柚子と、すだち・かぼすの違い
突然ですが、柚子とすだち、かぼすを見分けることはできますか?
これらの柑橘類は、よく大きさで表現されます。一番大きいのは、「かぼす」でテニスボール大。最も小さいのは、ゴルフボール大ほどの「すだち」。「柚子」は成長の度合いによって異なりますが、かぼすよりもやや小さめが一般的です。
3つとも柑橘類のためビタミンCは豊富ですが、中でも断トツ1位は柚子! 100gあたり160㎎も含まれています。このビタミンCの含有量は、実はレモンよりも多いのです。
柚子の保存方法
この時季の柚子は入手しやすいので、どんどん使っていきましょう。保存は正しく、できるだけ長く美味しさをキープさせたいもの。さっそく、常温・冷蔵・冷凍の保存法を、それぞれ解説していきますね。
柚子を常温で保存
柚子を常温で保存する場合は、かごなど通気性に優れたものに入れること。風通しの良い冷暗所に置いておくのが基本です。
柚子を冷蔵で保存
冷蔵保存する場合は、ポリ袋を使うこと。乾燥を防ぐために口は軽く閉じ、冷蔵庫の野菜室で保存してください。
柚子を冷凍で保存
柚子は丸ごと冷凍することもできます。よく洗ってから冷凍用保存袋に入れて冷凍庫へ。冷凍する場合は、水で洗った時に水分を完全に拭きとらないこと。氷の膜を作るのがポイントです。
冷凍した柚子の状態です。きれいな氷の膜がうっすら見えますか? 冷凍みかんは有名ですが、冷凍柚子も便利です。
柚子果汁のみで冷凍保存する場合
果汁のみの冷凍は、レモン果汁の冷凍法と同じ。↓ 以下の記事から確認してください。
柚子をジャムや砂糖漬け(保存食)にして保存
大量に柚子を消費したい場合は、柚子ジャムを作りましょう。柚子の皮を刻むのが少し手間ですが、手作りの美味しさは格別。さまざまな料理にも使えるのでおすすめです。柚子と砂糖のみで作る柚子ジャムのレシピは、こちら!
材料/作りやすい分量
柚子(中)…5個
てんさい糖(好みの砂糖で可)…30g
作り方
1. 柚子は皮ごとよく洗い、横半分にカットして果汁と種、皮に分ける。
2. 皮の白い部分は包丁で除き(柚子の苦みが好きな方は少し残してもよい)千切りにする。
3. ②の柚子の皮は、お湯で2~3回ほど茹でこぼす。
4. 鍋に水を切った③と①の果汁、種(お茶パックなどに入れるとラク)を入れて蓋をし、弱火で30~40分ほど煮る。とろみがついてきたら火を止める。
5. 煮沸消毒した清潔な瓶に熱いうちに移し、瓶を逆さまにして冷ます。
※このレシピは甘さが控えめなので、好みで砂糖をプラスしても◎。蜂蜜を足しても美味しいです(ただし1歳未満のお子さんには蜂蜜をあげないでください)。
柚子の保存期間
次に柚子の常温・冷蔵・冷凍での保存期間を確認していきましょう。
柚子を常温で保存した場合の保存期間
風通しのよい冷暗所で常温保存した場合、2週間ほど保存可能。
柚子を冷蔵で保存した場合の保存期間
ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室などで保存した場合、1か月ほど保存可能。
※低温障害を防ぐため、10℃くらいの野菜室での保存が適しています。
柚子を冷凍で保存した場合の保存期間
前出の方法で「氷の膜」を作って冷凍保存した場合、約2か月ほど保存可能。
柚子果汁の保存期間
柚子の果汁を冷凍保存した場合、約1か月ほど保存できます。冷凍焼けをしやすいため、なるべく早めに使うこと。
柚子をジャムや砂糖漬け(保存食)にした場合の保存期間
通常のジャムは、砂糖が多めなので常温の長期保存向き。ただ、先ほどご紹介した手作りジャムは砂糖が少ないので、冷蔵庫に入れて約1か月ほどで食べ切るのがおすすめです。
柚子ジャムの活用法
柚子ジャムとして保存すれば、さまざまなアレンジが楽しめます。ジャムを作っても使い切れる自信がない方は、要チェックです!
柚子茶
柚子ジャムを好みの量カップに入れ、お湯を注げば柚子茶に。お湯を注いだ瞬間、柚子のアロマがふわりとして、癒しの時間を作ってくれます。
柚子ドレッシング
柚子ジャムがあれば、柚子ドレッシングもすぐ作れます。ベビーリーフにかけるだけで、柚子の香りが爽やかなサラダに変身します。簡単な柚子ドレッシングのレシピもご紹介しておきますね。
材料/作りやすい分量
柚子ジャム…大さじ1
米酢…大さじ1
オリーブオイル…大さじ2
塩・胡椒…各少々
すべての材料を混ぜて乳化すれば完成です。生野菜にかけて召し上がれ♪
隠し味として
柚子ジャムは、煮物にプラスすれば隠し味にも最適。いつもの煮物に柚子ジャムを大さじ1程度、加えてみてください。風味豊かに仕上がります。
柚子の健康効果をじょうずに利用
柚子の保存方法と柚子ジャムのアレンジ料理はいかがでしたか? レモンよりもビタミンCが多い柚子は、旬の時期にこそ積極的に摂って欲しいもの。特にビタミンCは、疲労回復効果や不足しがちな鉄分の吸収を高めてくれる優良食材です。ベストな保存法をみつけて、日々の食卓にお役立てください。
撮影・文/川越光笑(たべごとライター・栄養士)
参考資料:日本食品成分表2019年版