醤油の基本知識
醤油の主な原料は「大豆」・「小麦」・「塩」です。麹菌や酵母の微生物が働き発酵する発酵食品。ひと口に醤油と言っても、醤油には数多くの種類がありますよね。その中でも「生(なま)醤油」は、テレビの宣伝でもよく耳にします。まずは「生(なま)醤油」と「生(き)醤油」の違いについてみていきましょう。
生(なま)醤油と生(き)醤油の違いとは?
・「生(なま)醤油」
「生(なま)醤油」は、火を入れないで作られた醤油のこと。通常の醤油は、麹から発酵・熟成したのちに圧搾され、火入れという作業があります。この火入れを行わずに作られたのが「生(なま)醤油」。火入れを行わないことで、まろやかな味わいになります。しかし、「生(なま)醤油」は、空気に触れると劣化しやすいため、保存容器は密封できるものが必要です。
・「生(き)醤油」
「生(き)醤油」は、もともと料理業界用語。原材料は大豆・小麦・塩のみで作られたもののみをいい、アルコールや砂糖、出汁が入っていないものと区別するために「生(き)醤油」といわれています。JASの規定では「生(き)醤油」の添加は塩のみ。添加物を気にされる方は「生(き)醤油」を選ぶと良いですね。
醤油は酸化するとどうなる?
醤油は酸化が進むと黒く変色します。開栓前は赤褐色だった醤油が、開封後には濃い色に変色していたことはありませんか? これは酸化によるもの。開栓すると醤油は空気に触れるため、酸化が起きて色が濃くなります。そして、それと同時に風味も落ちてしまうのです。また、直射日光が当たる場所や高温の場所も醤油の酸化を進めてしまうため、醤油を保存する際は冷暗所か冷蔵庫で保存しましょう。
醤油を保存する際のポイントは?
醤油は開栓前か開栓後かによって、適切な保存方法が変わってきます。まず、未開栓の醤油は常温保存で十分ですが、一度開栓した醤油については冷蔵保存が適切なんです。それは一度開栓した醤油は空気に触れると酸化が進み、風味が落ちるため。冷蔵庫で保存することで鮮度を保ち、酸化のスピードを抑えことが大切です。
冷蔵保存する方法
開栓後の醤油は冷蔵保存がおすすめです。すぐに使う分を別の保存容器に移すのもポイント。頻繁にフタを開け閉めすると空気に触れてしまいます。小分けして保存し、なるべく空気に触れないようにすることで、酸化のスピードをゆるめましょう。
手順
開栓後の醤油はすぐに使う分は別容器に移し、あとは冷蔵庫で保存しましょう。
保存期間
1か月ほどで使い切るのが理想的です。
常温保存する方法
未開栓の醤油は常温で保存でも可能です。直射日光が当たらない冷暗所で保存しましょう。
保存期間
未開栓のもので1年半保存が可能です。
醤油の保存におすすめの容器
醤油は酸化すると風味が落ちるため、空気に触れささないことがポイント。密閉できるものや、酸素を通さないガラス瓶の保存容器がおすすめです。
密閉調味料容器
耐熱ガラス調味料入れ
その他の調味料の保存方法一覧
普段使う調味料は醤油以外にもたくさんあります。それぞれ調味料ごとに適切な保存方法をチェックしていきましょう。
料理酒
アルコールなので基本的に腐ることはありません。未開封の場合は冷暗所での常温保存が可能。しかし、開封後は光や温度変化により劣化します。しっかりフタをして冷蔵保存しましょう。未開封の場合、約10か月~1年、開栓後は冷蔵保存で2か月を目処に使い切るようにしてください。
酢
酢は開封後も冷暗所で保存することが可能。酢は殺菌作用のある調味料です。すぐに腐ることはありません。しかし、酸化による風味の劣化はあります。夏場で気温が高い時は、冷蔵庫に入れて保存するとより風味を長持ちさせることができます。
みりん
みりんは「本みりん」と「みりん風調味料」で保存方法が変わります。「本みりん」はアルコールを多く含む保存性が高い調味料。そのため常温保存が可能です。また、冷蔵庫に入れると糖分が結晶化するため、「本みりん」は冷蔵庫に入れずに冷暗所で保存しましょう。一方で、「みりん風調味料」は、アルコール量が少なくなるため、開封後は冷蔵保存が必要です。
味噌
未開封のものであれば常温保存が可能です。開封後は冷蔵庫または冷凍庫で保存しましょう。使った後は表面にラップをし、密閉容器に入れておくと酸化や乾燥を防ぐことができます。また、冷凍保存も可能。冷凍しても固まらないため解凍の手間はありません。
醤油で自家製調味料を作ろう
醤油を使って自家製の調味料を作ってみませんか? 簡単に作れて、冷蔵庫で長く保存することができます。是非お試しください。
万能ニラ醤油
【材料(作りやすい量)】
- ニラ… 一束(100g)
- 醤油… 150cc
- みりん… 50cc
- ごま油… 大さじ1
- 鷹の爪… 1本
- 白ゴマ… 適量
【作り方】
※保存容器は煮沸消毒しておきましょう。
1、みりんはレンジで加熱し、アルコールを飛ばし、冷ましておきましょう。
2、ニラは洗って、よく水気を切り約5㎜幅に カット。鷹の爪は種を取り除き、細かく切ります。
2、あとは、保存容器に切ったニラを入れ、鷹の爪と、残りの材料すべて入れて混ぜるだけ。
3、蓋をして、冷蔵庫で保存してください。冷蔵保存で約1カ月保存できます。
冷奴にのせて食べたり、卵ご飯のお供に最適ですよ!
お店の味、自家製焼肉のタレ
【材料(作りやすい量)】
- 砂糖… 大さじ1
- みりん… 大さじ1
- 酒… 50ml
- ▲醤油… 250ミリ
- ▲おろしにんにく… 大さじ1
- ▲おろししょうが… 大さじ1
- ▲すりおろしりんご… 1/2
- ▲すりおろしたまねぎ…1/4
- ▲はちみつ… 大さじ1
- ごま油… 大さじ1
- 白ゴマ… 適量
【作り方】
※保存容器は煮沸消毒をしておきましょう。
1、鍋に酒とみりん、砂糖を入れ溶かします。
2、火を止め、2に▲の材料をすべて入れ、一度沸騰させます。煮立ったら弱火にし7〜8分煮ましょう。(煮立たせすぎると醤油の苦味が出てくるので注意してください)
3、最後にごま油と白ゴマを入れ混ぜて完成。粗熱がとれたら、保存容器に入れて冷蔵庫で保存しましょう。
醤油は開栓後は冷蔵保存が正解
「醤油はシンク下などに保存していた」という方も多いのではないでしょうか? しかし、風味を保つためにも冷蔵庫で保存するのがおすすめです。一度試されてみてはいかがでしょうか。
構成・文・写真(一部を除く)/松田慶子(京都メディアライン)