日常でもよく使う漢字の一つ「有」。なじみ深いこの漢字は、男女問わず名付けでもよく用いられます。
「有」を使った名前には、具体的にはどんなものがあるのでしょうか。また、それらの名前にはどんな意味やイメージが込められるのでしょうか。
今回は「有」の成り立ちや意味、「有」を含めた名前について徹底解説します。
「有」の成り立ちと意味
まずは、「有」の漢字の成り立ちと意味を見てみましょう。
「有」の成り立ち
「有」は手をあらわす上部と「月」で成っている漢字です。「月」は「肉」が変化したもの。もともとは、「有」は神に肉を捧げるさまをあらわす文字でした。
「有」の意味
「神に肉をささげる」という漢字の成り立ちから、「有」は持っている、そこにあるといった意味を持ちます。「所有」や「有識者」といった言葉のように、現代でも日常的に使われる漢字の一つです。
「有」は名前ではどんなイメージ?
「有」を使った名前には、どんなイメージが込められるのでしょうか。先ほど触れた漢字の由来や意味をふまえて解説していきます。
知力・体力・魅力が「有」る人
「有」を使った名前は、賢さや体力、健康、魅力などに恵まれた人をイメージさせます。組み合わせる漢字によって何を「有」するか、ニュアンスも変わりますね。
存在感の「有」る人
そこに「有」る、存在するといった意味も持つ「有」。日常的に使う言葉であり、多くの人がよく知る「有」は、名前においても存在感を感じさせる漢字です。
「有」にはどんな願いが込められる?
次に、「有」に込められる願いや意味の代表的な例も見ていきましょう。
恵まれた人生になりますように
「所有」「有益」などの熟語にもあるように、「有」は所有するという意味も持ちます。このことから「有」を使った名前には「恵まれた人生になりますように」という願いが込められます。
人に好かれる徳を持てますように
「所有」するのは物質だけではありません。優しい心や人徳といった、目に見えない大切なものも含まれます。豊かな心を持ち、人に好かれる人になりますようにという願いを込めて「有」を名前に使ってみてはいかがでしょうか。
「有」を使ったおすすめの名前
それでは、「有」を使ったおすすめの名前を男女別に紹介します。
女の子
・有織(あお)
いくつもの糸を織って作る布のように、人とのつながりを指す言葉でもある「織」。人と助け合って生きていけますようにという願いを込めて。
・有季(あき、ゆうき)
移り変わる季節のように、多面的な魅力を持つことを願って用いられる「季」。しなやかに生きられますようにと願って。
・有紗子(あさこ)
薄く透けるような生地を指す「紗」。うす布のような繊細な美しさを持つ人に。
・有海(あみ、うみ、ゆうみ)
おおらかさや器の大きさを表す「海」は男女ともに名付けでも人気の高い漢字です。優しく大きな心を持つ人に。
・咲有(さゆ)
咲き誇る花のような、豊かな人生に。花のような可憐な魅力を持つ人になってほしいと願って。
・早有理(さゆり)
「早春」「早速」のように、フレッシュさやスピード感を持つ「早」。また、「理」は知的なイメージや意味を持つ漢字です。爽やかでエネルギッシュな人に。元気いっぱいに育つことを願って。
・有恵(ともえ)
長らく名づけでも好んで用いられる「恵」。恵みにあふれた人生になりますように、困ることのない人生を歩けますようにと願って。
・芙有香(ふうか)
美しさを表す「芙」は男女ともに名付けでもよく見られる漢字です。字の見た目も華やかで柔らかい印象もありますね。また、「香」は女の子の名前で特に人気の高い漢字です。やさしい人になってほしい、心身ともに美しく育ちますようにと願って。
・麻有(まゆ)
「麻」は素朴な魅力や丈夫さを願って名付けに用いられます。元気な子に育ちますように、飾らない自然体の魅力を身に付けられますようにと願って。
・有唯(ゆい、ゆうい)
唯一無二をあらわす「唯」は男女ともに名付けでも人気の高い漢字です。「あなたは世界で一番大切な人」というママパパの思いや、周りの人に大切にされながら生きていってほしいという願いが込められます。
男の子
・有生(あお、ありお、ゆうせい)
名前での「生」は、もともとの意味のように生命力や健康を願って用いられます。エネルギッシュな人に。植物が生い茂るようなフレッシュな力を持ち続けられますようにと願って。
・有晴(あきよし、ゆうせい)
名前での「晴」は明るさ、曇りのない心、見通しの良さといった意味が込められる漢字です。明るく元気な人に。物事を見通す賢さを願って。
・一有(かずなり、かずあき)
「唯一」「一番」でもおなじみの「一」。一番最初に生まれた子や1月生まれの子の名付けにも使われます。物事を極められますように、リーダーのように周囲から頼られる人になってほしいという願いを込めて。
・有章(ともあき)
美しい模様や身分などを区別する印、文章などをあらわす「章」。名前では、文才や勤勉さなどを願って用いられます。豊かな感性と努力の才能を併せ持つ人になりますようにと願って。
・有音(あおと、なおと、ゆうと)
音楽をはじめとする芸事の才能や、人を楽しませる力を願って名前に用いられるのが「音」です。感性豊かな子に育ちますように、楽しみや喜びがあふれた人生になりますようにと願って。
・悠有(ゆう)
広い心ややさしさを願って用いられるのが「悠」です。穏やかで人に好かれる人物になりますようにと願いを込めて。
・有都(ゆうと)
「都会」のイメージから、スタイリッシュさや洗練された雰囲気を感じさせる「都」。おしゃれなイメージの名前を探している方におすすめです。
・有馬(ゆうま)
動物の名前としておなじみの「馬」は活発さや体の丈夫さ、運動能力を願って用いられる漢字です。どこまでも駆ける馬のような、エネルギッシュな人になりますようにと願って。
・有隆(ゆたか)
高いこと、盛んであるさまをあらわす「隆」。世代を問わず名付けでも好まれる漢字の一つです。豊かな人生になりますように、活発な子に育ちますようにと願いを込めて。
・有来(りく)
これから「来」る未来を感じさせる、希望に満ち溢れた名前に。自分を信じて歩いて行けますようにと願って。
参考:赤ちゃん命名ガイド
名前を付けるときにおさえておくべきポイントは?
最後に、赤ちゃんの名前を考えるときのポイントや注意点をご紹介します。
名前の響き・名前の意味
名前は実際に呼び合うことも多いので、字面や意味だけでなく響きも大切です。響きが名字とつなげても違和感を感じないかどうか、何度か声に出して耳から入る音でもチェックしてみましょう。
また、漢字の意味は良いものでも、響きがネガティブな物事につながるイメージを持つなら再考の余地があるかもしれません。違う読み方や違う漢字との組み合わせを探してみましょう。
姓名判断
日本では古くから、名前の字画からその人の性格や運命を占う姓名判断がさかんに行われてきました。姓名判断の結果を最優先するなど神経質になる必要はありませんが、気になる方は一度調べてみることをおすすめします。Webサイトで手軽にできるものから、お寺や神社で行う本格的なものまであるので、ご自身に合った方法を探してみてください。
「有」を名前候補に入れてみよう!
今回は「有」について、漢字の意味や由来から名付け例まで紹介しました。さまざまな漢字の組み合わせがあり、合わせる漢字によって名前のニュアンスも変わります。紹介した漢字の意味やイメージを、ぜひ大切なお子さんの名付けに役立ててみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部