を受講する必要があります。
SDGsカードゲームの購入方法
SDGsカードゲームの販売場所や購入方法についてチェックしてみましょう。
どこで販売されている?
一部のゲームはイベント型で、体験イベント会場などで参加できるスタイルになっていますが、オンラインで販売されているSDGsカードゲームもあります。
ダウンロード
オンラインでダウンロードしてゲームに参加できるものもあります。無料で公開されているゲームもあります。
無料でプレイできる
多くは誰でも無料でプレイできます。
SDGsカードゲームのおすすめ
おすすめのSDGsカードゲームをご紹介します。
「2030 SDGs」
「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」は、SDGsの17の目標を達成するために、現在から2030年までの道のりを体験するゲーム。参加人数は最小5人〜50人程度ですが、最大で200人程度まで同時プレイできるようになっています。
「SDGs de 地方創生」
「SDGs de 地方創生」は、SDGsを地域活性化に活かし、地方創生を実現する方法を対話し、考えていくゲームです。日本の自治体の具体的なアクションをカードの題材に取り入れてあり、地方創生がうまくいっている自治体と、うまくいかない自治体の違いなどについて、考えることができます。
「SDGs アウトサイドイン・カードゲーム」
「SDGs アウトサイドイン・カードゲーム」は、企業に焦点をあて、企業の課題をSDGsの考え方や視点を生かしながらどう解決していくかなどを考えていくゲームです。
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」
「THE SDGs アクションカードゲーム X(クロス)」は、金沢工業大学の学生プロジェクトが中心となって開発したカードゲーム。ダウンロードすれば誰でも、無料で楽しめます。1台の端末で3~4人でプレイするのがおすすめですが、1人でプレイすることもできます。
THE SDGs アクションカードゲーム X ダウンロード(Google Play)
「笑下村塾SDGsババ抜きカード」
笑下村塾は、社会問題を「お笑い」で楽しく伝えるために、お笑い芸人のたかまつななさんが設立した会社。「笑下村塾SDGsババ抜きカード」は、誰もが知っている「ババ抜き」と同じようなルールで、SDGsの17の目標やアクションについて理解することができます。2人からプレイ可能、おすすめは5~6人でのプレイです。小学生から大人まで楽しめます。
ゲームを通してSDGsを学ぼう
世界にはさまざまな考え方や価値観を持った人がいます。私たちが住む社会や世界をより良いものにしていくためには、お互いに協力することが欠かせません。
SDGsカードゲームは、SDGsへの理解を深めながら、意見を出し合うこと、協力することの大切さをゲームを通して体感できます。子どもも大人も楽しみながらSDGsについて知り、理解する機会になります。これまでHugKumで取り上げてきたSDGsの記事は、以下で見ることができます。
文・構成/HugKum編集部