男女ともに人気の名前「いつき」。実は「いつき」には神職に関わる重要な意味が隠されていました。ひらがなのままでも十分良い名前ですが、漢字の名前にはどんなものがあるのでしょうか。
今回は、「いつき」の持つ意味や「いつき」と読む人気の漢字についてご紹介します。
「いつき」の持つ意味
ひらがなの名前で名付けるのなら、「いつき」と読むさまざまな物事・人物に関連付けることができます。
神に仕える清らかな存在「いつき」
古来より神に仕える者は斎(いつき)と呼ばれていました。また斎は、神事の際に身を清め節制することも指します。斎の字は斎院(さいいん)、斎宮(さいぐう)など、神職やその部署の名に使われることも。このことから名前の「いつき」にも、清らかさや正しさのイメージが持たれます。
ある場所に根を張るという意味の「いつき」
「居着き」「居付き」は人や魚がその場所に定住することを指します。長じて「いつき」という名前には、落ち着いて根を張るという意味も込められます。
「いつき」の読みの名前は「樹」が一番人気!
木へんに太鼓の形をあらわす壴、手の指の幅をあらわす寸から構成される樹は、農耕で木を立てて支えるさまを意味します。「き」「じゅ」「たつ」「たつき」「いつき」などさまざまな読み方がある樹は、大地にどっしりと根を張る木々など安定のイメージから、名前でも好んで使われる漢字です。
また樹は、「いつき」と読む名前の中でも特に人気の高い漢字。また「一樹」や「乙樹」など、他の漢字と組み合わせて「いつき」と読ませる名前もあります。
名付けのポイント
赤ちゃんの名付けのときには、どのような点に気を付けるべきなのでしょうか。
名前の字画は運勢を左右する
姓名の字画は、人の運勢を左右すると言われています。気になる方は名付けの際に調べてみましょう。名前の字画はWebサイトで簡単に調べられますが、本格的に検討したい場合は姓名判断を行っている神社やお寺に出向き、専門家に相談してみてください。
言葉のイメージ
名前は口に出して呼び合うものです。実際に発音してみて、名字とのバランスも検討してみましょう。
子どもがその名前で呼ばれる様子を想像しながら考えてみましょう。
どんな意味を込めるか
子どもの健やかな成長や、どんな人に育ってほしいかなどママパパの願いを名前に込めましょう。縁起の良いものや、好きな言葉の響きを取り入れても◎。
憧れの人や家族・親戚の名前から1文字を頂くのも、昔からのポピュラーな名付け方法です。その人物の功績や性質にあやかれます。
「いつき」と読むおすすめの名前
「いつき」に当てる漢字の名前のなかでも特におすすめのものをご紹介します。
一樹
一には数の意味だけでなく物事の始まりや唯一無二、最高を意味し、その縁起の良さから名前でも好んで使われます。また樹という漢字は、大地に根を張り空に向かってどこまでも枝を伸ばすさまから、子どもの成長や繁栄を願って用いられます。一樹という名前は、高みを目指して成長し続ける人という意味が込められる名前です。
一季
四季や季節の熟語でよく知られる季は、移り変わりめぐる季節のありようにちなんで、しなやかさな美しさを願い名付けに用いられます。一季という名前には、しやなかな唯一無二の魅力を持つ人、という意味が込められます。
一貴
両手で貝を捧げ持つ人の姿をあらわした貴は、重要で珍しいものや地位の高さを意味する漢字です。名付けにおいては誇り高さや気品、名付けられた子どもが大切な存在であることを意味します。一貴という名前には、ママパパにとっていちばん大切な子という意味や、誰よりも高貴な精神を持ってほしいという願いが込められます。
五月
月はそのイメージから、穏やかで理性的・神秘的な雰囲気を持たせることができる漢字です。また月の光のように、周囲の人を優しく明るく照らす人という意味も込められます。五月という名前は生まれ月にちなむのはもちろん、五という数字に縁のある赤ちゃんや、生命力に満ちた新緑の季節をイメージして名付けても良いでしょう。
音月
音楽の才能に恵まれることを祈って名付けに用いられる音には、ほかにも音楽のように人を楽しませ、心に明りを灯す人になってほしいという願いが込められます。音月は、音楽に秀で、周囲の人の心を明るくすることのできる人という意味が込められる名前です。
惟月
思慮深さや深い思いをあらわす惟は「い」「しい」「これ」「ただ」などさまざまな読みを持ち、古くは武将の名前にも好んで用いられた漢字です。惟月という名前には、物事を深く考察する賢さや思いやりにあふれる心、月の光のような優しさを願うことができます。
樹季
風雨に耐え、たくましく成長する樹は名前では少し珍しい「いつ」という読み方も持つ漢字です。大地にどっしりと根を下ろすイメージから、樹には落ち着きや忍耐力、末長い繁栄などの意味が込められます。また季は4つの季節それぞれが人に恵みや楽しみをもたらすことから、人に与えることのできる力という意味を持たせられます。この2つを組み合わせた樹季という名前には、その場に深く根を張りつつも環境に応じてしなやかに変化し、人の助けになるようにという願いを込められます。
逸希
行くという意味のしんにょうに兎(うさぎ)を組み合わせた逸という漢字は、逸脱や秀逸などの熟語からも分かるように、物事が一般的なラインを飛び越えている様子を意味します。また希望、希有などの熟語のように貴重や願いといった意味を持つ希も、名付けでは好んで使われる漢字です。逸希という名前には、既存の枠にとらわれず自分のスタイルを打ち出すことができる力を願うことができます。
維序
糸へんにルールなどに従うことを意味する隹を組み合わせた維は、名前においては人との縁が続くことも願って用いられる漢字です。また秩序、順序などの熟語で知られる序という漢字には、物事の糸口をつかむことができる力を願うことができます。維序という名前には、人とのつながりを大切にし、また周囲の人と助け合いながら取り組む課題の解決方法がつかめる人という意味が込められます。
厳
厳は「げん」「いわお」などの読みのほかに「いつき」の読みも持つ漢字です。神々の住む山や神聖な儀式を行うステージをあらわす部首が組み合わされた厳という字は、厳しさやたくましさ、おごそかな様子をあらわしています。名前においての厳には、妥協せず物事に取り組む己への厳しさや、困難に打ち勝つたくましさ、また威厳のある大人になりますようにという願いが込められます。
伊槻
元々は杖を持った聖職者をあらわす伊は、名前においては人の上に立つリーダーの資質を願って用いられる漢字です。また槻は「き」「つき」などの読みを持ち、木目が美しく丈夫な木材となるけやきの一種を指す名称でもあります。伊槻という名前には人の役に立ち、人々を導く能力を持つ人になってほしいという願いや、丈夫な体を持ってほしいという意味が込められます。
柔らかく凛としたイメージの「いつき」を名前候補に!
奥深く神秘的な由来を持ち、また選ぶ漢字次第で、込める意味も変わる「いつき」。響きが気に入ったのなら、納得の行く漢字を探してみましょう。ひらがなでも、漢字を当てても良い名前となる「いつき」をぜひ、名前候補に入れてみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部