子どもの言葉遣いを直す方法は? 乱れる原因や言葉遣いを学べる本も紹介

子どもの言葉遣いが悪いと、親としては大変気になります。子どもは、周囲の影響を受けて言葉を覚えていくものです。正しい言葉遣いを身に付けさせるためには、普段の生活を見直すことが大切です。言葉遣いが乱れる原因と対処法、参考にしたい本を紹介します。

言葉遣いが乱れる時期や原因とは?

子どもが急に乱暴な言葉を使いだしたり、威圧的な話し方をするようになったりして、戸惑う親は少なくありません。教えたわけでもないのに、なぜ言葉遣いが悪くなるのでしょうか。

主な理由を見ていきましょう。

周りの環境が変化するとき

幼稚園・保育園の入園やクラス替え、習い事などで新しい環境になったとき、子どもの言葉遣いが変化することがあります。

幼稚園から小学校低学年は、たくさんの言葉を吸収して覚えていく時期です。

子ども達は初めて耳にする言葉に興味津々で、よい言葉も悪い言葉も区別なく覚えます。クラスの友だちが使っている耳慣れない言葉を新鮮でかっこいいと感じ、自分も使いたくなるのです。

そのため、今まできれいな言葉しか知らなかった子も、新しい友だちが増えたとたんに、悪い言葉を使うようになります。

子どもは言葉をまねて覚える

子どもは周囲の話を聞き、まねることで言葉を覚えます。赤ちゃんの頃は家族の声がけやパパとママの会話から、大きくなると友だちやテレビ番組の音声などから、言葉を吸収します。

意味や良し悪しに関係なく、新しい言葉はどんどんまねをして、自分のものにしていくのです。このため一般的に不快とされる悪い言葉も、そうとは知らずに使ってしまうことがあります。

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大人の言葉も一度見直してみよう

子どもの言葉遣いに最も影響を与えるのは、毎日長い時間を一緒に過ごしている親です。子どもは直接会話していないときでも、親の口から出る言葉をよく聞いています。

夫婦間の会話や、兄弟を叱るときなどに悪い言葉を口にすれば、子どもがまねする可能性も高くなるでしょう。

子どもの言葉遣いが悪くなったと感じたら、自分達が普段使っている言葉も一度見直してみましょう。大人が使いがちな、よくない言葉を紹介します。

「早くしなさい!」「もう知らない!」

親は子どもが言うことを聞かないと、ついイライラして命令したり、突き放したりするような言葉をかけてしまいがちです。「早くしなさい!」や「もう知らない!」などは、誰でも一度は言ったことがあるのではないでしょうか。

しかし、もし子どもが友だちとの会話でこのような言葉をまねすると、「早くしろよ」「知らねえよ」といった、威圧的な言葉遣いになってしまいます。

子どもはただ親をまねただけかもしれませんが、言われた方は傷つき、周囲の人も不快な思いをするでしょう。普段から感情的に子どもを叱ってしまう人は、早めに修正しましょう。

ポイントは、子どもの人格を尊重することです。夫や友人など、自分と対等の立場の人に対して、「早くしなさい!」などと言う人はいないはずです。

子どもも自分と同じ立場と考えれば、もう少し柔らかい表現ができるのではないでしょうか。

「やばい」「うざい」

自分では気を付けているつもりでも、思わず「やばい」や「うざい」のような汚い言葉を使ってしまうことがあります。

特に、車の運転中や夫婦喧嘩で頭に血がのぼったときは、乱暴な言葉遣いをしがちなので注意が必要です。

子どもがまねしないよう、普段から丁寧な言葉を選ぶように意識するとともに、子どもの前で言い争うのもやめましょう。

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言葉遣いを直さないとどうなるの?

小さな子どもが面白がっているだけだからと、悪い言葉遣いを放っておいても、よいことは何もありません。言葉遣いを直さないとどうなるのか、具体的に見ていきましょう。

相手を傷つけてしまうことがある

言葉遣いを直さないと、自分の意思とは関係なく相手を傷つけてしまうことがあります。

例えば、レストランで注文した料理がなかなかこないとき、店員に向かって「早く持ってこい」「もたもたするな」などと威圧的な言い方をすれば、言われた店員はもちろん、他の客や一緒にいる相手も嫌な思いをするでしょう。

しかしほとんどの場合、言った本人に悪気はありません。「料理を早く持ってきてほしい」という気持ちを、身に付いた言葉遣いで表現しただけなのです。

また、乱暴な言葉遣いが習慣化すると、毎日一緒に暮らす家族にもストレスがかかります。言葉遣いのせいで大切な人を傷つけることになっては残念ですから、できるだけ早く直してあげる必要があります。

相手から誤解されやすくなる

本当は優しいのに「乱暴で怖い人」と思われたり、繊細なのに「がさつな人」と思われたりと、言葉遣いが悪いだけで相手から誤解されることもあります。

美しい外見の人が、下品な言葉を使ったために幻滅されることも珍しくありません。

また、威圧的で乱暴な言葉を口にする人は友だちができにくく、どこに行っても相手にしてもらえないでしょう。言葉遣いの悪さは、幸せな人生の足を引っ張るといっても過言ではないのです。

子どもが悪い言葉を使ったときの対処法

子どもが悪い言葉を口にしたら、どのように対処すればよいのでしょうか。ほとんどの子どもは、言葉の意味をよく理解せずに使っています。

親としては、悪い言葉だということや、使ってはいけない理由を分かりやすく伝える必要があるでしょう。効果的な対処方法を解説します。

目を見て冷静に対応する

子どもは新しい言葉を仕入れたとき、周りの反応を試したくなるものです。特に、親の反応を見たい気持ちが強く、慌てたり必死に止めたりすればするほど、調子に乗ってしまいます。

悪い言葉の中にも、大目に見てよいものと、絶対に使ってはいけないものがあります。

例えば、「うんち」などの下品な単語や、世間で流行しているフレーズなどは、一時的に面白がって使っているだけなので大目に見ても問題ありません。あまり目くじらをたてず冷静に対応しましょう。子どももある程度使ったら気が済んで、自然に言わなくなります。

使って欲しくない言葉を止めさせる場合は、言った直後に子どもの目を見て厳しく注意します。何かをしながらでは真剣さが伝わらないため、家事などで忙しくても手を止めて、きちんと向き合いましょう。

使ってはいけない言葉を理由付きで教える

使ってはいけない言葉は、理由もセットで教えると効果的です。

ただ「やめなさい」というだけでは、子どもはなぜ怒られているのか分かりません。怒られたために一時的に使うのをやめたとしても、理由を理解していなければまた使ってしまうでしょう。

例えば、「キモい」「死ね」などは、自分が言われたらどんな気持ちになるのかを考えれば、使ってはいけないということがよく理解できます。

「自分がそんなことを言われたら、嫌な気持ちになるよね?○○君もきっと同じだよ」「あなたがそんなことを言うと、ママも辛くなるよ」のように、分かりやすく教えてあげましょう。

別の表現方法を教える

乱暴な言葉遣いをする子どもには、別の表現方法を教えてあげるのも効果的です。子どもは自分の気持ちをうまく表現できずに、乱暴な言い方になってしまうことがよくあります。

何でも「うざい」と言ったり、いつも命令口調だったりするのは、他の言い方を知らないだけかもしれません。言葉遣いだけを注意して正しい表現方法を教えなければ、どうすればよかったのかが分からないままになってしまいます。

本当はどうしたかったのかを子どもから聞き出し、その気持ちにふさわしい表現方法を教えてあげましょう。しっかり話を聞くことで、子どもも親が自分を理解してくれていると分かり、安心できます。

くり返し注意し、直せたら褒める

一度身についた悪い言葉遣いは、すぐには改善できません。2~3回注意しただけで諦めず、直るまでくり返しましょう。正しい言葉に直せたら、きちんと褒めることも大切です。

褒められれば子どももうれしくなり、他の悪い言葉も使わなくなります。

言葉遣いだけではなく、近所の人にあいさつできたときや脱いだ靴をそろえたときなど、普段の行動も褒めてあげると、より効果的です。

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言葉遣いやマナーを学べるおすすめの本

子どもの言葉遣いを直すには、大人も正しい知識を持っていなければなりません。マナー教育の参考になる、絵本や手引書を紹介します。

小さな子どもと楽しく学ぶ「4・5・6さいの きもちをつたえる ことばのえほん」


日常生活でのコミュニケーションに必要な言葉を体験できる、幼児向けの絵本です。幼稚園・保育園入園や小学校入学前の子どもにおすすめです。

「おはようございます」「いただきます」などの基本的なあいさつはもちろん、「きをつけてね」のような相手への気づかいや、「ありがとう」「やめて」といった自分の気持ちを正しく表現する方法を、いろいろなお話を通して身につけられます。

大人向けの解説付き「こどもマナーとけいご絵じてん」


学校生活から友だちとの遊び、旅行、冠婚葬祭まで生活のあらゆるシーンで役立つマナー集です。シーンごとに豊富なイラストを使って解説しており、必要なマナーが一目で分かります。

幼児から小学生が対象の本ですが、最新の敬語の使い方や大人向けの解説もあり、親も一緒に学べます。

基本のマナーを学ぼう「10歳までに身につけたい一生困らない子どものマナー」


言葉遣いやお辞儀の仕方、食事のマナー、お風呂やトイレのきれいな使い方など、大人になってからも役立つ作法が身につく本です。

小学生が親しみやすい文章と挿絵を使って、なぜマナーが必要なのかを丁寧に教えてくれます。子どもと一緒に読んで、共に実践してみるとよいでしょう。

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大人がお手本となる言葉遣いをしよう

子どもは周囲のまねをしながら言葉を覚えます。親や友だち、テレビなどの影響で言葉遣いが悪くなるのはよくあることです。子どもが悪い言葉を口にするようになっても慌てずに、落ち着いて対処すれば問題ありません。

とはいえ、言葉遣いが悪いままでは困ります。乱暴な言葉や威圧的な態度は誤解を招くばかりか、他人を傷つけることもあります。

大人がお手本となり、言ってよいことと悪いことをきちんと区別して、根気よく伝えていきましょう。

文・構成/HugKum編集部

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