教育とは何? 家庭と学校での学びの違いや、今注目される教育のポイント

子どもにとって、日常生活の全てが教育の場です。学校はもちろん、家庭の中でも子どもはさまざまなことを学び、大きくなります。教育とは何かを正しく理解して、子どもの成長を見守りましょう。今、注目されている教育のポイントも解説します。

「教育」は、国民の三大義務の一つです

日本国憲法に定められた国民の三大義務の一つが、「教育」です。「勤労の義務(27条1項)」「納税の義務(30条)」と共に「教育の義務」が26条に、以下のように記されています。

【憲法第26条第1項】 すべての国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する

【憲法第26条第2項】 すべて国民は、法律の定めるところにより、その保護する子女に普通教育を受けさせる義務を負ふ。義務教育は、これを無償とする

子どもの「学習権」が保障されているとともに、保護者には子どもに普通教育を受けさせる義務」があるのです。「受けさせる義務」という表現は、貧しい農村地区などでは子どもは貴重な労働力として扱われ、親が学校に行かせずに働かせることも多かった、第二次世界大戦以前の日本の状況を鑑みたものです。親が子どもが教育を受ける機会を奪うことも珍しくありませんでした。

家庭は、子どもたちの健やかな育ちの基盤であり、家庭教育は、すべての教育の出発点です。子どもを教育する本来の目的や、家庭と学校での教育のあり方について見ていきましょう。

「生きる力」の基礎を養うこと

2020年から始まり、2030年まで実施される学習指導要領では、新しい時代を生きる子どもに必要な生きる力」を育む事を学校教育の基盤としています。

「生きる力」とは、「知識及び技能」「思考力、判断力、表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱の資質・能力の養成を目的としたもの。文部科学省は、この3つの柱が、子どもび確かな学力、豊かな心、健やかな体の育成を支えると考えています。

学校では、学校教育全体および各教科等における指導等において、3つの柱のバランスがとれた育成を通じて、児童の「生きる力」の育成に努めることが求められます。

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家庭はすべての教育の原点

ただし、学校だけが、教育の場ではありません。子どもにとって、初めての社会生活の場は他ならぬ「家庭」です。

家庭は、基本的な生活習慣、人に対する思いやり、善悪の判断など、子どもたちが社会生活を営むための基本的なルールやマナーを身につけるうえで極めて重要な役割を担っています。家庭で学んだことを土台にして、子どもは学校や地域活動など、外での生活に自信を持って臨めるようになるのです。

また、子どもたちが出会うさまざまな問題への指導・援助をすすめるうえで、家庭がその役割を適切に果たせるような学校と家庭との連携は不可欠といえましょう。

正しい生活習慣を身に付ける

正しい生活習慣を身に付けさせることは、家庭教育の基本です。以下の項目を参考に、子どもの生活習慣をチェックしてみましょう。

・決まった時間に寝起きする
・食事の好き嫌いをしない、残さない
・レストランや公共交通機関でマナーを守れる
・元気に挨拶できる
・自分で身だしなみを整えられる
・進んで手伝いや後片付けをする

特に規則正しい睡眠と食事は、成長期の子どもにとって大変重要なポイントです。園や学校で元気に過ごすためにも、早いうちから身につけさせてあげましょう。

家族で過ごす時間を大切に

家族で過ごす時間の長さは、子どもの精神的成長情緒の安定に大きな影響を及ぼします。一見楽しそうに過ごしている子どもにも、ストレスや悩みはあります。学校で友達とケンカしたり、練習しても逆上がりができなかったりと、怒りや悔しさを抱えたまま帰宅する日もあるでしょう。

家族がその日の出来事を聞いてくれるだけでも、子どもは心が落ち着きます。家族のアドバイスを聞いて「明日友達に謝ろう」「もう1回逆上がりに挑戦してみよう」などと、前向きな気持ちになれるでしょう。

忙しくて時間を取りにくい人でも、子どもが寝る前のひと時や習い事の送迎時間などを利用して、子どもの話を聞けるはずです。無理のない範囲で構わないので、一緒に過ごす時間を少しでも多く作るように工夫しましょう。

社会に貢献する心を育てる

社会貢献とはよい社会を作るために行動すること。ゴミや資源といった環境保護活動、さまざまな事情によって支援が必要な子どもたち、介護・介助が必要なお年寄り、戦争や自然災害による罹災地への支援など、その活動は多彩です。

子どもたちの「社会に貢献する心」の種を蒔き、それを育てることも家庭での役割です。社会貢献の経験を通して、自分たちがいかに社会にとってかけがえのない存在であるかに気づかせ、それが、子どもの自己肯定感を高めることにもつながります。親子で体験をすれば、それが進学先や仕事の選択肢を考えるきっかけになるかもしれません。

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学校・家庭以外の教育の場も。注目される「STEAM教育」

AI(人工知能)の浸透で私たちの生活や社会は加速度的に変化しています。今後20年の間に、現在の約半数の仕事をAIやロボットが担うようになると言われています。子ども達の将来を見据えて、家庭でも様々な教育を授けたいと考えている親御さんは多いと思います。コンピュータを使ったICT教育が広がりを見せる中で、21世紀型の学びとして注目されているのが「STEAM教育」です。

「STEAM」とは、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics )に、芸術・教養(Art/Arts)を統合し、各教科での学習を実社会での課題解決に生かしていくための教科横断的な教育手法です。学校でのプログラミング教育の必修化もこの一環ですが、現状では、海外では日本よりも規模の大きいSTEAM教育を展開しています。

この現状を踏まえて、民間企業によって様々な取り組みが行われています。

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家庭の教育力で子どもの生きる力を育てる

勉強だけでなく、しつけ、人間関係の築き方まで、子どもが社会に出るまでに教えたい事柄の全てが教育です。特に1日の大半を過ごす家庭は、教育において重要な場所です。子どもが安心して楽しく過ごせるだけで、他の教育効果もぐっと高まります。親も一緒に楽しむ感覚で、子どもの生きる力を育んでいきましょう。

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構成・文/HugKum編集部

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