子育てに煮詰まってくると「あーもう!子育て、放棄したい!」と思ってしまったことがある人は少なからずいるのでは?なかなか自分の時間が持てなかったり、子どもが言うことを聞かなかったり、イライラが募って爆発しそうになってしまうことも。近年では毎日のように育児放棄や児童虐待の信じられないようなニュースを見かけますが、そこに至るまでの経緯などを見ていくと、必ずしも他人事ではないと思うようなケースもあります。そこでHugKum編集部では、現役ママ119人にアンケートを実施しました。
1~2割のママ・パパが「子育てを放棄したい」と思った経験あり
まずは、子育てを放棄したいと思ったことがあるか聞いてみました。
約1割の人が子育てを放棄したいと思ったことがある、と回答。少ない数ではありますが、どちらとも言えない、という少し自信がなさそうな回答も加えると2割程度になっていることがわかります。
子育てを放棄したい!ってどんな時に思ってしまう?
そこで子育てを放棄したいと思ってしまうのはどんな時なのかを聞いてみました。「言うことを聞かない」「泣きやまない」など子育て中、誰もがぶち当たる悩みが多くあがりました。ママパパの体調が悪かったり、睡眠不足が続いていると、よりストレスを強く感じることもわかります。
子供が言う事を聞かないとき
何度話しても言うことを聞いてくれないときに、子育てを放棄したい・・・と思ってしまうと言う声。ましてや、悪態などつかれたら、もういいや、と言う気持ちになってしまうのも分からなくもありません。
「子供が言うことをきかず、悪態をつくとき」(50代・神奈川県・子ども2人)
「学校に行きたくない、とか、理由の良く分からない行動に遭遇したとき」(50代・京都府・子ども2人)
夜泣きなど、泣き止まないとき
夜泣きなど、あやしても何をしても泣き止んでくれないときに、気持ちが追い詰められやすいことが分かります。
「泣き止まない時に思った」(40代・北海道・子ども1人)
疲れたとき
身体的に疲労がたまってしまうと、育児を頑張ろうにも気力がわかなくなってしまいそうです。
「仕事で疲れたとき」(40代・千葉県・子ども2人)
自分の時間が取れないとき
ひとり親家庭だったり、ワンオペ状態が続いた時など、自分の時間が全く取れなくなると、全て投げ出したくなってしまうのかもしれませんね。
「自分の時間がうまく取れないとき」(40代・千葉県・子ども1人)
【育児放棄】を防ぐには?
最初は子育て中なら誰もが感じる些細な悩みだったはずなのに、中にはだんだんと追い詰められて育児放棄という最悪な結果にたたどり着いてしまうケースもあります。他人事とは思わず、子育てに疲れきってしまう前に、周囲にSOSを出すこともとても大切なことです。
ひとりで背負いこまない
育児で疲れきってしまう原因のひとつで明らかなのは、ひとりきりで育児をこなしている場合です。全ての人がそうではありませんが、例えばひとり親家庭だったり、片親がほぼ不在にしているためワンオペ育児になってしまうときには、育児を分担してもらうこともできない、相談相手もいないという状態になり、つらい育児に追い込まれがちです。行政の支援を受けたり、シッターや一時保育を利用したり、時間がとれる場合には、同年齢の子どものママがが集まる会に参加してみたりなど、ひとりで背負いこまない工夫が必要です。
自分の体も大切にする
ママ自身の身体的な不調や疲れがあれば、前向きに育児に取り組むのは難しくなってきます。持病の悪化や、長引く産後うつや精神的な疾患など、まずはママ自身の体調を整えることも大事です。保護者が病気のため通院する場合などにも一時保育は利用できますし、混んでいてなかなか予約ができない時には、行政などに相談すれば優先的に取り扱ってくれる場合もあります。
自分のせいではないことを知る
子どもが思うようにならなかったり、泣き止んでくれない、というのは、まだ発達が未熟だからこそ起こることです。自分の育て方が悪いんだ、と思いこまないことも大事です。また、ほかにも同じような悩みを抱えるママたちがいます。例えば、最近では育児中のママが書いたマンガや体験談がネットやSNSに掲載されていたりします。そういったものを読んだりして、自分だけではないんだと思うだけで気持ちが軽くなることもあるのではないでしょうか。
育児放棄・児童相談窓口のホットライン
つらい育児になってしまっているママのための支援は実はたくさんあります。育児が大変、体調が悪い、子どもの発育が気になるなど些細なことでも相談にのってくれるので、勇気を出して相談してみましょう。まずは話を聞いてもらうだけで、安心できるかもしれません。
▶︎子育て支援センター
まずは子育て支援センターに相談するというのがおすすめ。行政のサービスである、ファミサポ、産前・産後ヘルパーの紹介(持病がある場合にもヘルパーが利用できることもあります)、保育園やこども園などの一時保育施設などの紹介をしてくれます。他にも地域の同じ年齢の保護者が集まる子育てサークルや講座もあります。また、定期検診の際に、健康診断以外に、保健師に相談できる場合もあります。我慢しないで、まずは勇気を持って相談してみましょう。
→相談窓口は、ウェブサイトで「○○市 子育て支援」などのように検索すると調べられます。
▶︎最寄りの児童相談所
児童相談所は子どもの保護だけでなく、保護者の育児相談にものってくれます。また、保護者が仕事や病気など一時的に子育てが難しくなった場合に預かってくれるショートステイや、夜間のトワイライトステイが利用できることもあります。保護者の体調の悪化や、子どもと一緒にいるのがつらいといった場合にはぜひ相談してみて。
→最寄りの児童相談所を調べるのはこちらから または 児童相談所全国共通ダイヤル「189」で最寄りの児童相談所につながります。
子育てを放棄したくなる前に
育児放棄は決して遠い世界の話ではなく、身近にある問題だということが分かりましたよね。育児で追い詰められている、と感じた時は、ぜひいろいろなところへ相談してみてください。相談するのにも勇気が必要かもしれません。でもきっと誰かがラクにしてくれるはず。うまく相談できなかったら、また違う窓口へといろんなところで聞いてもらうのが大事です。ぜひ頼り上手さんになりましょう!
文・構成/HugKum編集部