おいしいチョコレートのためにカカオ農家を支援しています
「明治では、2006年から独自に『メイジ・カカオ・サポート』という、世界9か国*のカカオ農家などへの支援を行っています。
具体的には苗木や肥料、発酵箱などの寄贈や、栽培や発酵法の指導などを行い、生産者から消費者まで全員が幸せになるカカオ生産を行っています。高品質なカカオを安定して調達することが、おいしいチョコレートを届けることにつながるという考えからです。
このようなサステナブル(持続可能)なカカオ豆を使用した商品『ザ・チョコレート』では、4つの産地でカカオ農家を支援しています。」(須田さん)
- *ガーナ、ペルー、エクアドル、ベネズエラ、メキシコ、ドミニカ、ブラジル、ベトナム、マダガスカル
-
サステナブルカカオ豆の調達比率
- 明治は2026 年度までに、農家支援を実施した地域で生産された「サステナブルカカオ豆」の調達比率100%をめざしています。
-
チョコレートの原料カカオはどうやってできるの?
-
カカオの木
- 畑で育てられ、大きくなると6~7m の高さにもなります。1本の木に10 ~ 40 個の実がなります。
カカオの実
実を割ると、白い果肉の中にカカオの種が入っています。この種をカカオ豆といい、チョコレートの原料になります。
カカオ豆を果肉ごと発酵させる
バナナの葉でくるんだり、発酵箱の中に入れたりして発酵させると、白い果肉部分が分解されてカカオ豆が取り出せます。
カカオ豆を乾燥させる
色が変わり、香りも出たカカオ豆を乾燥させて、日持ちをよくします。このあと袋詰めにして出荷します。
チョコレートに加工する
工場で、カカオ豆の香りや風味を生かし、さまざまな加工をして、おいしいチョコレートに仕上げます。
カカオ産地に寄り添う支援
カカオ産地に直接足を運び、現地農家のさまざまな課題に合わせた支援を行っています。
メイジ・カカオ・サポートの例
ベネズエラ
高品質なカカオ産地として知られるベネズエラでは、2021年度までに14万4630 本の苗木を無償で配布しました。今後26 年までに24 万本の苗木の寄贈を目標にしています。
ペルー
寒暖差の激しい高地にあるペルーでは、高品質なカカオ豆生産のための発酵箱を2021年度までに35台寄贈。26 年までに60 台の寄贈を目標にしています。カカオ豆の品質を決める重要な工程「発酵」の条件を、発酵箱で揃えることができます。
労働条件の改善や森林の保全…カカオにまつわる環境も守っていきます
さらに、カカオ農家への支援を進めるため、明治は2006年に世界カカオ財団(WCF)に加盟しました。
「世界の主なチョコレートメーカーやカカオの加工・流通企業などが参加し、現在では農家の収入増加、児童労働をなくすこと、森林減少を食い止めることに焦点をしぼり活動しています。
そして17年から、カカオ農園の拡大などによる森林破壊をなくし、森林の保全を目的とした『Cocoa & Forests Initiative』にも参画。ガーナ政府や35の企業とともに、アグロフォレストリー農法などでの森林保全に取り組んでいます」(須田さん)
私たちのチョコレート選びが、カカオ生産者とチョコレートを食べる私たちの将来へとつながっているわけですね。
アグロフォレストリー農法でカカオを育てています
「アグロフォレストリー」とはアグリカルチャー(農業)とフォレストリー(林業)をかけ合わせた造語。自然へのダメージが少なく、持続的に長期間の土壌利用が可能になる農法です。
アグロフォレストリー農法は「森をつくる農業」と呼ばれています。環境に配慮した持続可能な農法で、農家の人々の安定的な生活も支えます。
①森林伐採後の荒れた土地を整える
②森の生態系にならい、カカオの苗木をほかの植物と一緒に植える
③先に高い木が成長し、日陰ができることでカカオが育ちやすくなる
④豊かな森とともにカカオが育つ
〈アグロフォレストリーミルクチョコレート〉
アグロフォレストリー農法で作られたブラジル産カカオ豆をカカオマス中に使用。
「メイジ・カカオ・サポート」の取り組みについてはこちら>>>
『小学一年生』2022年8月号別冊『HugKum』
撮影/小林美菜子 写真/フォトライブラリー モデル/山本信舞 イラスト/よしだゆう 構成/村重真紀
1925年創刊の児童学習雑誌『小学一年生』。コンセプトは「未来をつくる“好き”を育む」。毎号、各界の第一線で活躍する有識者・クリエイターとともに、子ども達各々が自身の無限の可能性を伸ばす誌面作りを心掛けています。時代に即した上質な知育学習記事・付録を掲載しています。
あなたにはこちらもおすすめ
再構成/HugKum編集部