干し芋の栄養成分
干し芋は、とても栄養価が高い食材です。まず干し芋のカロリーや主な栄養成分を確認しましょう。
カロリー
食品成分データベース(文部科学省)によると、干し芋(同データベースでは「さつまいも/蒸し切干」)のカロリーは100gあたり277kcal。
同じ100gのさつまいも(皮なし/生)は126kcal、蒸したさつまいも(皮なし/蒸し)は131kcalなので、干し芋はカロリーが高くなっています。市販されている干し芋1枚あたりのカロリーは、80~100kcal程度になります。
食物繊維
さつまいもは食物繊維が豊富な野菜として知られています。そのため、干し芋に含まれる食物繊維はとても豊富で、100gあたり5.9gあります。
茹でたごぼう100gに含まれる食物繊維が6.1gなので、同じくらいの食物繊維が干し芋に含まれています。しかも水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の両方が含まれており、腸内環境を整える効果が期待できます。
糖質
干し芋は糖質が多いため、食べ過ぎるとダイエットには良くありません。ただし、干し芋は糖質は多いものの、体内で血糖値を上昇させるスピードを表す「GI値」は、他の芋類より低めです。GI値の観点からみると、干し芋は糖分がゆっくりと吸収されていく食材と言えます。
ビタミンC
干し芋には、ビタミンCがたっぷり含まれています。ビタミンCは抵抗力を高める働きがあり、風邪やウイルスに対して抵抗力のある体を作ってくれます。
ビタミンE
ビタミンCとあわせて、ビタミンEもたくさん含んでいます。ビタミンEは「若返りのビタミン」と言われているように、細胞の老化防止に役立ちます。ビタミンEが体内で不足すると、シミができたり、血行不良になったりします。
カリウム
干し芋にはカリウム・ミネラルも豊富で、特に注目したいのはカリウムです。カリウムは、ナトリウムとともに、体内の水分調整にかかわる成分。汗や尿としてナトリウムを排出する働きがあり、むくみの解消につながります。
【子ども編】干し芋のメリット
干し芋にはさまざまな栄養が含まれており、特に「子どものおやつにピッタリ」などと言われています。具体的にどんなメリットがあるのでしょうか?
子どもに不足しがちな栄養をカバー
子どもに不足しがちな栄養として、鉄分やビタミンB群があります。干し芋は鉄分とビタミンB群のどちらも豊富なため、干し芋を食べることで子どもの鉄欠乏貧血やビタミンB群の欠乏の予防につながります。さらに食物繊維やビタミン、ミネラルをバランスよく含んでいる干し芋は、育ち盛りの子どもに最適な食べ物です。
丈夫な骨・歯を作るカルシウムなどもいっぱい
干し芋に含まれるミネラルには、鉄のほかに、カルシウム、リン、マグネシウム、カリウムがあります。カルシウムとリンは、骨や歯をつくるために必要な栄養成分。成長期の子どもにとって、丈夫な骨や歯を作るために、干し芋はおすすめの食材です。
無添加のおやつ
市販されているお菓子や食品には、多くの場合、保存料や着色料といった添加物が使われています。子どものおやつには、添加物はできるだけ避けたいと考えるママパパは多いでしょう。その点、干し芋は市販品でも添加物が使われているケースは少なく、純粋にさつまいもだけで作られているものがほとんどです。
【ママ編】干し芋のメリット
干し芋はママのおやつにも最適。女性にうれしいメリットがたくさん期待できます。
貧血予防
毎月生理がやってくる女性にとって、鉄分の摂取は大切なことです。干し芋にはたくさんの鉄分が含まれているため、鉄分不足を予防することができます。鉄分不足による貧血や低血圧の予防にもつながります。
アンチエイジング
干し芋は、美容に欠かせないビタミンCも豊富です。ビタミンCは、体内で発生した活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があり、アンチエイジングにつながります。またビタミンCはコラーゲンを作る際に役立つ栄養成分なので、 美肌や美白効果なども期待できます。
冷え症改善
土の中で育つ野菜は、体を温めると言われており、薬膳では、体を温める食材を「陽」、体を冷やす食材を「陰」と分類しています。つまり、さつまいもは「陽」の食材。干し芋を積極的に食べることで、女性に多い冷え症の改善効果が期待できます。
おやつにぴったり! 干し芋の食べ方
干し芋はそのまま食べるほか、温めるなど、ひと手間加えることで、さらにおいしく味わうことができます。
電子レンジで温める
干し芋をそのまま食べたとき、硬いと感じることがあるかもしれません。そんなときは、電子レンジで軽く温めてみてください。20~30秒くらい温めると、干し芋はやわらかくなり、食べやすくなります。電子レンジ対応の皿に干し芋をおき、ラップをふんわりかけて、電子レンジで温めるとよいでしょう。
オーブントースターで焼く
オーブントースターで軽く焼いてもOK! 少し焦げ目がつくまで焼くと、さつまいも独特のホクホクした食感や香ばしさを楽しむことができます。
半解凍にする
冷凍の干し芋は、解凍して食べるのが一般的ですが、半解凍の状態で食べると違う食感を楽しめます。半解凍の干し芋は、アイスのような不思議な食感です。
干し芋の簡単アレンジレシピ
干し芋にトッピングを加えるなど、ちょっとしたアレンジレシピをご紹介します。
干し芋のホットケーキ風
干し芋にバターとアイスをトッピングして、おしゃれなカフェ風に仕上げる一品。バターが溶けて、さつまいもの甘味がより引き立ちます。ホイップクリームやハチミツをプラスしてもいいですね。
◆材料
・干し芋
・バター
・アイスクリーム
◆作り方
1)干し芋を電子レンジまたはオーブントースターで温める
2)皿に干し芋をおき、バターとアイスクリームをのせる
干し芋ヨーグルト
ヨーグルトにドライフルーツを漬けこんで、柔らかくして食べる方法があります。それと同じように干し芋をヨーグルトに入れるのが、このレシピ。干し芋をヨーグルトに漬ける時間は、干し芋の種類や大きさにもよります。好みの柔らかさかどうか、ときどきチェックしてください。
◆材料
・干し芋
・ヨーグルト
◆作り方
1)干し芋をサイコロ型など、好みのサイズにカットする
2)ヨーグルトにカットした干し芋を入れる
3)干し芋が柔らかくなったら、ヨーグルトと一緒に食べる
干し芋のチョコディップ
チーズフォンデュのように、溶けたチョコレートにディップしながら干し芋を食べるレシピ。いつものおやつが、ちょっと楽しくなるアレンジです。
◆材料
・干し芋
・チョコレート
◆作り方
1)チョコレートを湯煎にかけて溶かす
2)干し芋をチョコレートにくぐらせて食べる
以下の記事では、子どもにおすすめの干し芋を紹介しています。
干し芋は子どもにもママにもおすすめ
干し芋は栄養たっぷりの優秀な食材で、子どものおやつとして、安心して食べさせることができます。さらに女性にうれしいメリットが多く、ママのおやつにもピッタリ。ただし、カロリーが高く、糖質が多く含まれているので、食べ過ぎには注意してください。
文・構成/HugKum編集部