小学1・2年生で新たにみず筆書き学習が始まります
小学校での書写の授業は、今までは2年生までが鉛筆を使った硬筆のみ、3年生から書道の墨汁を用いた毛筆の授業でした。それが2020年より小学校学習指導要領の改定に伴い、1・2年生の書写の授業で「書写用みず筆を使用した運筆指導」がスタートします。
1年生から筆を用いる狙いは?
字を習い始めたばかりの1年生から、筆を用いた書写を取り入れる狙いはどこにあるのでしょうか。
今回の指導要領の改定を見てみると、書写において「点画の書き方や文字の形に注意しながら、筆順にしたがって丁寧に書くこと」という一文が追加されました。この一文の追加により、実際の授業では、水書用筆等を使用した運筆指導を取り入れるなど、早い段階から運筆を意識した指導を行うことになります。筆を使って運筆によるとめ、はね、はらいをしっかりと学ぶということが、今回の新指導要領の一番の狙いだといえるでしょう。
書写についてHugKum読者のパパママに緊急アンケート
HugKum編集部では小学1・2年生の子どもを持つパパママにアンケートを実施。まもなく始まる新たな学習指導要領がどのくらい認識されているか、また毛筆学習経験の有無、字の書き方の悩みなどを調査しました。気になる「みず筆学習」をチェックする前に、アンケート結果をまずはみていきましょう。
Q1.2020年度から小学1,2年生の「書写」の授業で、「みず筆学習」が取り入れられることをご存じですか?
はい(知っている)6%
いいえ(知らない)94%
「みず筆学習」がスタートすることを知っていると回答した人は全体の6%のみで、ほとんどのパパママがまだ知らないという結果でした。2020年度からの改定ということもあり「まだ学校からお知らせはありません」という人がほとんどのようです。
Q2.お子さんに書道を習わせたことはありますか?
次は、1・2年生の子ども達がどのくらい書道を習った経験があるのかを質問しました。
はい(習っている、習ったことがある)15%
いいえ(習ったことがない)85%
子どもの習い事調査でもたびたびあがってくる書道ですが、習ったことがあるのは全体の15%で、8割以上の子どもが書道学習は未経験ということがわかりました。「習っていない」と回答した中には、「3年生から毛筆の授業が学校であるので、そこで体験してほしいと思っている」という保護者の意見も聞かれました。一方、「習っている」と回答した人からは「字を丁寧に書くという習慣をつけさせたくて小学校入学と同時に書道教室に通わせている」という意見も。
Q3お子さんの「字の書き方」につい、悩んでいることはありますか?
入学と同時に字を習う子どもたちですが、字の書き方についてパパママにどんな悩みがあるのか聞いてみました。
1位 鉛筆の持ち方がおかしい
字の書き方の悩みでもっとも多かったのが鉛筆の持ち方についてでした。
・鉛筆の下の方を持ってしまい、教えるのが難しい
・口を酸っぱくして言わないと、すぐに変な鉛筆の持ち方にもどってしまう
正しい鉛筆の持ち方を教えるのに苦労しているというパパママの意見が多く寄せられました。
2位 書き順が間違っている
2番目に多かった悩みは書き順についてです。
・書き順が変なので、字形やバランスがおかしい
・書き順を指摘しても、書きやすいように書いて直そうとしない
・ひらがなは書き順が正しいけど、漢字になると書く方向や書き順が違ってしまう
などの意見が多く聞かれました。
3位 字が汚い
次に多かったのが字が汚いという意見でした。
・毎日の宿題やテストで「字を丁寧に書きましょう」と注意書きされるくらい字が汚いけど、何度注意しても改めない
・字が汚いので、テストで合っているのにバツにされる。本人もあとで読めない
・とめ・はねができていないので、字がとても読みにくい
字を習い始めて授業や宿題などで字を書く機会も増えてくる低学年ですが、なんとなく形は覚えているけど、正しいバランスで書けないという悩みが多いことがわかりました。
4位 雑に書く
3位の字が汚い、という悩みにも重なる部分がある回答ですが、こちらはきれいに書こうと思えば書けるけど、雑に書くことが多いという悩みです。
・急いで書くので字が汚い。落ち着いて書けばそれなりに書けるはずなのに、とにかく急いで書く
・字をきれいに書けないと大人になってから困るから、きれいに書かせたいと思うのですが、宿題の漢字を丁寧に書いてくれない
・急いで書かなくてもよい時でも雑に書いて、止めるところをはみ出していたり、ゆっくり書くように言ってもなかなか直りません
急いで書いてしまうことが字が雑になってしまう悩みの原因になっていることがわかります。
5位 書くのが遅い
5番目に多かった悩みは書くのが遅い、というものでした。
・書くのが遅くて、宿題の時間に追われる生活をしている
・とにかく丁寧さを追求するあまり、時間がかかってしまう。さらに速さを求めると頭がいっぱいになってしまうようです…
4位の字が雑になってしまう悩みとは対照的で、丁寧に書いてほしいと思うパパママからは時間を書けて書くことは悪いことではないのでは?と思われてしまうかもしれませんが、時間がかかりすぎてしまうことを悩むパパママもいることがわかりました。
その他の悩み
上記以外のその他の悩みもご紹介しましょう。
・枠の中に文章を書くときに、字の大きさがだんだん大きくなって、うまくおさめることができない
・今の担任の先生が字の書き方に甘いので、宿題やノートがだんだん雑な書き方になってしまっている
・書道教室では丁寧にきれいな字を書くのに、学校では雑な字を書いてくる
このように、字の書き方については多かれ少なかれ多くのパパママが悩みを持っていることがわかりました。
今後スタートする「みず筆学習」では、書き順の大切さや字のバランスを考えながら丁寧に大きく文字を書くことを学びます。パパママのこうした悩みを知ると、低学年の早いうちにみず筆での学習を経験することは、良いことかもしれません。
書写用みず筆ってどんな筆?
2020年度にスタートする1・2年生の「みず筆学習」。墨汁を使った毛筆とは違う、書写用みず筆ってどんなものなのでしょうか。さっそく2020年2月にぺんてるから「書写用みず筆」が発売すると聞き、一足早く使い心地を試してみました!
軸に水を入れるだけ!「ぺんてるの書写用みず筆」を試してみました
『ぺんてるの書写用みず筆』は、軸に水を入れるだけで、すぐに使える筆です。専用シートとみず筆で何度も書けて使い勝手が良いので、小学1・2年生にもとても扱いやすい作りになっています。また、水書きシートを使用すると、書いたあと、すぐに乾くので何度でも練習できます。繰り返し練習できるのは経済的で助かりますね。手や机が汚れる心配もないので、学校だけでなく、家でも気軽に筆で字の練習ができるのもみず筆の嬉しい点です。
「指位置シール」で正しい持ち方をサポート
また、『ぺんてるの書写用みず筆』は、正しい持ち方を覚えるためのシールが付いているのも特徴です。うずまき状の印に親指と人差し指を乗せて持つことで、自然と正しい持ち方になります。正しい鉛筆の持ち方が難しい子どもも、このみず筆を使うことで、持ち方を見直す良いきっかけになるかもしれません。
とめ、はね、はらいがしっかり書ける
『ぺんてるの書写用みず筆』は、適度なコシがあり、ひらがなのとめ、はね、はらいがしっかり書けました。書き心地もとってもなめらか!「水だけでこんなにきれいに書けるんだ」というのが正直な感想です。まさに、学習指導要領の狙いでもある運筆によるとめ、はね、はらいをしっかりと学ぶのに最適な学用品といえます。
初めての道具だから、いいものを選んであげたい
『ぺんてるの書写用みず筆』の使い心地を試してみましたが、使ってみたくなりますよね。初めて筆で字を書くことになる子どもたちには、失敗や汚れを気にせず、楽しみながら字の練習をしてほしいと思います。最初に使う道具が使いやすいものであることは、子どもの学習にとってとても大切なことです。書写だけでなく、絵を描く図工や絵日記観察日記を書く時に使う、クレヨンや色鉛筆にも同じことが言えますね。
軸が太くて折れにくい「ぺんてるのずこうクレヨン」
ぺんてるのずこうクレヨンは、使いやすさが支持されて長年多くの子どもたちに愛用されてきました。男の子と女の子が向かい合って座る、あの絵柄はパパママも懐かしく感じるはず。直径11mmの極太軸を使用しているので、勢いよく描いても折れにくいのが特長です。ペットボトルや食品トレーなどさまざまな素材との相性もよく、表現の幅が広がるクレヨンです。16色入り(720円+税)
色の濃淡がつけやすい「ぺんてるの小学校色えんぴつ」
筆圧に応じて色の濃淡が出やすい色えんぴつ。図工の作品制作ももちろん、植物の観察日記や絵日記など生活の授業などにもよく使われます。よく使う「あおみどり」「こげちゃ」「むらさき」の3本がサービスでついている12色+3色(1,000円+税)が人気です。
みず筆もクレヨンも、子どもに配慮した学用品選びが大切
実際に小学校で1年生クラスの担任をしている栗原義一先生に、みず筆学習の狙いやきちんとした学用品を使うことの大切さについて伺いました。
先生もおすすめ!
栗原義一先生
毛筆への取り組みは、早い方が上達も早いものです。習字のように水筆で大きく文字を書くことにより、とめ、はね、はらいをきちんと意識できるようになるでしょう。鉛筆だとササッと書き終わってしまうところを、筆でゆっくり書くことで正しくきれいに字を書く力を養えます。みず筆は、墨を使う毛筆にくらべて準備と後始末に時間がかからないので、低学年におすすめですね。
クレヨンや色えんぴつは、図工だけでなく、本当にさまざまな場面で使います。色えんぴつは、生活の授業で生き物や植物を観察して描いたり、国語や英語の授業でひらがなや漢字に色をつけて覚えやすくしたりして使っています。またクレヨンは、英語の授業の際にも役立ちます。英語の指示通りにプリントに色を塗る「色ぬりワーク」を通して、色の名前をしっかり覚えていくことができます。
子どもが使うことにじゅうぶん配慮されているきちんとした学用品を使用することは、感性や色彩感覚を豊かにする上でとても大切なことです。
新しく加わるみず筆も含めて、子どもが毎日使う学用品は、きちんと吟味して選びたいですね。HugKum編集部では、子どもの学習のサポートをする良い道具をこれからも紹介していきたいと思います!
一部、『入学準備 小学一年生直前号』より抜粋
文・構成/HugKum編集部