ワンタッチで取付けがしやすいisofix対応チャイルドシート。しかし、何を基準に選べば良いのか分からないですよね。対応年齢の範囲に加え、機能の違いなどもあり、使い勝手の良さは実際に購入しないと分かりません。
ですが、車の利用頻度や車種、家族構成などのライフスタイルから検討すると、あなたにぴったりのチャイルドシートを見つけやすくなります。今回はそのポイントを解説します。
そもそもisofixって何?
isofixとは、チャイルドシート取付け機構の名称。2012年7月以降に販売された車には標準装備されています。それ以前はシートベルト固定が主流でしたが、取付けを間違えるケースが多く、安全性に問題がありました。
isofixの利点
金具を差し込むだけで簡単に固定できるため、より安全にチャイルドシートを利用できます。また、さまざまな便利機能が付いたチャイルドシートがあり、ライフスタイルに合わせて自分に合った種類を選べるのも利点です。
シートベルト固定タイプに利点はない?
シートベルト固定タイプは本体が軽量なので、2台以上の車を利用して頻繁に乗せ換えることが多い場合便利です。
ただし、取付けが複雑なためミスユースが多く、シートベルトタイプのチャイルドシートは年々減少。機能性が高い商品は少なく、選べる幅が狭いことがデメリットです。
しかし、2012年7月以前に販売されたisofixが搭載されていない車の場合は、シートベルト固定タイプしか取付けられません。(一部ですが、isofixとシートベルトを併用できるチャイルドシートもあります)
チャイルドシートは自分のライフスタイルで選ぼう
isofix対応のチャイルドシートには、回転・ベッド・ベビーカーへの接続など、さまざまな機能が搭載されているタイプがあります。その機能が実際に必要なものかどうかは、自分のライフスタイルを考えてイメージするとよいでしょう。
「回転型」は車の利用頻度が高い人に最適
車の利用頻度が高い人は、回転型のタイプに利点を感じやすく、ママパパの負担を軽減してくれます。
乗せ降ろしとお世話がしやすい
回転型の一番の利点は乗せ降ろしのしやすさです。
重たい子どもを、車のシートよりも一段高くなったチャイルドシートに乗せ降ろしする作業は想像以上に大変です。片手で簡単に回転できるモデルであれば、ストレスを軽減してくれます。
また、停止中に回転させて子どもの様子を見たり、シートに乗っているときのはき戻しや、鼻水のお手入れなど、お世話もしやすいです。
デメリット
回転機構が付いているため、本体が重いのはデメリットです。
複数の車で付け替えを頻繁にする人は、その度に重いチャイルドシートを持ち運びする必要があります。また、回転機能が付いていないモデルの方が安価です。
「ベッド型」は長距離移動が多い人に最適
利用頻度に加えて長距離移動も多くなる人には、ベッド型にもなるチャイルドシートが、より快適に使えます。
寝ているときと同じ姿勢で運転席からも顔が見えて安心
ベッドで寝ているときと同じ姿勢で車に乗せられるので、長距離移動でも安心です。
進行方向に対して横向きに取付けるため、乗せ降ろしのしやすさは回転型と変わりません。また、おむつの取替えもしやすく、お世話のしやすさはベッド型がより優れています。
通常のチャイルドシートは、1歳ころまで進行方向に対して逆向きに取付けるため、運転席から顔が見えません。そのため、子どもと2人で車に乗る機会が多いと、運転席から子どもの様子が分からず、不安に感じることが多くなります。
ベッド型であれば、運転席からでもバックミラーで簡単に様子を見ることができます。
デメリット
回転機構が付いているため、本体が重いこと、値段がやや高くなることは回転型と同様のデメリットです。また、ベッド型として使うと座席を1.5人分使うため、コンパクトな車には向きません。
コンパクトな車なら「ベビーシート」を、車内空間を広く使える
新生児~1.5歳ころまでに機能を絞っているので、シート自体がコンパクトなのが利点です。軽自動車やコンパクトな車でも車内空間を広く使えます。
コンパクトだから子どもを乗せたままで取り外しできる
isofixの土台とシート本体が分離するタイプが多く、シートごと取り外すことができます。子どもをシートに乗せたままで取外しができるので、寝ている赤ちゃんを起こさずに乗せ降ろしができます。
同一メーカーのベビーカーを購入すれば、シートごとベビーカーにドッキングできるモデルもあります。
また、後部座席が狭い車だと、進行方向に対して後ろ向きにしたとき、チャイルドシートの頭部が助手席の背もたれにぶつかってしまうことがあります。
この場合、助手席を前側へスライドさせる必要があり、助手席のスペースが狭くなってしまいます。ベビーシートであれば、後部座席が狭くても安心です。
デメリット
利用期間が短く、1歳ころに買い替えが必要です。シートがコンパクトなので、子どもの成長が早いと1歳ころには窮屈に感じることもあります。
車の利用頻度が低い人は「ジュニアシート兼用タイプ」が経済的
新生児から、法令上利用しなければならない6歳未満までをカバー。買い替えの必要がないのが魅力です。
シンプル機能で経済的
回転やベッド機能が付いているタイプに対して比較的安価です。また、回転やベッド機能は1歳ころまでしか使わない機能で、その期間に車をあまり使わないのであれば、ジュニアシート兼用タイプが経済的です。
また、実家にもう1台用意したい、妻の車にもう1台用意したいなど、セカンドチャイルドシートとして用意する場合もおすすめです。2人目以降の子どもが生まれた場合も、使用が義務付けられている年齢まで使えるので、利便性が高いです。
デメリット
6年間以上使うので、利用頻度が高いと汚れが目立ってきます。また、3歳以上から使えるジュニアシートはコンパクトですが、ジュニアシート兼用タイプは、新生児から最後まで同じ大きさです。
おすすめisofix対応チャイルドシート9選
機能性が高まれば、その分値段も高くなります。自身のライフスタイルを考え、最適の一台を見つけましょう。
クルリラプラス 360° セーフティー ブルーストーン – アップリカ
回転機能搭載で、片手で簡単に乗せ降ろしできます。側突に対応するためにシート両サイドが反り上がった形状で、子どもをしっかりと守ります。頭部も新生児用インナーパッドでしっかり固定され、首が座っていない内でも安心です。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
クルリラAC(ネイビー) – アップリカ
クルリラプラス 360°と同じ型ですが、isofixとシートベルトを両方利用できるタイプです。古い車にも取付ける機会があるならおすすめです。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
クルムーヴ スマート ISOFIX EG JL-590 ダークグレー – コンビ
クルムーヴシリーズは回転型としてはコンパクトなのが利点です。後部座席が狭い車でも、回転時に車のシートなどにチャイルドシートが干渉することがありません。おわん型の形状は子どもの視界も広くなるので、隣に座っているママパパの顔が見えて安心です。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
クルット 5i グランス ブルーブラン BF925 – エールベベ
エールベベは車の部品メーカー。回転部のベアリングはさすがで、片手でスムーズな回転を実現しています。クルムーヴシリーズ同様におわん型で、サイズはやや大きめ。子供の視界は広くとれ、ジュニアシートに乗り換える3歳ころでもゆったり座れます。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
Arc360° ツートンブラック – ジョイー
ジョイーはイギリスのベビーブランド。日本メーカーに比べると、クッション性や通気性などで劣る部分もありますが、回転型にしては安価で手に入ります。安価ですが、安全性が劣るわけではありません。車の利用頻度は高いけど、長時間車に乗ることが少なければおすすめです。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
フラディア グロウ ISOFIX 360° セーフティー プレミアム(ネイビーウォーター) – アップリカ
ベッド型のチャイルドシートですが、股ベルト付近のレバーを使って片手で回転させることもできます。ポジションの選択肢が広がると、寝ているとき、起きているときで使い分けもできます。車側面への衝撃も想定された設計で、最も機能性が高いモデルです。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
ディアターンプラス ISOFIX AB ネイビー – アップリカ
ベッド型のチャイルドシートでは安価なモデルです。フラディアシリーズに搭載されている日よけのほろや、ベンチレーションと呼ばれる通気性を高める機構が付いていません。
対象年齢は新生児から4歳ころまで。
トラベルシステム スムーヴ インファントカーシート ネイビー – アップリカ
単体ではシートベルト固定タイプで、別売りアタッチメントを購入することでisofix固定もできます。シートに寝かせたままで取外しできるベビーシートで、アップリカベビーカースムーヴシリーズに取付けることもできます。
対象年齢は新生児から1歳ころまで。
ステージス ペイヴメント – ジョイー
新生児から25kg以下(7才ころ)まで使うことができます。これ1台で買い替えの必要ないので経済的です。回転型、ベッド型は重さがあることから、isofix搭載車でも取付けられない車が存在しますが、ジュニアシート兼用モデルはほとんどの車に取付けることができます。
対象年齢は新生児から7歳ころまで。
ライフスタイルに合わせてチャイルドシートを選ぼう
どんなに便利な機能が付いていても、実際の生活シーンで活躍しなければ意味がありません。赤ちゃんと2人で出かける機会が多いか、長距離移動は多いか、車の大きさや所有台数、利用頻度はどれくらいかなど、自分のライフスタイルを考えて選びましょう。
文・構成/HugKum編集部