環境問題について考えよう! 環境を守るために身近に対策できることとは?

SDGs (持続可能な開発目標)への関心が高まりを見せる昨今、環境問題の解決に向けた活動が様々なかたちで行われています。今一度、現存している環境問題の種類や、身近にできる対策について考えてみましょう。

地球の環境問題の種類はさまざま

いま、この地球がどのような環境問題を抱えているかご存知ですか?

地球温暖化、大気汚染、土壌汚染、水の汚染、ごみ問題、エネルギー問題…  たとえ実感できなくとも、そのどれもが本当に起きていること。このまま進み続けると、人間や他の生き物が、将来的には、地球に住めなくなるほどのさらなる問題に発展する可能性があります。

人間の文明が進んだことで生じたこれらの問題は、誰にとっても他人事ではないはず。ですが、興味・関心の程度は人それぞれかもしれません。

一般には、どのくらいの人が環境問題に関心を持っているのでしょうか。HugKumメルマガ読者のご家庭を対象に、アンケート調査をしてみました。

Q.地球の環境問題について関心がありますか?

寄せられた回答で最も多かったのは、『多少関心がある(48.3%)』で、全回答の過半数近くを占めました。そして、次に多かったのが、『あまり関心がない(29.2%)』。その次が『とても関心がある(12.5%)』で、『関心がない(10.0%)』が最も少ない回答となりました。多くの方々が、多少なりとも環境問題に関心を寄せていることがわかりますね。

さらに、『とても/多少関心がある』とお答えくださった方々の興味のきっかけも調査。きっかけとしては、メディアやSDGsの話題を通じて環境問題の深刻さを知ったことや、異常気象を実際に体感をしたことなどが目立ちました。

下記では、回答に添えられたコメントをご紹介します。

「温暖化が深刻化しているので、エアコンの温度等で節約し、いろいろ気にするようになりました。」(30代・宮城県・子ども1人)
「毎年、梅雨の時期に発生する線状降水帯や台風の被害が各地で発生したりするのがきっかけで関心を持つようになった。」(30代・千葉県・子ども2人)
「マイクロプラスチックの問題。使っているプラスチック製品が劣化して粉が出ているのを見て、身近なところから環境汚染が起こるのだと思った。」(40代・三重県・子ども1人)
「子どもが生まれてから住みやすい環境の中で生きていって欲しいと思うようになった。」(40代・千葉県・子ども1人)
「SDGsが話題になることが増えたから」(30代・東京都・子ども3人)
「世界各地で動物たちが絶滅したり、生活場所を奪われていることを色々な場面で知ってから」(30代・神奈川県・子ども1人)

身近な環境問題について考えてみよう!

環境問題が注目を集める一方で、いまいち実感がわかず「自分ごととしては捉えられない」という方も、もちろん少なくはありません。しかし、このまま進行すると、環境問題は家庭や日常生活にもさらなる影響を及ぼす可能性があります。

そこで、環境問題における「身近な問題」に焦点を当てて、ここではその原因や特徴を解説していきます。

地球温暖化

代表的な環境問題として、まず挙げられるのが「地球温暖化」。人間活動によって、大気中のメタンやフロン、二酸化炭素といった「温室効果ガス」の濃度が高まり、地表面の温度が上昇する問題です

このまま温暖化が進むと、北極や南極の氷河が溶けて海面が上昇…さらなる異常気象を引き起こし、食料の入手が困難になったりと、われわれの生活や健康にも大きな被害がおよぶ可能性があります。

したがって、温暖化の進行を防ぐために、温室効果ガスの排出量の減少に、早急に働きかけていく必要があります。

海洋汚染

また、「海洋汚染」もおなじく深刻な環境問題のひとつ。その主な原因は、工業排水や生活排水、船舶の事故による油の流出、また、わたしたちが使い捨てているペットボトルやビニール袋などのプラスチックごみを含む、ごみの不法投棄といわれています。

これらの原因によって、ごみや油、化学物質を摂取してしまい、大量死してしまう生物がいたりと、海洋汚染の影響はすでに現れていると言えます。

この状態が続くと、海洋生物が減少し、生態系のバランスが崩れることに…。これまで慣れ親しんできた海洋生物の数までもが減ってしまうことが予想されます。食卓に並ぶ魚介類が減少したりと、私たちの生活にも影響は及ぶでしょう。

ごみ問題

わたしたちが日々何気なく捨てているごみは、いったいどこへ行くのでしょうか?

日本では、ごみは資源として再利用されたり、焼却処理の後に埋め立てられたりしています。しかし、処分場や埋め立てる場所には、もはやさほどの余裕があるわけではありません。また、ごみの焼却には二酸化炭素の発生が伴うので、ごみが出るほどに地球温暖化を進めてしまうことに。

産業廃棄物はもちろんのことですが、それぞれの家庭でもごみを減らすよう気をつけていきたいですね。

オゾン層の破壊

人間の生活必需品ともいえる冷蔵庫やエアコンの多くの機種からは、「フロン」と呼ばれる温室効果ガスが排出されます。「フロン」は効率よく冷却に働く化学物質ですが、先述したように、地球温暖化に大きな影響を与える性質を持ちます。さらに、大気中の紫外線と作用することで、オゾン層を破壊するという大問題も…。

オゾン層とは、太陽光に含まれている有害な紫外線を、地球の表面で吸収する層。強すぎる紫外線から人間や生物を守ってくれています。

つまり、フロンによるオゾン層の破壊は、人間の健康被害に直結するということ。エアコンを購入する際は、フロンを排出しないノンフロンタイプのエアコンを選ぶなど、これもまた、企業や一般家庭のひとりひとりがフロンを出さないように心がけていく必要があります。

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家庭でできることは?みんなの取り組みを調査

これらの問題に対して、国際社会では「パリ協定」をはじめとしたさまざまな条約を締結。脱炭素社会の実現や海洋プラスチックごみの削減など、環境保全に向けた多岐に渡った国際的な取り組みをしています。

さらに、「SDGs(持続可能な開発目標)」として、2030年までの「17の目標」が掲げられたことも大きなできごとでした。このゴールに向けて、各国が協力して活動をはじめています。

とはいえ、環境問題は「国」という単位だけではなく、企業や一般家庭のひとりひとりが共に考えていくべきこと。

では、個人としてのわたしたちには、どのようなことができるのでしょうか。HugKum読者のご家庭ではどんな取り組みをしているのか、アンケートで聞いてみました。

環境問題について家庭内で話し合う

まずご紹介するのが、「環境問題について家庭内で話し合う」。自分たちの生活に直結する問題として、子どもが幼いうちから「環境問題について考えていきたいこと」を家族間で共有。そうしてきたことで、家庭内では環境保全に対する意識づけができている、と実感する声もありました!

「海でよく遊ぶので、海のプラスティックゴミ問題はよく話題にでます。砂浜でプラごみをみかけると、ダメだね、クジラとかサカナが食べちゃうね、という話しになる。目立ったものは一緒に拾って家で捨てようとなる。」(30代・神奈川県・子ども1人)
「自分が子供の頃はこんなに気温が高くなかったとか、気象系の警報がこんなに頻繁に出なかったとかそういう身近な話から、北極の氷が溶けている話しなど、時々する。電気をこまめに消したり、水筒を持って歩く、買い物の時はエコバッグを持っていくようになった。 (40代・兵庫県・子ども3人)
「水がなくなったら、地球や植物や動物、自分たちの生活はどうなるか、話したことがあり、当時長男は幼稚園児だったが真剣に聞いていた。今は小学6年生だが、幼稚園児の次男が水をムダ使いしていたら、同じように話して聞かせたりしていた。身体や、髪を洗う間は水を止めたり、電気はつけたら消すを徹底している。」(40代・高知県・子ども3人)

マイボトル・エコバッグを持ち歩く

「マイボトル・マイエコバッグを持ち歩いている」との回答も目立ちました。処理の際にCO2を排出するコンビニのビニール袋やペットボトル。マイボトルやマイエコバッグを持参することで、わずかながらもその削減ができますね。

「マイボトルのお陰で、ペットボトルを捨てなくてすむので、ごみ捨てが楽にもなった」(40代・愛知県・子ども2人)
「エコバッグを使うことでビニール袋を大事に使いようになった。」(30代・新潟県・子ども2人)
「エコバッグは何回くらい使うと環境的にもとがとれるのかなあと思いつつ、破れそうなエコバッグを補修しながら使っている。」(40代・東京都・子ども3人)

節電・節水の行動

また、日々の生活の中で、節電や節水をしっかり気をつけている方も多いようです。使わないコンセントは抜く、洗濯物はお風呂の残り湯を使う…などなど。何気ないことですが、小さな積み重ねが大きな環境保全につながっていくはず。

「できる限り電化製品を使わない。電気料金も下がるのでお得にもなる。」(30代・福岡県・子ども1人)
「使わない電化製品のコンセントプラグは抜く」(40代・東京都・子ども3人)
「部屋を離れるときは電気を消す。外出の時は水筒を持って出る。エコバッグを使う。自分一人が頑張っても意味がない気がするけど、それでもしないよりはいいかなと思いながら実行している。」(40代・兵庫県・子ども3人)
「洗濯物はお風呂の残り湯を使い、こまめに消灯し、エアコンの温度を下げ過ぎない。」(30代・宮城県・子ども1人)
「洗面所に桶を置き無駄に流れる水をためて トイレで使っている」(40代・静岡県・子ども1人)

徒歩・自転車移動を心がける

廃棄ガスを排出する「車」ではなく、できるだけ徒歩や自転車での通勤を心がけているとの声も寄せられました。運動にもなって一石二鳥ですよね。

「車より徒歩」(40代・愛知県・子ども2人)

積極的にリサイクルする

なかには、積極的にリサイクルをしているご家庭も。「もったいない精神」も環境保全には大切なこと。いらなくなったものは捨ててしまう前に、どこかでリサイクルできないか一度考えてみましょう。

「リサイクル出来るものはする。 子ども服は捨てずにお下がりに回す。」(40代・千葉県・子ども1人)
「牛乳パックは洗って乾かして開いて、スーパーの牛乳パック入れに持っていく。」(20代・大阪府・子ども1人)

ごみを減らし、分別する

できるだけごみを減らせるように気をつけつつ、出てしまったごみはしっかり分別。ごみの分別は、資源として再利用できるものを抽出できるだけでなく、焼却の効率を上げ、焼却炉や埋立地の延命にもつながります。一見面倒なことですが、ごみの日の分別にはしっかり配慮していきたいですね。

「出来るだけゴミが出ないよう意識している。家の中でも使えるものはすぐ捨てるのではなく再利用したりしている。これと言って、目に見えて何かが変わった!ということはありませんが、続けることが大事だと思うのでこれからも続けようとは思っています。」(30代・宮城県・子ども3人)
「ゴミの分別を出来るようになった。また、ペットボトルのキャップを集めたり、缶のタブを集めたり、再利用についての意識が高くなったように感じます。」(30代・宮城県・子ども3人)
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まずは、ほんの身近なことから行動を起こしてみましょう

身近なことから生じ、身近に迫る環境問題。しかし、その対策も、同じく身近なことからはじめられます。ごみを分別する、エコバッグを忘れない、いらない洋服はリサイクルする……そんな、ちょっとしたことの積み重ねが環境保全に繋がります。まずは、環境問題を意識をして、ほんの身近なことから行動を起こしてみましょう。

 

構成・文/羽吹理美

今回の記事で取り組んだのはコレ!

  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 14 海の豊かさを守ろう
  • 15 陸の豊かさも守ろう

SDGsとは?

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