世界の価値観は近年、さまざまな点で大きく変わりつつあります。性別に関する認識もそのうちの一つです。昔ながらの「女性らしさ」、「男性らしさ」から自由になり、多様性を重視する流れが大きくなってきました。
これから生まれてくる赤ちゃんは、そんな新しい時代を生きる世代。中性的でジェンダーフリーな名前が近年注目を浴びています。そこで、この記事では男女どちらでも使える名前を紹介します。
目次
ジェンダーレスな名前は増えている!
「性別による差別や決めつけをやめよう」という動きが近年、日本でも浸透しつつあるのを感じている人も多いのではないでしょうか。性別の持つステレオタイプなイメージに縛られない考え方を「ジェンダーレス」と呼びます。ファッションやコスメ、恋愛の形まで、さまざまな場面で「ジェンダーレス」な価値観が広まっています。
たとえば、中学校・高校の制服。女子生徒の制服にスカートだけではなくスラックスを導入する学校が年々増えていますね。
また、体の性別と性自認が一致しない「トランスジェンダー」や男女のカテゴリーに入らない性自認を持つ「ノンバイナリー(Xジェンダー)」の人による、戸籍上の改名も知られるようになりました。このことから、子どもが性自認をはっきりと意識する年齢になっても自分の名前に違和感を感じないように、中性的な名付けを考えるママパパも増えているのです。
男の子でも女の子でも使える人気の名前を紹介!
続いて、中性的な名前のなかでも特に人気の高いものを紹介します。
ランキングをチェック!
まずは、ベビーカレンダーが発表した2023年のジェンダーレスな名前ランキングを見てみましょう。
1位 楓(かえで)
2位 陽葵(はるき、ひなた)
3位 結月(ゆづき)
4位 凛(りん)
5位 碧(あお、あおい)
6位 紬(つむぎ)
7位 樹(いつき)
8位 凪(なぎ)
9位 陽向(ひなた)
10位 葵(あおい)
結果からは、一文字の名前が多いことが分かりますね。この理由についても、次から詳しく見てみましょう。
ジェンダーレスな名前に一文字が多いのはなぜ?
近年、男女ともに1文字の名前の人気が続いています。
中性的な印象の名前が多いというのが主な理由の一つです。たとえば、2文字以上には女の子なら「子」や「乃」、男の子なら「也」「介」など、男女差が出やすい止め字も多く使われています。それに対し、1文字の名前には性差を感じにくいものが多いため、時代の潮流に沿った名前として注目を浴びているのです。
1文字の名前が持つ、呼びやすさや親しみやすさも理由の一つ。さらに、海外でも覚えられやすい・海外ネームと似た響きが多いため、将来国際的な交流や職業に関わる可能性を見すえて選ばれることも少なくありません。
男女問わず使えるおすすめの名前20選!
それでは、男の子でも女の子でも使えるおすすめの名付け例を紹介しましょう。
1文字
澪(みお)
河川の深い部分や航路などを意味する「澪」は、名付けでも特に人気の高い漢字です。澄んだ水のイメージから、清らかで美しい心を持つ人に。
渚(なぎさ)
波打ち際や水辺を意味する「なぎさ」。海の穏やかなイメージから、のびのびとした優しい人に。
晶(あきら)
「水晶」「結晶」などに使われる「晶」は、もともとは星の光をあらわす漢字です。きらきらと光る結晶体のイメージから、心身の美しさや透明感のあるイメージが込められます。
蓮(れん)
美しいピンク花弁が幾重にも重なった花「蓮」。仏教と縁深い花でもあります。花の性質や佇まいから、清らかさや芯の強さといった意味が込められます。
礼(れい)
「礼儀」「礼節」でもおなじみの「礼」。名前でも同様に、人に礼儀を尽くせる人物、礼儀正しい人物といったイメージが込められる漢字です。
優(ゆう)
人の性質や言動をあらわす言葉のなかでも、穏やかで癒しを感じる「優」。漢字の意味のとおり、心優しい人に育ちますようにという願いが込められる名前です。
歩(あゆむ、あゆみ)
「日進月歩」「千里の道も一歩から」といった表現でも知られる「歩」。このような慣用句のイメージから、こつこつと努力を積み重ねられる人、着実に成長できる人といった意味が込められます。
薫(かおる)
かぐわしい香りを意味する「薫」。麗しく、人を惹き付ける魅力を持つ人物になってほしいと願って。
遥(はるか)
距離や時間が長いことを指す「遥」。本来の意味から、器の大きさや果てしない可能性といったイメージが込められる名前です。
郁(いく)
香りが豊かであることや、文化が発展している様子をあらわす「郁」。魅力的な人、文化教養に親しめる人になることを願って。
友(とも、ゆう)
友に恵まれる人生であってほしい、人と助け合って生きていけますようにという願いを込めて。
音(おと)
音楽をはじめとする芸事の才能を願って。人を楽しませる人物になりますようにという願いも込められます。
圭(けい)
王が与える宝石、きちんと整っているさまを表す名前です。けいくん、けいちゃんと親しみやすい名前です。
皐(さつき)
爽やかな印象で、風薫る五月生まれの男の子や女の子にぴったりです。
純(じゅん)
清らか、純粋という意味のある名です。呼びやすく親しみやすいため、男の子も女の子も似合います。
空(そら)
どこまでも広がる青空のイメージの、明るく爽やかな名です。おおらかであれという願いをこめて。
翼(つばさ)
大空をはばたく鳥のように自由であれという願いをこめて。雛から成鳥になり、未来へ飛び立ちます。
2文字
一桜(いお など)
漢数字の「一」には、「一番大切な人」「唯一無二」といった意味もあります。ママパパのお子さんへの思いを込めて。
瀬名(せな)
流れる水のように、爽やかで心の澄んだ人に。
悠里(ゆうり)
心の広さを願って用いられる「悠」。のどかで自然豊かな田舎のイメージを持つ「里」。穏やかで優しい人に。のびのびと育ちますようにと願いを込めて。
瑞希(みずき)
フレッシュで希望溢れる人に。みずみずしい感性を持ち続けられますようにと願って。
真澄(ますみ)
心の美しい、裏表のない人に。物事の本質を見極められる賢さを願って。
皐月(さつき)
5月(皐月)生まれのお子さんにもおすすめの名前です。爽やかで美しい人に。
夕貴(ゆうき)
誇り高くミステリアスな魅力を持った人に。
未来(みらい)
いつでも希望を持ち続けられる人に。お子さんの明るい未来を願って。
飛鳥(あすか)
大空を飛ぶ鳥のように、おおらかで前向きなイメージの名前です。
伊吹(いぶき)
生命の根幹である「いぶき」の壮大さや力強い生命力を願って。
紫苑(しおん)
優しく気品にあふれた名前です。紫はいにしえから高貴を表す色として知られています。
千尋(ちひろ)
知恵があり優しい印象の名は、男の子にも女の子にもおすすめです。
真央(まお)
穏やかで包容力を感じさせる名です。丸く包み込むやさしい子にと願って。
名付けでおさえておくべきポイント
最後に、赤ちゃんの名前を考えるときのポイントや注意点を解説します。
名前の響き・名前の意味
名前は実際に呼び合うことも多いので、字面や意味だけでなく響きも大切です。響きが名字とつなげても違和感を感じないかどうか、一度チェックしてみましょう。
また、漢字の本来の意味は違っても、響きがネガティブな物事を連想させるようなものなら要注意。名前をどう書くか知らないまま、音で聞いたときに印象を左右してしまう恐れがあります。
漢字の意味や由来、一般的なイメージをふまえた名付けも大切です。ママパパの願いにふさわしい漢字を選びましょう。
姓名判断
日本では古くから、名前の字画からその人の性格や運命を占う姓名判断がさかんに行われてきました。
姓名判断の結果を第一に優先するなど、気にしすぎる必要はありませんが、気になる人は一度調べてみましょう。姓名判断は、Webサイトで手軽にできるものからお寺や神社で行う本格的なものまであるので、それぞれの予算や考え方に合わせて選んでみてください。
新しい時代のジェンダーレスな名前を名付け候補に!
ジェンダーレスな名前も、さまざまな意味やイメージの選択肢があります。明るさや希望を感じさせる名前から、穏やかで優しそうな名前、きりっとした印象のものなど、漢字のイメージや組み合わせ方によって大きく変わります。
今回紹介した内容をふまえて、ジェンダーレスな名前をぜひ名付け候補に入れてみてくださいね。
文・構成/HugKum編集部