【医師監修】新生児の授乳時間はどのくらい?長い・短いときの対処法や先輩ママの体験談も

新生児のお世話をしているママたちにとって、一番気になるのは授乳ではないでしょうか。特に新生児の間は、母乳やミルクを欲しがる量の個人差が大きくなりやすい時期。でも、本やネットで調べたりすると時間はどのくらい、などと書いてあることも多く、それよりも長かったり短かったりすることで悩んでしまうママも多いはず。今回は、0歳〜1歳の赤ちゃんがいるママたちに、授乳時間に関するアンケートを実施。体験談もあるのでぜひ参考にしてみてくださいね。

新生児の授乳にかかる平均時間は?先輩ママに調査!

まずは新生児の授乳時間はどのくらいなのでしょう?新生児のうちは、基本的には、赤ちゃんが欲しがったら、そのタイミングで飲ませることを基本に考えればOK。まだ吸う力が弱い子も多く、お腹いっぱいになるのには個人差が大きいからです。赤ちゃんが成長してきたら、体調や食欲、状況によって調節しましょう。

Q.新生児期の授乳にかかる平均時間はどれくらいですか?

新生児の授乳にかかった時間を聞いたアンケートの結果は、10分、15分、20分かかるという人がほとんど同数、で全体の3/4を占めていました。その次に多いのは30分と、結構長くかかるという人が多いようですね。

各授乳時間のママの体験談

各時間ごとに、ママたちの体験談をご紹介。回答数は少なかった授乳時間5分というママは、粉ミルクだと、まだまだ量も少ないので一気に飲み終わってしまうと感じるよう。10分かかったというママたちは、飲む量が少ないように感じると、いろいろ試行錯誤するからか長いと思う人が多いよう。逆に、赤ちゃんがうまく飲めていることが分かると短かったなと感じるようですね。同じように、10分より長い場合にも、しっかり飲めていれば短く感じ、授乳に心配があると長く感じる傾向が。また、15%もいた30分以上かかるというママの場合には、産後の体力もまだ回復していない時期なので、疲れもあり長いと感じる人が多いようですね。また、授乳時間が長いと、やっと終わったのに1、2時間後にはまた授乳となり、一日中授乳をしているなんていう人も。

5分

「完全粉ミルク育児なので、普通だと思う」(20代・奈良県・子ども1人)
「母乳が出なかったので初乳しかあげていないが、短いと思った。」(30代・千葉県・子ども1人)

10分

「母乳が分泌している感覚がなく、左右5分ずつだと飲めていないのではないかと心配だった」(20代・埼玉県・子ども1人)
「上手に吸えないが、飲む量は少ないので短いと思う」(30代・岐阜県・子ども3人)

15分

「しっかり飲んでいたから短いほうだと思った」(20代・静岡県・子ども1人)
「長い。胸が痛くて、手首も痛くて、終わりがないように感じた」(20代・神奈川県・子ども1人)

20分

「長くて疲れたが、もっと飲んでほしいという気持ちが強く、時間をかけて授乳することも多かった」(30代・北海道・子ども1人)
「母乳の時は出にくかったので時間がかかり長く感じましたが、ミルクだと早くて、短く感じました」(40代・兵庫県・子ども2人)

30分以上

「産後1ヶ月は身体がぼろぼろだから長かった」(30代・愛知県・子ども2人)
「一日中ほぼ途切れなく授乳していた気がします。授乳しながら寝たと思ったらまた泣き出してまた授乳、の繰り返しでした」(30代・福岡県・子ども1人)

新生児の授乳時間が長いときの原因と対処法

新生児の授乳が長くて疲れ切ってしまうママも多いようですが、長くなってしまうのはなぜなのか、また対処法をまとめました。悩んでいるママはぜひチェックして。

赤ちゃんが上手に飲めない

赤ちゃんが上手に飲めていないと、お腹いっぱいになるのに時間がかかるので、自ずと授乳時間が長くなりがち。赤ちゃんの吸いつき方が浅かったり、おっぱいを吸うときに唇を巻き込んでいたり、舌打ちするような音がするときはくわえ方がうまくいっていない証拠。

授乳中は、下あごがおっぱいにくっつくくらい赤ちゃんを引き寄せて、赤ちゃんとママの体が密着するようにしましょう。しっかり飲めれば早くお腹いっぱいになってくれるはず。

授乳姿勢が良くない

授乳姿勢が良くないと、赤ちゃんが上手に飲めない原因にも。授乳クッションなどを上手に使って、赤ちゃんとおっぱいの高さを合わせるのが大切。

また、いつも同じ向きで授乳していると、おっぱいの出る量が少なくなってしまうことも。基本の横抱き、縦抱き、脇で抱えるようにするフットボール抱きなど向きを調整することで、全体からおっぱいを飲ませることができます。また、おっぱいをしっかり空っぽにできるのでママの乳腺炎の予防にもなります。

遊び飲みしている

遊び飲みが始まるのは3、4ヶ月頃が多いのですが、子どもによって時期は変わります。新生児期でも、音や光には反応するので、授乳中に他に興味を惹かれるものがあると、チラチラ見てしまったりと授乳に集中してくれないことも。授乳中はテレビの音を小さくしたり、消したり、スマホを見るのをやめたりと環境を整えてあげると落ち着いて飲んでくれるはず。

母乳の出が悪い

ママの母乳の出がもともと良くないと、どうしても赤ちゃんはお腹いっぱいになりにくく、授乳時間が長くなってしまう原因に。母乳外来を受診したり、母乳マッサージに行ったり、家でケアしたりとおっぱいの出が良くなるようにすると授乳時間も短くなるかも。でも、もともと母乳の量が少ない人もいるので、その場合は無理せずミルクを足すのがおすすめです。

新生児の授乳時間が短すぎるときの原因と対処法

長い場合とは逆に、短い場合にも大丈夫なのか心配になることはありますよね。理由と対処法をまとめました。

短い時間で飲めている

赤ちゃんが上手に飲めていたり、ママのおっぱいの出がいい場合には、短時間でもしっかり飲めているもの。飲んでいる姿をよく観察して、ゴクゴクと飲んでいるようであれば問題ないでしょう。

飲んでいるあいだに疲れてしまう

おっぱいを飲んでいるうちに、ウトウトしてきてしまったり、飲み方が弱くなってしまっている時には疲れてしまっているのかも。授乳間隔を短くしてこまめにおっぱいをあげるようにしましょう。ただ、きちんと体重が増えているようであれば問題はないもの。逆に体重が増えていない、排泄回数が少ないなど心配な点がある時には、病院に相談しましょう。

間隔はどのくらい空けるのがベスト?

基本的には、赤ちゃんが欲しがったら、そのタイミングで飲ませることが基本。ただ、赤ちゃんが成長してきたら、体調や食欲、状況によってだんだん間隔を伸ばしていけるようになります。

新生児の授乳の間隔

新生児期の授乳間隔は、3時間おきが基本パターンとなります。目安の回数は1日8~10回 。ただし、あくまでも目安です。排泄パターンと同じく、授乳パターンや回数にも個人差がありますので、「絶対に3時間おかなければならない!」と神経質になることはありません。特に母乳の場合、赤ちゃんに吸われるほど分泌が促されることもあり、赤ちゃんが欲しがったときに欲しがるだけ母乳をあげる「自律哺乳(じりつほにゅう)」を原則に、回数や間隔にとらわれずあげることを勧める病院もあります。

ミルクの場合も3時間おき(1日7~8回)が目安 となります。でも、ミルクは母乳に比べて消化吸収が遅く、お腹がすきにくいため、赤ちゃんが欲しがるだけあげると飲みすぎになることも。できるだけ目安の量と間隔を守るようにしましょう。

生後3〜4ヶ月くらいになると授乳間隔が安定

生後3~4ヶ月頃になると、赤ちゃんの胃袋は若干大きくなり授乳にも慣れてきます。母乳を飲んでいる赤ちゃんの場合、一般的には1日8回前後の授乳回数で安定してきます。一度にたくさんの量の母乳が飲めるようになると、赤ちゃんによっては夜中にまとめて寝る子もいるので、夜間授乳の間隔は空いてくる場合もあります。でも、一度に大量の母乳を飲めない赤ちゃんも多いため、栄養面を考えると、3~4ヶ月頃までは夜間授乳も含めて間隔を整えるのがポイントです。

生後5〜6ヶ月になったら夜間授乳はなしの場合も

離乳食が始まる時期になると、1回の授乳や離乳食でしっかり食べられて、空腹で起きないようになってきます。夜も、寝る前に授乳をすれば朝までぐっすり眠れる子も。その分、夜の授乳間隔は空くことに。ママのおっぱいが溜まってしまい、張って痛い時には軽く搾乳するのがおすすめです。

新生児が母乳をずっと欲しがるのはなぜ?

生まれたばかりの赤ちゃんは、体も胃袋も小さいので一度にたくさんの母乳を飲むことができません。また、新生児期はまだ哺乳力が弱く、上手に飲めないこともあって1回の量をしっかり飲み切れないことも。赤ちゃん個人に合わせて量と間隔を調整してあげるようにしましょう。

授乳のために寝ている赤ちゃんを起こしてもいい?

新生児の赤ちゃんは、2、3時間おきに寝たり起きたりを繰り返しているので、起きたタイミングで授乳をすればいいことになります。でも、赤ちゃんによって睡眠サイクルにも差があるので、4時間程度起きないことも。授乳をするために起こす必要があるのか、起こすタイミングについてまとめてみました。

あまりに起きない…病気の心配はない?

赤ちゃんの睡眠には差があるので、基本的には問題ないことがほとんどですが、熱や体調が悪くて起きてこない場合もあるので、体温を確認したり、顔色が悪くなっていないかなどを確認しましょう。

授乳は赤ちゃんが起きてからでも大丈夫

赤ちゃんの睡眠サイクルについてはばらつきがあるので、長めに寝るような子であれば、わざわざ起こさなくても大丈夫。ツンツンと軽くつついて起きないようであれば、そのまま寝かせてあげて、起きた時にしっかり授乳してあげましょう。

赤ちゃんを起こした方がいい目安は?

おしっこがあまり出ていない、汗をぐっしょりかいている時は、脱水状態になってしまう可能性があります。また、体重の増えが良くない場合にも、なるべく授乳回数を増やした方がいいので、トントンと優しく起こしてあげましょう。

新生児の授乳間隔は赤ちゃんによって差が大きい

新生児の授乳間隔については、その子ごとの個人差が大きいものです。基本的には授乳回数が長い・短いに大きな問題があることはありません。不安に感じる場合には、飲ませ方の工夫を試みたり母乳外来などを頼るのがオススメです。

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記事監修

広島中央通り香月産婦人科 産科・婦人科部長
信実 孝洋

広島県広島市「広島中央通り香月産婦人科」医師。
女性・妊婦とその家族にやさしく寄り添う医療がモットー。
よりよい周産期・分娩管理ができるよう、自分自身だけでなくチームスタッフへの教育にも力を注ぐ。また、生まれつきの異常がある児の妊娠分娩だけでなくその後の成長過程も多数経験。出生前診断についての相談も。

文・構成/HugKum編集部

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