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「教育の国際デー」ってどんな日?
国際連合(以下:国連)が制定する「教育の国際デー」は2018年に採決された新しい記念日です。英語表記は「International Day of Education」。日本語では「国際教育デー」と表記されることもあります。
教育の重要性を国際社会に訴える「教育の国際デー」は、国連が掲げている「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」、いわゆるSDGsとの関りも深いようです。
2021年の「教育の国際デー」はいつ?
まだ、なじみの浅い制定されたばかりの教育の国際デーですが、そもそも、どの日に祝う記念日なのでしょうか? まずは2021年における教育の国際デーの日付と曜日を確認してみましょう。
2022年の「教育の国際デー」は1月24日月曜日
教育の国際デーは毎年「1月24日」に定められています。2022年1月24日は月曜日となります。過去3年と今後3年の曜日は、以下の通りです。
2019年1月24日木曜日
2020年1月24日金曜日
2021年1月24日日曜日
2023年1月24日火曜日
2024年1月24日水曜日
2025年1月24日金曜日
「教育の国際デー」とは?
「教育の国際デー」は、どのような意図と経緯で制定されたのでしょうか? ここでは「教育の国際デー」の目的・歴史・由来をわかりやすく解説します。教育はSDGs(持続可能な開発目標)の17の目標の1つにもあげられています。
目的
教育は、健全な社会を築き、維持するための基礎となるもので、基本的人権はもちろん、平和や人類の発展に欠かせないものです。また、貧困や飢餓、暴力や差別、男女の不平等、環境問題や地球温暖化など、私たちが抱えるさまざまな問題の解決につながるものです。
「教育の国際デー」は、教育の重要性を国際社会に訴えることを目的に制定されました。この記念日を機会に、教育に携わるすべての人たちが、教育の重要性をアピールする取り組みに力を入れることの必要性が改めて強調されています。
歴史
「教育の国際デー」は、まだ歴史が浅い記念日です。2015年、国連はSDGs(持続可能な開発目標)を採択。SDGsとは、世界が2030年までに達成を目指す17の目標で、169の達成基準と232の指標から構成されています。
その中で教育は、目標4の「すべての人々に包摂的で公平な質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」に定められています。この目標達成に向け、国連は2018年に、平和と発展のために必要な教育の役割を称える国際デーを制定。翌2019年1月24日、第1回目となる「教育の国際デー」が祝われました。
由来
「教育の国際デー」が定められた背景には、国際社会が抱える教育にまつわる問題があります。世界では、初等教育の年齢の子どもの9%にあたる約6400万人、中学校の年齢の16%にあたる約6100万人、高校の年齢の36%にあたる約1億3800万人が学校に通うことができていません。
また2016年時点で、女の子が中学校に通っている国は54%に過ぎません。高校にいたっては22%しかなく、教育での男女平等は、ほど遠い現実が露呈しています。特に、内戦などの危機的な状況下では、子どもたちの教育を受ける権利が侵害されています。
「教育の国際デー」の日本の取り組み
2018年に制定された「教育の国際デー」。日本では、どのような活動がおこなわれているでしょうか?「教育の国際デー」に関連する日本の取り組みを見ていきましょう。
30年以上続く「世界寺小屋運動」
1948年に設立された「日本ユネスコ協会連盟」は、「教育を通じた平和の普及」を目指す国際NGOです。その代表的な活動のひとつに「世界寺小屋運動」があります。
年齢、宗教、性別にかかわらず、誰もが教育の機会を得て、貧困の悪循環から抜け出し、自ら考え、行動していけるようにとの思いから1989年以降、30年以上続いている国際的な教育普及活動です。
ユネスコスクールによるグローバルイベントの参
世界182か国11,500 校以上が参加している「ユネスコスクール」は、「国連教育科学文化機関(以下:ユネスコ)」が認定する学校の国際ネットワークです。正式名称は「Associated Schools Project Network(以下:ASPnet)」。日本では、ASPnetへの加盟が承認された学校をユネスコスクールと呼んでいます。
2021年の「教育の国際デー」では、ユネスコが「新型コロナウイルス世代の教育を回復し、復興させよう」をテーマにしたグローバルイベントを開催。日本からは1,100を超える承認校が参加しました。
「教育の国際デー」の海外の取り組み
1月24日の「教育の国際デー」には、世界各地でもさまざまな活動が展開されています。
「教育の国際デー」を祝うメッセージを発信
「教育の国際デー」には、国連をはじめとする国際機関からメッセージが発信されます。2021年には、国連のアントニオ・グテーレス事務総長やユネスコのオードレ・アズレイ事務局長がユーチューブなどを活用してメッセージを発信。国際的な教育の普及の重要性を訴え、世界中の教育に携わる関係者の努力と成果に敬意を表しました。
無料オンラインイベントの開催
2021年の「教育の国際デー」では、ユネスコや「学際的研究センター(CRI)」など、いろいろな国際教育機関が協力した無料オンラインイベントが開催されました。ニューヨークの国連本部で、「ヒーローについて学ぶ」「イノベーション」「資金調整」と3つの主要テーマにそって、さまざまなプログラムがおこなわれました。
世界各国のイベント
「教育の国際デー」にあわせたイベントは、世界各国でもおこなわれています。アメリカでは「グローバルミネソタ」と題したシンポジウムを、中国では、中国国際交流教育協会と北京師範大学が共催したイベントが開催されました。インドでは、ユネスコニューデリー主催の祝賀会、その他、エジプトやフィリピン、ヨーロッパなどでも教育をテーマにしたフォーラムが開催されました。
「教育の国際デー」に、わたしたちができること
「教育の国際デー」を迎えるにあたり、わたしたち一人ひとりには何ができるでしょうか?「教育の国際デー」に協力・支援できる身近な活動方法を紹介します。
世界が抱える教育課題を知る
まず「教育の国際デー」に何ができるかを考えるため、世界が抱えている教育の問題や課題を学びましょう。世界中では、約3億3,000万人子どもたちがさまざな理由から学校に通えていないこと、8億人近い人々が文字を読み書きできないこと。その他にも教育をめぐる問題は数多く存在します。「教育の国際デー」が持つ意味の重要性を理解することができるはずです。
SNSで啓発・広報活動
2018年に制定されたばかりの「教育の国際デー」をまわりに広めるために、SNSを活用することができます。1月24日にあわせて、教育について、自分なりのメッセージを発信してみましょう。
募金や寄付で支援
世界の教育課題を解決するため、国内外ではユニセフをはじめとするさまざまな組織が活動を続けています。そうした活動を支援するため、各団体に募金や寄付をおこなうことも、わたしたちにできることのひとつです。
教育の重要性を知り、考え、行動する
「教育の国際デー」は、毎年1月24日です。世界の平和と人類の発展のために重要な教育の役割を祝う記念日として制定されました。日本を含め、世界にはまだ教育にまつわる問題が数多く存在しています。
さらに、世界的な新型コロナウイルス感染拡大で、教育現場はさらに困難な状況を迎えています。教育の問題は、子どもたちの未来に直結する大切な問題です。制定されて間もない新しい記念日だからこそ、わたしたち一人ひとりが「教育の国際デー」の重要性と意味を知り、考え、行動していきましょう。
文・構成/HugKum編集部