季節を感じる二十四節気を子供にも伝えたい
二十四節気とは、太陽の公転周期を分割して一年を二十四の季節に分けたもの。春分、夏至、秋分、冬至など、季節を表す言葉として、暮らしの中のさまざまな場面に登場します。そんな二十四節気は、忙しい毎日の中で忘れてしまいそうになる豊かな季節の恩恵を思い出させてくれるとてもいい機会。ぜひ、子供と一緒に季節の巡りを感じるひとときをもってみてください。ささやかだけれどゆるぎない幸せの経験は、子供たちの“いのちの根本”を長きに渡り支えてくれることでしょう。
11月22日は二十四節気「小雪」です
小雪 しょうせつ
立冬から約2週間が過ぎましたが、本格的な厳しい冬はもう少し先。雪もそれほど多くはないという意味の言葉です。それでも、冷たい北風が木の葉を落とし、景色はそこはかとなく寂しい感じになってきますが、こんもりと積もったふかふかの落ち葉は、子供たちにとっては格好の遊び場です。
冬の乾いた空気が作る風味豊かな「干し柚子大根」
小雪を過ぎても、時折、冬とは思えないような暖かな日が訪れます。それでもやはり空気はカラカラ。そんな乾いた空気を感じると、作りたくてむずむずしてくるのが干し大根です。旬をむかえた大根と柚子の香り。コリコリと歯ごたえもよく、味覚、風味、感触と、さまざまな感覚を満たしてくれます。
作り方は大根を1㎜ほどの薄い輪切りにしてザルに並べ、しんなりするまで干し、拍子木切りの柚子の皮を中に入れて巻く。針で糸を通してつるし2~3日干します。一緒にショウガのせん切りを巻くのもおすすめ。酢大さじ2、しょうゆ、砂糖各大さじ1の割合で合わせたものに半日ほど漬けて味つけ。箸休めにどうぞ。
広田千悦子さんの『口福だより』には、季節を楽しむヒントが満載!
広田千悦子(ひろたちえこ)
日本の文化・歳時記研究家。文筆家。新聞や雑誌、WEBにてコラム・挿絵を執筆。企業アドバイザー。ラジオ、TVなどのメディアに出演。ライフワークは季節のしつらいと祈りのかたちづくり。築80年の日本家屋スタジオ秋谷四季、東京、鎌倉、名古屋などで、季節のしつらい教室を開催。日本の行事の源流に触れつつ、現代のくらしや世代に合わせて提案。中日新聞、東京新聞の連載「くらし歳時記」は11年目。著書は、ロングセラーの『おうちで楽しむにほんの行事』(技術評論社)など25冊。
撮影/広田行正 イラスト/広田千悦子 構成/神崎典子