小学校「展覧会」の工作で、子どもが使いやすい材料とは?
展覧会は、図工の時間に作った作品などを学校に展示する会のこと。
筆者が低学年の担任をしていた際には「体育館に、みんなの絵や工作をたくさん飾って美術館みたいにするんだよ」と説明していました。
1,2年生の図工は、ご家庭から材料を持参していただくことがあります。
実は、材料によって、お子さんの満足度に差が出ることがあるのです。お子さんは、自分が持参した材料をイメージしながら、「この箱を重ねて3階建てにしたいな」「細長い箱を煙突にしようかな」と考えます。
しかし、持参した材料の中に、自分で切ったり貼ったりできないものが多いと、当初のイメージを叶えることができず、納得のいくものが作れないことがあるのです。
ですから、工作の材料を準備するときは、お子さんのお道具箱に入っている道具で、切ったり貼ったりできるものを選ぶのがポイントです。ここからは、低学年のお子さんが使いやすい材料をご紹介します。
定番!お菓子やティッシュペーパーの空き箱
工作材料の定番と言えば、“空き箱”ですよね。工作に使うなら、段ボールやプラスチックよりも、子ども用のはさみで切れるような紙製のものがおすすめです。
紙製なら、お道具箱に入っているのりやボンドで接着ができます。「ここにドアを作りたい!」「壁を緑にしたいから折り紙を貼ってみよう」というときにも、お子さんが自分で工夫しながら作ることができます。
ラップの芯よりも、キッチンペーパーやトイレットペーパーの芯が使いやすい
筒形になっている芯は、トンネルや建物の柱に使いやすいアイテムです。
お子さんの工作に使うなら、厚みのあるラップの芯よりも、キッチンペーパーやトイレットペーパーの芯がおすすめです。
子ども用のはさみで切れるので、長さを調節したり、形を変えたりできます。芯の端から2~3㎝くらいまで切り込みを入れれば、のりしろを作ることができるので、のり・ボンド・セロハンテープでも接着しやすくなります。
飾りにも、くっつける道具にもなる、マスキングテープ
マスキングテープは、飾りにも、接着にも使える万能アイテムです。100円ショップでも、様々な絵柄がありますよね。キラキラしたラメの入ったもの、布っぽい感触のものなどもあります。
マスキングテープは、はがして貼り直せるのがメリットですが、セロハンテープと比較すると粘着力が弱いことも。ただ、子どもたちにとってはどちらも“くっつけるためのテープ”という認識であることがほとんどです。
重いものを接着するときにはボンドやセロハンテープのほうが向いていることを伝えておくといいですよ。
透明アイテムは様々なイメージに変身する
紙素材だけでなく、透明アイテムがあると、ぐっと子どもたちのイメージが膨らみます。
透明アイテムとは、たまごパック・ミニトマトのパック・ビニール袋・クリアファイル・カラーフィルムなどです。
筆者が1年生の図工の授業を担当したときには、クリアファイルを好きな形に切り抜いて家の窓にしたり、ミニトマトのパックをお風呂に見立てたり、ビニール袋を細長く切ってシャワーから出る水を表現したりする子がいました。
不思議な素材が、想像力をふくらませてくれることも
大人からすると「何に使えるんだろう」と思うような素材でも、子どもの想像力をふくらませてくれるものがあります。
・お肉やお魚の発泡スチロールトレイ
・果物やオクラのネット、排水溝のゴミ受けネット
・アルミホイル
・お弁当に使うアルミカップ
・洋服の予備でついていたボタン
工作材料を準備するときには、「こんなのも使う?」とお子さんにぜひ聞いてみてくださいね。
【小学1年生】廃材を使う授業 算数・生活科
工作以外にも、小学校では廃材を使うことがありますので、ご紹介します。
算数「いろいろな形」
1年生の1学期ごろに実施する、立体図形の初歩になる学習です。立方体や直方体は“はこの形”、円柱は“つつの形”、球は“ボールの形”と表現し、見分けられるようにしていきます。
ご家庭では、直方体や円柱の箱が準備できるとよいでしょう。お菓子の空き箱は直方体のものがほとんどですので、準備がしやすいですよね。円柱のものには、茶筒、6つ入りのチーズの箱、縦型のポテトチップスの箱などがありますよ。
生活科「あさがおリース作り」
1年生の生活科では植物を育てるのですが、全国的に最も多いのが「あさがお」です。水やりなどのお世話をして、花が咲いて種ができるまでの様子を学びます。
そのあさがおが枯れた後のツルをつかって作るのが「あさがおリース」です。ツルをわっか状にまとめて、モールやリボンなどで飾ります。
包装紙やマスキングテープ、余った布やフェルトも、飾りにおすすめです。また、まつぼっくりやどんぐりなどの自然素材があると、季節感が出ますよ。
【小学2年生】廃材を使う授業 算数・図工・生活科
算数「はこの形」
2年生の3学期ごろの学習です。立方体(サイコロ型)や直方体(長方形の面がある)の辺の長さや面の形の特徴などを学びます。箱の6つの面を写し取って、同じ形が2つずつあることを確かめる活動もあるので、箱の準備が必要になるでしょう。
お菓子の空き箱は、ほとんどが直方体です。ただ、立方体の空き箱を準備するのはなかなか難しいです。全国に市販されているものでは、さいころ型のキャラメルが有名です。また、立方体でも直方体でもない形として、六角柱であるコアラがモチーフのお菓子の箱を持たせるのもおすすめですよ。
生活科「動くおもちゃ作り」
2年生の冬頃に行うことの多い学習です。風の力、重さ、ゴムの伸縮などを活用して、動くおもちゃを作る学習です。3年生以降の理科の考え方につながります。
空き箱や透明パックだけでなく、カップラーメンの容器や牛乳パックを使うおもちゃもあります。お子さんの使っている生活科の教科書に、参考となるアイデアがあるので、参考にしてみてくださいね。
図工「透明でキラキラ」
春や秋ごろ、外で活動しやすい時期に行うことの多い学習です。先ほどもご紹介した透明パックに、カラーフィルムを入れたり色を塗ったりします。それを光にかざしてキラキラする様子を楽しんだり、カラフルな影を楽しんだりする活動です。たまごパック・ミニトマトのパック・クリアファイルなど、透明で中に物を入れられるものを使います。
他にも、楽器作りやお店屋さんごっこ、街づくりなど、様々な場面で工作材料が必要になることがあります。
お子さんと相談しながら材料を集めよう
準備した材料を、実際に使うのはお子さんですよね。どんなものを作りたいか、親子で会話をしながら、一緒に材料を準備しましょう。一緒に準備すると、お子さんはどんな材料があるか把握できるので、作るときにイメージがしやすくなりますよ。
工作の材料は急に準備できるものではありませんので、必要になりそうなものは、日ごろから少しずつストックしておきましょう。
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文・構成/yurinako